テーマ:都市計画・まちづくり(105)
カテゴリ:古河市の発展
合併前の混乱期から今まで、古河を見守ってきて感じたことは、古河には「歴史の街」という強烈なアイデンティティがあるということです。自分たちのルーツに誇りを持てるのは、すばらしいことですね。でも、それは、古河市の財政や私たちの生活などに、どのぐらい貢献をしてくれているのでしょうか、また、今はそれほどでなくても、将来、古河を繁栄させるという見込みはいかがでしょうか? もし、そこをあいまいに考えているならば、発展という成果は出にくいのではないか、と思います。
私は「歴史」を軸としたまちづくりに異を唱えているわけではありません。むしろ、先祖とその偉業を大事にするコンセプトを大切にしたい。だからこそ、それを支える費用を確保することを考える必要があるということを申し上げたいのです。これが十分できなければ、次第にじり貧になり、やがて輝きが失われてしまうことを、私は人一倍、心配しています。無理をして、史跡の周りだけピカピカにしても、他の都市もそれぞれ素晴らしい資産を持ち、磨いている以上、なかなか思うようにはいかないでしょう。 ですから、ここでは、地域を発展させ、そこで得た富の一部で、観光に値する街づくりを一層推進させることを、提言させていただきたいと思います。そこで、まず、おたずねします。「なぜ、古河が歴史の一ページを彩ったことがあるか」を考えられたことはおありでしょうか? このような問題意識を共有できれば、どうすれば発展・繁栄できるかわかるので、市民の心が一つになって、ぶれずに結果の出る計画を作り、そしてお金を有効に使うことができるようになることでしょう。お金の問題で政治が混乱することもなくなることと思います。 話を先ほどの問いに戻します。古河には、独自の価値があったから栄えていたはずですよね。では、それは何か? 私は、古河が関東平野の中央にあり、しかも関八州の要衝に当たるということだと思います。茨城、栃木、埼玉、群馬、千葉の県境が集まっている(昔の古河は下総国で、武蔵、下野、上野、常陸の接点だった)のです。しかも、東京・神奈川と電車で直接結んでいる(昔は川で江戸と結んでいた)。このような地域は、日本広しといえども、ここだけと言ってよいでしょう。私たちは文化・行政の交差点にいるということをよく自覚し、その特徴を生かした発展策を志すべきだと考えます。 現在、市内には、鉄道の駅がJR古河駅1つしかなく、しかも、旧古河地区のみであるという点が、発展の大きな妨げになっています。そのために、「古河には昔の栄光以外に何もない」という低い自己意識やよそからの目の元凶になっているわけです。しかし、もし、ここに、新幹線駅ができたらどうでしょうか。つくばと連携する話も現実味を帯びてきます。さらに前橋方面へ向かう路線もほしいという話になるかもしれません。そうなれば、周囲の県との結びつきが深まり、地域の価値は驚くほど上がるでしょう。イメージが上がり、魅力的な街として認知され、企業進出、雇用の増大、景気拡大、人口増、税収増加…と素晴らしい発展が望めるはずです。 これにより、生活が便利・豊かになることも、当然、期待できます。が、そこに留まらない可能性を、私は見ております。それが、わたしたちがプレイヤーとして、積極的に、日本・世界に寄与できるチャンスが膨らむこと。これが、何物にも代えがたい、価値のあることであり、真に目指すべきところです。私たち自身の歴史・文化・伝統・学問・産業・活動すべてが、在住のみなさんと、来訪してくださった方々のお役にたてるようになる、そういう未来の古河の姿を旗印に掲げ、元気にめざしていく。そのような古河市の発展と繁栄、それが、私の心からの願いであります。 まとめますと、発展のカギは、地域重要性を再発見し、それを生かした都市運営をするかどうかにあるということです。市長さん、市/県/国の議員さん、市の職員さん、古河市を愛するすべてのみなさん、どうぞよろしくお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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