受験校と進学校□受験校と進学校受験させたい学校と、実際に進学させたい学校・・・ズレていることもあるのではないでしょうか。 私が進路指導しているときもそうでした。 例えば 挑戦校にのA中。 (本人の平均偏差値+7) 実力的に妥当なB中。(本人の平均偏差値±0) 第2志望としてC中。(本人の平均偏差値-2) 第3志望としてD中。(本人の平均偏差値-5) 以上4校を受験したとします。 本人の調子もよく全てに合格した際、A中に進学させるというのが一般的ですが、 最近はそうではないケースも増えてきたように思います。 学力的に受験させてみたい学校の偏差値の順位と、進学させたい学校の順位がちがう。 それは、通学時間という物理的なものもそうですし、 部活動や行事についての取り組み、 コース編成、 説明会での先生陣の印象・・・ いざ、進学先として、大切なわが子を6年間(3年間)預ける学校として、偏差値以外にも様々な項目が出てきます。 大学実績も、例えばA中の下位とB中の中位だったらB中の方がよいということもありえます。 極端な例を言えばA中の最下位なら、D中のトップの方がいいでしょう。 挑戦校に合格。それは子供にとって大きな大きな自信になることでしょう。 しかし、自分よりも成績がよい生徒がほとんどの中に、なんとかぎりぎり滑り込んだような合格の場合、 その環境で伸びる性格の子か、苦しむタイプの子か・・・。 また、B中は部活は趣味程度。あくまで勉強中心の進学校。 C中は、コーチなども熱心で全国大会常連の運動部もある。 という場合、 成績的にはゆとりを持って入学できるC中で、運動部に入り 学生生活ならではの厳しい部活動でしか学べないことを学べることがあるかもしれない。 結果、B中に進学するよりも収穫の多い学生生活を過ごすことができるかもしれません。 成績的には上位での入学となるから、両立しながらもB中へ進学したときとさほど変わらない大学をねらってもいけるかもしれない。 ある子は、A中に合格したけどC中へ進学して、部活も勉強も一生懸命、 全国模擬テストでは成績上位者の常連になっています。 入試では1位だったそうですが、定期テストなどでは油断するとベスト10を逃すこともあり、 また気が引き締まって次はまたトップ・・・といい刺激もあるようです。 お母さんは、「もしA中に進学していたら、よくても半分ぐらいのところだと思うんです。 450人中220位とかでは次にがんばって10位あげても210位。 それだと少しずつパワーダウンしていただろうと思う。」とおっしゃっていました。 小学校では「賢い」と一目置かれていた彼女は周りの期待に応えたいというのがエネルギーになっていた。 それに近い環境という点では、あえて余裕のある中学への進学が功を奏したと言えるでしょう。 ある子は、最初は予定になかったA中を受験してみごと合格。 成績的にはちょっと背伸びをしてA中に進学。 それによって、のんびりほんわかしていた彼女が、きりっと芯の通ったというか、 自分の意見をしっかりと持って表現できるようになったとお母さんがおっしゃっていました。 「先生、周りはみんな自分より賢いから、手を抜けへんよ~。 大変やけど、みんなと肩並べられる自分になりたいから、必死にがんばってる。 がんばり続ける自分て、ちょっとかっこいいかな~と思ってるから この学校に来てよかった~!」 この子の場合は、挑戦校に進学してよかった。 こつこつ取り組む努力家の性格、自分を磨き続けることに前向きな彼女は、 周りがみんな自分より上というのは絶好の環境だったようです。 進学となると、成績も大事だけど、それ以上にお子さんの性格を加味する必要があると思います。 こんなはずじゃなかった・・・そういうエピソードも結構耳に入ってきていませんか? 私自身が、高校進学の際、偏差値だけで決めて失敗しました。 ですから、私の教え子については、できるだけ性格や本人の描いている中学生活も配慮して進学先について話し合ってきました。 少なくとも成績だけで自動的に進めるようなことはしてきていません。 こういう塾や講師は少ないようです。 少しでも高い学校、有名な学校に合格してもらった方が、宣伝となる。 少しでも高い学校に挑戦させてみたい。有名な中学に合格したい。もちろんそれもいいと思います。 勉強してきた人にしか得られない「合格」はどれも全てに大きな意味があります。 ですが、塾にとっての価値と、お子さんの人生にとっての価値は必ずしも一致するとは限りません。 一致していればいいんですが、そうでないとき、判断できるのは、親しかいません。 進学先として中学を見たとき、性格と校風を見比べて、判断できるのは生まれてからずっとお子さんを見続けてきた親だけです。 学校の持つイメージや風評、見栄、ブランド・・・揺れる気持ちはわかりますが、 大切なのはお子さん本人。6年間、結構長いです。 ある学校に照準を合わせて無理にお子さんをねじこむとどこかで無理が生じます。 「なにかのまちがいでもいいから合格させて~」なんて拝むように中学を見上げるのではなくて、 お子さん側に基準を合わせて学校を選択していく。 世間で「いい学校」ではなくて、お子さんにとって「いい学校」、 なんならお子さんにとって「だけ」いい学校を探すぐらいの気持ちで進学先を考えてもいいと思います。 せっかくここまでがんばってきたお子さんです。 「この学校に入ってよかった!」毎日楽しそうに学校に通ってほしいですね。 ※このブログを応援してくださる方は、こちらをクリックしてくださいますようお願いします。 1日1クリックカウントされます。 <(_ _)>今後の更新がんばります。→ →つづきを読む。 →TOP(記事一覧)にもどる。 |