テーマ:公共工事について(22)
カテゴリ:できごと
一昨日の新聞で読みましたが、以前、市長選で前市長の対立候補(現市長)を応援した建設業者2社が市の仕事の請負の入札から排除されたとして裁判を起こし、市側の敗訴がこのほど決定しました。求められた1936万円のうち、市はまず1861万円を業者に支払ったそうです。
たいへん遺憾です。市は「排除していない」と主張してきましたが、仮にあったとしても、その処分をやめてもらえればよかったはずで、損害賠償の問題にする必要は無かったのではないでしょうか。そもそも、建設業者が市長選挙を応援することはよいこととは思えません。当選したら取り立ててもらえる期待があるのですから、応援した人が落選すれば冷遇されるのは覚悟しなければならないはずで、実際にそうなってしまったからといって、それを補償してもらうのはどうなのでしょうか。 言っておきますが、私は、どちらの市長も、いずれの建設業者も責めるつもりはありません。そういう慣習があったなら、しかたなかったのかもしれないからです。私にはわからない「事情」があるのかもしれません。とにかく、誰かを非難しても過去はもどってきません。大切なことはこれからのことです。もう二度とこのようなことを起こさないでほしいのです。リコール問題の根っこにこのような事があり、市の未来がこういうもので左右されるとしたら、わたしたち市民としてはたいへん困ります。 こういうことを続けていると、政治家も建設業者自身だって困ったことになるでしょう。今の時代はネットで情報発信や共有が簡単にできるため、従来の「常識」が今までのようには通らなくなってきていると感じます。元民主党代表の小沢さんがよい例でしょう。従来のやり方を改めなければ、最後にはみんなからそっぽを向かれて寂しい結果になってしまうと思いますよ。 人間関係は、「絆」として使うなら、たいへん素晴らしいものです。公益のためという理想があり、お互いが連携して得意なところを持ち寄って、助け合えば相乗効果がでるからです。しかし「しがらみ」はいけません。恩をうって、それを足掛かりに個人や仲間内の利益を優先すれば、ときに敵を作ったり、仲間以外の人々の思いをないがしろにしてしまったりします。 これからは、こういう慣行はもうやめて、倫理観をもって、私欲を捨て、なにが公益になるかを考えた行動をお願いしたいと思います。これは「きれいごと」ではありません。ちょっと発想を変えれば可能なことです。では、どのように考えればいいのでしょうか? それは「富は奪い合うべきものではないと認識すること」だと私は考えます。 限られた仕事を、多数の業者が奪い合う構図と思えば、なるほど、自分がライバルに勝たねばならないと思いこんでしまいます。それはとても苦しいことということは容易に想像がつきます。入札に勝つために無理して値引きをして、適正な儲けがなく、工事の質が落ちてしまっては何にもなりません。またそうしたら最悪な話、事業が続けられなくなってしまうかもしれないでしょう。 そもそも、価値は値段の安さだけで決まるものではありません。ていねいにやるのも価値、アフターの面倒見がいいのも価値、必要のないことはなくても大丈夫ですよと言うのも価値です。安心の材料を使うのも価値だし、最新の工法などを勉強して説明するのも価値です。そして、大手ゼネコンの下請けをやるのではなく、自分が作るならこうあるべきだという提案をする価値はいかがでしょう? こう考えてください。古河市の未来を設計して作り、それで市が発展すれば、仕事そのものが増えると。市民や市の担当者と一緒になり、みんなで夢と希望を育み、アイデアをもらいつつ、悩みを相談して解決しながら前進していく。それは「プライスレス(価格がつけられないほど価値があること)」です。なぜ低レベルの争いを続ける必要があるというのでしょうか。 いま、建設業者さんは、「土建屋」と呼ばれてイメージがあまりよくありません。そこから脱皮してほしいと思います。「コンクリートから人へ」といううたい文句がありましたが、とんでもありません。建設の使命は、コンクリートを使って人々を豊かにすることです。学校も病院もコンクリートなしではできません。みんなが使い、役に立てるものを作るという、みんなを幸福にする仕事なのです。どうか自信をもって、いい仕事をなされるよう希望します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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rirarira14さん たしかに、習慣を直すのは簡単ではないですよね。
でも、それがよくないものであれば、修正していきたいものです。 rirariraさんも、お健やかにお過ごしください。 (2013年01月25日 19時56分57秒)
27日、読売茨城版朝刊に菅谷市長は白戸前市長に総額で3000万を超える賠償金を請求すると報道しています。確かに遺憾です。2社とは旧総和の業者でしょうか?現首長は減給でしょう?
管理人さん同様に市民全体の責任だと感じます。建設業に限らず、個人でも見返りを求める先行支援協力はいかがなものか? 人は欲が感情を左右します! (2013年01月28日 18時59分59秒)
taasie さんに強く賛同いたします。
人のブログのコピペで失礼します。 ***** 以下コピペ ***** ある幹部社員の研修会で質問をしてみました。 「会社はなぜ、売上を上げなければならないと思いますか?」 「会社あるいは部署におけるあなたの使命は何ですか?」 じっくり考えてもらい、そして紙に書いてもらいました。 「なぜ売上を上げなければならないのか、、、」で多かったのが ○ 利益を出すため ○ 会社が存続するため ○ 将来に投資をするため ○ 社員の給料を上げるため そして、 ○ 社員の幸せのため ○ 福利厚生を充実させるため ○ ボーナスをたくさんもらうため ○ 将来の生活を安定させるため 「あなたの使命は、、、」については、 ○ 業務の責任を果たす ○ 与えられた計画や目標を達成する ○ 与えられた仕事を確実に遂行する ○ リーダーシップの発揮 ○ 部下の育成 ○ コスト削減 ○ 改善へ取り組み結果を出す ○ プロジェクトを成功させる ところが、ある企業に行って同じ質問をしたときに返ってきた答えは、、、 「お客様のため」 「お客様に満足していただくため」 だったのです。 ■幹部社員の多くは、 「自分たちのために、あるいは、会社のために売上を上げなければならない」と思っています。 言ってみれば「社内の事情」「生活のため」「うちわだけで何とかしよう」という話です。 そこには【お客】は存在しません。 ところが、業績の良い企業に行くと ○ 何のために利益を出さなければならないのか ○ 何のために目標や計画を達成しなければならないのか について、基本的な考え方が徹底しています。 一日の仕事のなかで【考える】ことに時間を使っています。 教育の効果を考えた場合、 ◎ 正しい考え方を身に付けること ◎ 考えることにどれだけ時間を使っているか そして、社長の想いや主旨、方針がどれだけ社員に伝わっているのか これらはとても重要な要素に違いありません。 ■いやな会社、行きたくない店、、、 ○ 店員が無愛想 ○ 店が汚い ○ 店内をひとりでゆっくり見たいのに話しかけてくる ○ いつまでも注文を取りに来ない ○ 売り込みがみえみえ ○ こちらの都合などかまわずに話を進める ○ なんでもかんでもマニュアルどおり ○ 伝言がきちんと伝わらない そして ○ 産地偽装 ○ 消費期限改ざん ○ 手抜き工事 ○ 言ってることとやってることが違う さらには ○ お客を無視した利益追求 ○ お客を無視した数字目標達成 ○ お客を無視した人事評価 ○ お客を無視した売上計画 ○ お客を無視したコスト削減 ではそもそも、あなたの会社は何のために存在するのですか? ***** 以上、コピペ ***** 前市長、現市長やその取り巻き、市役所職員、その他諸々・・・・・の 発想に、行動に、市民は存在するのですか?古河市の未来は存在しているのですか? (2013年01月30日 17時10分09秒)
管理人さん、誤解を招き申し訳ございません。
>私は、どちらの市長も、いずれの建設業者も責めるつもりはありません。そういう慣習があったなら、しかたなかったのかもしれないからです。 を同感し、市民全体の責任で繰り返してはならないと思います。賠償金請求云々とは切り離してお考えいただきたい。 (2013年01月31日 08時11分10秒)
マッシュさん、ありがとうございます。
私、まさに、このようなことをいま、学ばせてもらっている 最中ですので、たいへん参考になりました。 私たちは何のために働くのか、ビジネスはどうあるべきなのか、 プライベートではどうかなど、大変興味があります。 (2013年01月31日 22時04分33秒)
こがじろうさん、こちらこそすみません。お返事を書いた後で、
「私たちは選択の責任を負わなくてはならなくなるものだ」、 とおっしゃっているのだろうと気づきました。賠償金を安易に 前市長に請求して終わりにしたら、また歴史は繰り返されます。 欲得と恨みの世界です。そこに光明は見えないでしょう。 (2013年01月31日 22時08分33秒)
taasie さん
コメントありがとうございます。相手に心の底から「ありがとう」って言ったいただけた時、涙が出るくらいうれしくなります。頑張ったよかった、私は存在していた良かった、って感じます。また、心の底から「ありがとう」って言えた時もとても幸せになります。多くの人が、周りの人の「ありがとう」のことをしっかり考えて行動しさえすればこの世の中はハッピーなはずです。今日も頑張っぺ。 (2013年02月04日 08時52分12秒)
マッシュさん
ほんとうですね、「ありがとう」は、言われても、言えてもうれしいものです。 何に対して感謝の気持ちを持てるかで人生の幸せは決まってくる気がします。 (2013年02月05日 07時55分01秒) |
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