カテゴリ:考え事
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中学受験の勉強ではなかなか偏差値が伸びなくて苦しい思いをしている子が、学校ではいきいきと自分をアピールできるとか、逆に学校では引っ込み思案と思われていて一度も自分から挙手をした ことがないという子が、塾では全くちがって自分の得意単元でみんなに一目おかれてすごく自信満々に明るく振舞えているという子もいます。 場所によって自分のキャラを使いわけている子は珍しくありません。 命と同列には話をするべきではありませんが、SOSの受信は難しいということについて。 中学受験の勉強をしていて、とても素直で、順調に課題をこなし、成績も伸び、 人気のある志望校にもこのまま行けば余裕で合格圏、塾での友人との関係も良好。 それなのに ぱたっとスイッチが切れたように6年生の夏休みを越えてから 受験そのものをあきらめるという選択をした生徒も過去にいました。 最初は全く理由がわかりませんでした。 親御さんもパニックでした。 糸が切れたとしか言いようのない、本人の変化。現れたときには遅すぎました。 自分でも勉強は勉強で楽しいと思えていたけれど、ある日、テキストを開いたら頭が痛くなり、 鉛筆を握ったら耳鳴りがしたと。 テキスト全部燃やしたら治る気がすると。 期待する両親とは逆にいっしょに住んでいるおじいちゃんおばあちゃんが、「子どもは遊ぶものや。そこまで勉強しなくていい。かわいそうに。」と言い続けていたという話も聞きましたが、 それ一つが原因とも思えません。 塾の勉強に関しても、誰よりも早く教室に来ていたのも親御さんが言い出したことではありません。 でも、周りの大人が自分をどう見ているかということを敏感に察知し、そうありたいと思い、 できるだけその像に近づこうとすることで、本来のその子の個性とは少しずつズレていき、 ストレスをためこんでしまってある日爆発するということもあるんだと思います。 幼い子は、期待を素直に受け止めてしまう。 期待とは別人格の自分であることを開き直ることはなんだか悪のように思えてしまう。 限界まで頑張る。限界が来たときにはそこまで追い込んだ親や先生全てがその子にとって「敵」となり、発する言葉は心まで届かなくなってしまっていることもあります。 知らず知らずに無理をさせていないか、 子ども本来の可能性を信じて『鍛えている』すごく大切ですが、 バランスには注意しないといけません。 がんばらせた量に応じて、ちゃんとガス抜きさせてあげられているか・・・ その辺はすごく慎重に真剣に考えないといけないと思います。 そして、その配慮は入試が終わっても、ずっと必要であるようです。 こんなこともあり、「うちの子、すぐ弱音吐くんです。根性なしで。(^_^;)」なんてことを 保護者会でおっしゃったら、「それはちょくちょく適度に甘えて、ガス抜きできてるんですよ。ためこんでしまうタイプの子よりも長く頑張れる可能性がありますよ。」と言ってきました。 こんなことをぐるぐると考えていたのは、ニュースのこともありますが、 塾の卒業生のうち、何人かが当時の第一志望校に合格しながら、 出席日数不足で留年が決まったとか転校したとの話が立て続けに入ってきたからです。 直接保護者の方と何時間も話をした方もいますし、生徒本人とも会って話を聞きました。 どの子も成績的には問題ありませんでした。うち1人はコース内トップを維持していたぐらいです。ですが、・・・体調に変化があらわれ、学校に行けなくなりました。 その中学に合格するために本当によくがんばってきたのを見てきた私としては、本人や保護者の味方をしてしまいますけどね。でも、そんなときに味方でいるのも一つかと思っています。 その子に合わせて、核心については知らないふりしてもみたり。 これから受験をする方にもきっと参考になる点があるかと思いますのでこの件については、 落ち着いてからまた改めて書きたいと思います。 応援のクリック1票よろしければ、お願いいたします。↓ →TOP(FREE PAGE 記事一覧)にもどる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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