陰陽師っていうとおどろおどろしいのとか安倍晴明的なのとかイケメソ的なのをイメージしがちですが、この物語は全体的に優しい物語だった気がします。
奈良町ひとり陰陽師
仲町六絵
奈良町ひとり陰陽師 メディアワークス文庫
仲町六絵
奈良県奈良町に在住する和菓子屋の息子・楠葉シノブは奈良で最後の一人となった陰陽師。お供には猫又の墨香、ラノベでも一般書籍でも定番でテッパンである幼馴染キャラは ゆかり 。
この三人?を中心に物語りは進んでいきます。
陰陽師といえば夢枕獏の名作「陰陽師」シリーズや京極夏彦の「百鬼夜行」シリーズ、マニアックなところでは荒俣宏の「帝都物語」、帝都物語での加藤保憲(嶋田久作)はインパクトがありました。CLAMPの「東京BABYLON」「X」や私の大好きな西尾維新の「物語」シリーズにも登場します。
というぐらいにメジャーな存在ですよね~。
しかし、この作品は他の作品とは違って基本的にほのぼの。
読んでて楽しい。
心躍るようなワクワクやいかにもなラノベ的展開ファンタジーではないですけど面白い。
普通の生活に神や妖怪が存在し、それが見える人もいれば見えない人もいる。
しかし見えるだけでは問題が起きても対処できない。
ってことで陰陽師登場。
登場する妖怪も神もどこかコミカルだったり、神だけにまさに神秘的だったり。
耽美も大冒険も妖怪大戦争で呪術合戦みたいなこともないですけど、それでもやっぱり陰陽師作品。優しく面白い物語がそこにはあります。
昔から宗教は嫌いでも宗教臭い小説や漫画(雷火 とか 孔雀王 とか クラダルマ とか 宗像教授シリーズ とか 変幻退魔夜行カルラ舞う! とか 真夏の夜のユキオンナ とかその他多数)が好きで上記したのやそれ以外にも陰陽師作品は今までに読みましたけど、そのどれにも似てない物語。
ネタバレ的な内容については詳しくは書きませんが、けっこうな面白さの作品であったとは思います。続編が出たら、まず間違いなく買うことでしょう。