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先日のテレビで、桃まつりの開かれる古河総合公園は、ユネスコによる「メリナ・メルクーリ国際賞」を日本で唯一受賞していると紹介されました。しかし、それって何?という方も多いでしょう。
調べてみました。「ユネスコ」はご存じのとおり、諸国の教育・科学・文化の推進を任務とする国連の機関です。そして「メリナ・メルクーリ」は人の名前です。女優で、ギリシャの文化大臣を務めた方なんですね。 このメリナ・メルクーリ賞の目的は、文化景観保護と管理に優れた公園を表彰するというものだそうです。1999年に創設され、現在までに世界の7つの公園が受賞しています。総合公園は、2003年に受賞しました。 受賞理由は、「東京近郊にあり開発圧力に耐えた」との総括評価のほか、「消滅沼(御所沼)の復元による自然と文化の再生」、「自然と人間との多様な接触を表現したデザイン」、「四季折々の自然に親しむ市民の営み」の3点が高く評価されたということです。 ユネスコのサイトに記事がありましたので、紹介しましょう。"Laureates 2003~The Prize has been awarded for 2003 to the Park of Koga (Japan)" 下記は私の拙訳ですが、二重山カッコの部分は補足情報です。参考になればうれしいです。 【2003年の受賞者】 2003年度の賞は古河総合公園(日本)に授与された (復興された沼と天神橋。。。著作:中村博士、古河市) 古河総合公園は、偉大な景観デザイナーの中村良夫氏が小久保忠古河市長の支援を受けて作ったものである。本公園には、古い要素と新しい要素がミックスされている。古河の将軍《古河公方》の居城跡、その墓、古民家は、すべて文化遺産の豊かさの証明である。また、中村良夫氏の仕事に加え、建築家の内藤氏と瀬島氏が、現代的な様相を風景に付け加えた。たとえば、管理棟、喫茶ショップ、天神橋という金属の橋などである。 古河においては、自然の間の関係の複雑さ、自然環境と人間のあいだの関係~文化的風景という考えにおける関係性そのもの~が注意深く考えられており、「総合公園の八景《乾坤八相》」がそれを表現している。 しかしながら、本公園に見られるのはこれだけではない。平野を取り囲む関東の山々の環、公園の丘の上に広がる空、ベルをチリリと鳴らし、紙の凧を揚げる風もみな、全体とした風景を構成する要素として考えられているのである。 つまるところ、この公園は、物思いにふけったり、遊んだりするために作られた緑の空間という設計に対する例外的な存在なのである。その利点は、自然的・歴史的な財産の保存と現代的な創造の融合にある。そして、訪れた人の心のうちに詩的な感興を呼び起こさせる。ここが日本的な風景に対する感受性に根ざしているからだ。そして、訪れた者はそのことに自ら気付かされる。そうすることによって、見る者はこの小さな公園を、ありとあらゆるものの存在する大きな空間に変えるであろう。それが自然であろうと、文化であろうと、精神的なものであろうと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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