1594420 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

塾講師ママ中学受験サポート国語-合格だけでいいんですか-

塾講師ママ中学受験サポート国語-合格だけでいいんですか-

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X
2007年03月23日
XML
前回のつづきです。
(1度書き終えたものを、息子が近づいた瞬間ぽちっと削除してしまって・・・(T_T)。
 更新遅くなってしまいました。)


「俳句を作ろう!」と子ども達に持ちかけると、
指を折りながら、いきなり 5・7・5に当てはめて、完成形を作ろうとすることが多いです。

最初はそうやって音感・リズムを楽しむのもいいですが、
その発展として、「言葉の守備範囲を意識」してみましょう。

(1) 青い空 白い雲が うかんでる

俳句を作り始めた子ども達に多いのが(1)のパターンです。
青と白とのコントラストがきれいで、すがすがしさが伝わってきますが・・・
それだけです。

「空」という言葉を聞くと、だいたいの人は同時に青色を思い浮かべます。
「空」と「青」ではかなり守備範囲が重なっています。もったいない・・・。
「雲」という言葉を聞けば、だいたいの人は「白」と「空にうかんでいる」と思います。
これも守備範囲がずいぶんと重なっていてもったいないですね。

自分が表現したい世界に、上手に言葉を配置させるのはなかなか難しいですけど、
こういうことを楽しんでやっていると、表現力の養成にはかなり有効だと思います。

言葉の意味、連想を整理して、本当に必要な言葉だけを抽出して作ることを意識する。
ほんとに、このアドバイスだけで ぐーんと子ども達の作品レベルが上がります。

すぐには上手くいかない場合、言葉を書き出して整理する方法があります。
白紙の真ん中に、書きたい句のテーマを書きます。
例えば「春」。

それを○で囲んで、その周りに春から連想する言葉をどんどんと書いていきます。
例えば「桜」「卒業式」「菜の花」「風」「あたたかい」「ちょうちょ」
またその言葉の周りにそれぞれ連想した言葉を書きます。
「桜」の周りに「ピンク」「白」「散る」・・・
「卒業式」の周りに「友達」「さみしい」「卒業証書」「歌」「先生」・・・

少ししか書けないものはそのまま置いておいて、
どんどんと書ける言葉の連想を広げていきます。
そうしているうちに、頭の中には1枚の絵が描きあがっていると思います。

その絵のポイントとなる言葉だけを拾い上げて、俳句を作ってみましょう。

こんなふうに作った6年生生徒の作品を少し紹介します。

『 この桜 友と見上げる 何年も 』

なにげなくつけられた「この桜」の「この」という言葉が、思いいれのある特別な桜なんだって感じを効果的に伝えます。
ここが同じ五音の言葉でも「桜の樹」だったら・・・この句の印象はずっと軽いものになってしまいますよね。
この作品を作ったSさんは、最初「友と見上げた」としていたのを「友と見上げる」に書き直しました。
最後の「何年も」が厚い友情を培ってきた小学校6年間を感じると同時に、「見上げる」にしたことでこれからもずっと友達だよというような誓いにも聞こえますね。
なんだかとても余韻の残るいい俳句だなぁ~と思います。


次は、男の子の作品。

『 ついてくんな ころおぎ達め 夢の中まで 』

夜寝る前に聞こえてきたこおろぎ達の虫の音。
きれいだなぁ~と心地よく聞いてはいたものの
眠りにつくのにいつまでもいつまでも聞こえてきて、
夢の中までずっと聞こえていた気がする。もう、ついてくんなよ~。

秋の虫の音。風物詩ど真ん中ですが、
それを軽くうっとおしがっているところが面白いっ!
季節の移り変わりを『喜ぶ』句ばかりを作ってしまうのは大人の先入観というものだと
気づかされましたね~。
それに言葉の守備範囲をうまく意識していますよね。
「音」「鳴き声」「リンリン」などの言葉を使っていなくても、
ずーっと鳴り響いていることを表現できています。


Aさんの個性的な作品。

『 元気栗 守るぞみんなで 金のとげ 』

前回の記事で「運動会 風のチーター 走る君」の句を紹介したAさんです。
彼女はある程度の作風をすでに持っている。
作文の課題でもそうなんですが、絵本のようなやさしい世界を持っています。
今回は、家族で栗拾いに行ったことを書くことに。
つやつやとした栗の実が見え隠れしているのをつかもうとしている私達。
それをとげ達が必死に守ろうとしているように見える。
なんだか自分たちが悪者になっているような気分になった。
という作文を先に書き上げ、そこからできた句がこれです。

「元気栗」という個性的な言葉の組み合わせ。
栗を単に食べ物としてではなくて「元気」と表現して
擬人化しているのがまずインパクトがありますね。
食べると元気になる実。自然の恵みをうまく表現したなと思います。
そして、それを苦労してつかまえにきている人間ではなく、
一致団結して守ろうとしているとげの方に感情移入しています。
「金の」できらりと光って、するどい様子なのか、
大切なものを守ろうとして誇らしげな様子なのか、
秋の夕焼けの色のイメージも重なって、絵本のイラストのような世界。

擬人化して表現することは、実は作者自身の感情そのもの。
落ち葉を見て、「さみしい」と感じる人もいれば「ダンスをしている」と感じる人もいます。
それはそのときの気分しだい。自分の感情を対象物に反映させるのが擬人法ともとれますから、
Aさん自身の家族もきっといつも仲良くてきらきらとしているんだろうなぁ。



子ども達が作った俳句を、いいところをこんなにいい、こんなところもとてもいい!
といっぱい誉めることも大切ですよね。
縦長に切った半紙に毛筆で書いて、それらしく壁に掲示し、私なりの評価文もつけました。
他教科の先生も見て「ええ句やなぁ~」と言ってくれるので、生徒達も誇らしげ。(^-^)









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2013年04月01日 19時33分42秒
コメント(0) | コメントを書く
[作文・文章能力・表現力] カテゴリの最新記事


PR

カテゴリ

フリーページ

プロフィール


中学受験は親の受験/伸びる息抜き法


小学校の国語と中学受験の国語は全くの別物


「行きたくない」と言う時期


塾内偏差値と塾の意図


偏差値が上がらない(>_<)なぜ?


国語が苦手なら


国語・物語文対策


低学年の学習について 1


低学年の学習について 2


低学年の学習について 3


目標偏差値の信頼度


主体的学習のススメ


「ここ教えて」って質問にきたとき


自分に厳しくなれる?〈1〉


自分に厳しくなれる?〈2〉


精神年齢を上げたい!


読書のレベルアップ


食生活が合否を分ける?


勉強ばっかりでかわいそう・・・?


国語・語彙力


教育効果の高い生徒


アドバイスをもらいやすい生徒


小学校へ行く意味


エコへの意識


公立高校入試問題の国語を教材に


小学生の万引き


小学生の万引きのつづき


表現力を伸ばしたい


やればできる子を伸ばすために


テストに出るのは「例外」ですが・・・


5行の詩で想像力をチェックしてみよう


アルバイト講師の良し悪し


中学受験と習い事


塾の教室で一波乱


叱るにも技術がいる


たまったプリント処分で復習作戦


あいさつを見直すと集中力が上がる


個性を生かしていきる条件


俳句や短歌の単元


中学受験塾 manavi マナビ 生徒募集要項


◆中学受験・塾物語〈第1話〉


◆〈第2話〉


◆〈第3話〉


◆〈第4話〉


◆〈第5話 その後〉


◇〈第6話〉


◇〈第7話〉


◇〈第8話〉


■〈第9話〉


■〈第10話〉


■〈第11話〉


■〈第12話〉


■〈第13話〉


6年生


合格1つは必ず


入試当日。


面接/自分の長所


入試当日までのおまじない


受験校と進学校


不合格という結果について


授業前のお話~授業をいかそう


~たとえば忘れ物をしたとき


~君こそ勇者だ!


~呪いをかけるか、魔法をかけるか


~君が主人公なんです


~めんどくさいことが作るもの


~数の世界の神秘


~占い勉強法(?)


~朝顔が花を咲かせる条件


~イヤな気分は過去に


~サンタはいるかいないか


~未来の自分はどこから来るの?


プロフィール

mamaviT

mamaviT


© Rakuten Group, Inc.
X