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塾講師ママ中学受験サポート国語-合格だけでいいんですか-

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低学年の学習について 2

■ 低学年の学習について〔part2 学習内容について・算数〕

学習内容についてですが、大手塾さんに通っておられて転塾して来られた方が持っていた教材を見せてもらって、
私は少し疑問を感じていたのです。特に国語。
小3の国語のその塾のテキスト・・・塾用の小4教材の中で比較的簡単なところを集めてあるだけだったんですよね。
小学校の単元テストみたいな感じで、文章の一場面があって、問題は記号選択問題と抜き出し問題。
ごくごく短い文章を初見でしっかり内容を把握するという点では、意味があると思います。
ですが、記号選択問題と抜き出し問題ばかり・・・というのは、これは、ある程度の人数を授業内でやらせて答え合わせがしやすいという講師側の都合にあわせた内容のように思えます。
で、いろいろ教材を調べてみると、関東のT塾さんとS塾さんの低学年シリーズは、ちがいました。どちらかというと学校の教科書の方に近い感じ。
物語も説明文もが何ページにもわたって全文が掲載されていて、問題も記述問題が多め。文章の内容も濃く、何度も読み返して講師が噛み砕かないとそのテーマを読み取るのは難しいというなかなかのハイレベルな文章が題材になっていました。
そうでなくちゃ。と、私は、2年かけて、小2~小4春までのテキストをオリジナルで製作しました。(著作権の関係で、題材には苦労しましたが。)
子どもたちの反応やテストの結果から、その教材のねらいはまちがっていなかったと思います。
ねらい自体はそれほど難しいことではないので、ご家庭での勉強にも参考になると思います。

前にも述べましたが、低学年の間に少しでもリードしたいと思ったとき、表面的なカリキュラムの先取りはあまり意味がありません。
ある程度の時期がくれば、みんなができるようになることを少し早くできたって仕方ありません。
すぐに追いつかれるところではなくて、長期的な取り組みによって大きく差がつく部分を、目標から逆算していって、今からじっくり取り組むことに意味があります。
高学年で苦手としている子は、どういう力が不足しているか・・・ということを考えると、低学年からしておくといいことのヒントが見えます。

算数で言うと、苦手な子はやっぱり計算ミスが多いです。そして、単位が苦手。
また、+・-・×・÷のそれぞれの意味をぼんやりとしかとらえていないことが多い。今の単元は割り算だから割り算で式を作ろう・・・という感じ。これではもちろんダメです。

まず、計算を正確に速くできるように練習する。これは数をこなすしかないでしょうね。
単位を具体的にイメージできるようにする。単位って、100とか1000とか10000とか、苦手な子からしたら0がいくつだとかとても表面的なことになってしまっているようです。
例えば1デシリットルぐらいのグラスと、ペットボトルを1リットルぐらいにカットしたものと、1ccぐらいの鉛筆のキャップを用意して、何杯でいっぱいになるとか、ちゃんと体験させてあげると理解できるようです。
+・-・×・÷のそれぞれの意味をきちんと理解する。この部分が曖昧な子は、速度や時間や抽象的な内容になるととたんに戸惑ってしまい、困ることになります。どうしても単元ごとに授業が進むために、「今は掛け算だから、掛け算の式。」というように深く式の意味を考えないでも正解してしまいがちですから、注意が必要です。
「かける」ってどういうこと?同じものをいくつもいくつも並べている感覚が身についているかどうか。物体だけでなくて、抽象的なものでも大丈夫?
同じ単元の練習問題の中に、今までの古い単元を混ぜて、本当に理解できているか確認することはとっても大切だと思います。
内容削減で、学校では練習問題がずいぶん減ったようですし、応用問題は手付かずなんてこともあるようです。

掛け算の概念が固まっていないうちに、割り算を先取りしてしまったら、返って面倒かもしれません。計算はできても文章題で困ることになります。
掛け算の理屈を徹底的に理解するまで、いろんなタイプの練習問題に触れて、頭の中で複数物が並んでいるイメージと「□×□」がつながるように。
式をたてるということが算数の土台となるわけですから、この部分をゆるぎないものにするためには、どれだけ時間をかけて練習量を積むかにかかっていると思います。
塾によってはカリキュラムの速さをウリにしているところもありますが、この土台作りの時期は、むしろどれだけゆっくりやるかが大切だと思っています。ここがしっかりしていれば、小4以降は、スピードが速くなってもついていけるようになるとは思いますが。
(中学受験をするなら小3ぐらいから塾へ・・・というふうに早まってきているのは、単元的に重要な土台固めが、今の学校では練習量不足でしっかりできていない子が増加していること関係していると思います。)


教材ですが、子どもが進んでやるのは、その教材の8割が自力でクリアできるものなんだそうです。自作のものを作られることも多いと思いますが、それなら、この8割のラインを意識するといいと思います。
つい、効率を考えると簡単な問題は省いて、まちがえそうな問題ばかりを並べたくなりますが、やる気なしに勉強は進みませんからね。

***

ご質問をいただきましたので、少し補足したいと思います。

>低学年の間に、算数の表面的なカリキュラムの先取りはあまり意味がない、
>というのは全く同感です。
>そこで、低学年からしておくといいことのひとつに「計算を正確に速くできるように練習する」
>を挙げておられますがこれも同意いたします。そのほかに、どのような練習をすればよいでしょうか?

少し話が戻りますが、高学年でその科目が苦手としていることを考えますね。
算数ですと、
「その単元を習っている間は解ける(と思った)のに、いざ、テストになるとできなかった。
家に帰って落ち着いたら解けた。」
という生徒が非常に多い。

授業で新しい単元を習うときには、ごく基本的な内容から数問から数十問の練習をして少しずつレベルをあげていきながら応用問題へと到達しますよね。
準備運動から練習試合までをコーチといっしょにやっているような感じ。
その間、単元のポイント、注意点、公式を意識し続けていられます。
ですから、いったんは解ける手ごたえを得ることができます。

しかし、中学受験生対象のテストを受けるときには、基礎問題はほとんど出題されずに、習熟度が高くないと解けないような応用問題ばかりがずらっと並ぶわけです。
ボスキャラ並みの手ごわい問題が、次から次へと様々な単元から出題されるわけで、
まずどの単元出身の問題なのかを見抜き、
その単元での公式や注意点は何だったか、即座に判断し、
的確に図や式をひねり出し、答えを導き出さなければなりません。
もちろん制限時間内にです。

こういうテストに強くなろうとすれば、
ご家庭での学習は、今習っている単元をしっかり定着させる練習量はもちろんですが、
今まで習った単元をごちゃまぜにした文章題に慣れるような取り組みが有効だと思います。
足し算の問題。引き算の問題。足し算と引き算を両方使う問題。
掛け算の問題。割り算の問題。掛け算と足し算、掛け算と引き算、
割り算と足し算・・・というように、単元にとらわれないでいろいろな文章題を
混ぜて、その場その場で適した式を即座に作ることができるような練習をすることが必要です。
小3以降だと、単位の書き換えや時間の計算なども混ぜる必要がありますね。


例えば・・・

□ただし君は、午前11時20分から2時間30分読書をしました。
 今日は、3巻の最初から5巻の最後まで読みました。 この本は1巻85ページあります。

1 ただし君が本を読み終えた時間は何時何分ですか。
2 ただし君は、本を何冊読みましたか。      
3 ただし君は、全部で何ページ読んだことになりますか。
4 ただし君は、1冊読むのに何分かかったことになりますか。
5 ただし君が、4巻を読み始めたのは、何時何分ごろということになりますか。

1 11:20+2:30=13:50          答 午後1時50分(13時50分)
2 5-2=3(※読んだ3巻を引いてはいけませんね。) 答 3冊
3 85×3=255                答 255ページ
4 2時間30分=150分。 150÷3=50分      答 50分
5 11:20+50=12:10              答 午後0時10分(12時10分)

これは、あくまで一例ですが、その度ごとに問題文の内容をとらえて、それを式にするという練習は、とても大切だと思います。頭の中の知識を自由自在に取り出せるようにしてあげたいですね。(ただし、「低学年の学習1」で述べましたように、「やらせすぎ」は禁物。)

また、子ども自身に問題文を作成させるというのは、理解度を確認するのにいい方法です。「掛け算を使う文章題を作ってごらん。」「式が89×6となるような問題文を作ってみよう。」「56÷6+2となる問題文を作りましょう」というものです。



少し余談ですが、なぞなぞ遊びは、問題文を聞いてそれをイメージし、蓄積された知識から必要なものを取り出すいい練習ですよ。幼稚園児からできますしね。
まちがい探し(「ウォーリーを探せ」「ミッケ!」なども)は、細部に対する注意力や集中力を養います。
複雑な形の面積を、面積が等しい図形を移動させたりして求める問題などで、漠然としか図を見られないととても困ります。同じように見えるものの小さな差異に気づくという力は、身につけておくと非常に役立つときが来ます。
複雑な筋道を理解して、ときほぐすとか、ある条件下でその続きを推理するという力は、将棋や囲碁などでも養われるようです。将棋が好きな生徒は、算数・理科で抜群の力を持っている子が多くいました。



国語の学習については、こちらをご覧ください。→→続き〔part.3 学習内容について・国語〕を読む
 



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