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古河三高出身の映画監督、樋口真嗣さんが企画監修を務める『特撮国宝-KOKUHO-』が「日本映画専門チャンネル」で放送が始まりました。7月6日の産経新聞文化面に掲載されました記事によると、樋口監督が特撮界の巨匠を招いて、作品の舞台裏を聞き出すのだそうです。
実は、樋口さんは、特技監督を務めた平成版『ガメラ』などでCGを意欲的に取り入れてきた方なのですが、最近はデジタル技術の進歩で、特撮の出番が減りつつあり、このままでは、技術が失われてしまうと危惧されて、今回の番組の制作になったようです。特撮を懐かしむだけでなく、「表現の武器」として残さなければいけないと樋口監督はおっしゃいます。同感です。 これは私の考えですが、なぜ特撮がよいのかといえば、たくさんの人が力を合わせて最高の仕事をしようとするからです。絵を描く、ミニチュアを作る、動かす、撮影するなど…どこかが手を抜くとクォリティが下がります。だからみんながこだわり、思い入れ、情熱をもって、工夫をしながら仕事をする。そこに価値のある作品が生まれます。 さらに言えば、高度成長期の日本では、みんなが真剣に質を高めようと気持ちで取り組んだので、技術立国として発展できたのだということを、私たちは忘れてはいけないのではないでしょうか。CGはたしかにキレイかもしれませんが、多くの人が関わることはできません。制作者ただひとりが賞賛または批判(売れないことも含む)を浴びてしまい、物づくりが大切にされることもないでしょう。 最初は未熟でも、叱られたり、励まされながら経験を積み、成長してすばらしい技術を身に付け、周りの人に感動を与えられるようになり、さらに、後輩に想いや技術を継承していくというサイクルが失われてしまったら、これからの社会はどうなるのか、考えてみていただきたいですね。 「特撮国宝」は毎月第1・第2木曜の午後11時に新作が放送され、第3・第4木曜などに再放送されるそうです。私はBSは見られないのですが、ごらんになれる方、ぜひお勧めします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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いまは多くのものがコンピュータを一度は経由しないと出来上がらなくなっていますね。
私が携わっていた仕事も、機械の一部にコンピュータが搭載されるようになったものの、多くの場面で人間が必要でした。当時、製品の出来上がりについては、業界内でルールがあり、それに則っていなければ笑われたものでしたし、即ボツでした。長い間に作り上げられたルールは、パソコンの普及で、だれでもその日から、とりあえずは作ることができるようになって、あっという間に重視されなくなりました。 特撮の分野でも、「特撮の基本~制作過程など」を知ることは、CG製作の時にも大いに役立つと思います。 (2013年07月12日 23時38分53秒)
ひらちゃん302さん
誰でもお手軽にできると、観客としてもワクワクしにくいのでは? 私は、手作りされたものにはあたたかい想いがこもっている気がします。 いいなぁと感じ、そして頑張って作った人を応援しようと感じます。 (2013年07月14日 18時40分06秒) |
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