それぞれのドラマ
関西の入試の結果が出揃いました。 お父さんお母さんも、本当にお疲れ様でした。 呑気な本人よりもずっと気を使っておつかれのことと思います。 まだ小学生の子ども達にとって、緊張の中自分の持っている力を出し切るというのは大変難しいことです。 あれだけ世界中から「金メダルに最も近い選手」と言われていたフィギアスケートの浅田真央選手も、 金メダルは取れませんでしたね。相当のトレーニングを積み、ありとあらゆる分析をして、それでもうまくいかないこともある。その悔しさはいかほどか、私のする想像よりもはるかに大きいものだと思います。 翌日のフリーでは、見ている方が涙があふれてくるような素晴らしい演技で世界を魅了しました。 その気持ちの切り替えについてのインタビューで、真央さんが言っていました。 「実は前日の失敗を引きずってしまって、朝の練習ではジャンプが一度もまともに跳べませんでした。自分の体を自分でコントロールできないまま、フリーの直前の時間まできてしまいました。 音楽が鳴るというその瞬間、最初のポーズを決めるその瞬間、しーんとした会場で、いつもなら誰も声を発しないその瞬間に、『真央ちゃんがんばれー!』応援してくれた方がいました。静かな中で声を出すことにその人も勇気を出して声を出してくれたのだと思います。そのあと何人かも続けて『がんばれー!』と。それが耳に届いてた瞬間、すべての鎖みたいなのが解けたように、すっと体が軽く自由になりました。もう好きなようにやろう。思い切ってやろう。と思えたのです。」 自分にできることをやりきった後、人の声を素直に自分の中に受け入れて力に変えることができる。 声を出した側について「勇気を出してくれたと思う」と言える。 「フリーで納得のいく演技ができたのはなぜか」と聞かれて、自分がしたことではなく応援の声について話をするというそういう視野の広さというか、周囲を大切にしている姿勢。 見習いたいです。 生徒さん達も、この受験を通して皆さんお持ちの力に多角的に磨きをかけました。 論理的な考え方、 多くの知識、 積み重ねることの意味、 複雑なものを楽しめる感性、 つまずいたときに教えてもらって理解できた体験、 油断するとまんまと下がってしまった成績、 「解きたい」「できるようになりたい」という前向きな気持ち 磨いてきた力が、先生や友達と出会うことでさらに開花していくのでしょうね。 多くの実りある日々となりますように!