カテゴリ:作文・文章能力・表現力
実際の年令とは別に、例えば精神年齢とか、肌年令とか、体力年令とかっていう言い方をすることがありますが、
「文章年令」ってあるなぁ・・・と思います。 ここ2週間で100人を超える作文に目を通しました。 就職活動用の自己アピール文を短大生のが95名分、大学3回生のを5名分、 大学の推薦入試のためのレポート高3生(元塾の教え子)のを1名分、 小学生の作文教室のを4名分。 特に短大生・大学生の文章で感じました。 ここまで差のつくものかと・・・。 筆跡や使われている語彙、論理の展開。 読んだ印象から想像する人柄や人物像ってありますよね。 それを勝手に「文章年令」と言うのなら、 実年令と相応の20才前後に感じるものは、1割程度。 高校生ぐらいを想像するのが、5割。 中学生・・・いや、小学生でもこのぐらいのこと書くよ?というものが4割ほど。 読書・作文講座を受講してくれている小5の書く作文の方がよっぽどしっかりしています。 やはり、キャリアがものを言うというか。 履歴書の自己アピール欄用の下書きを見させてもらったのですが、 「私は、元気に明るくあいさつすることができます! 近所の人にもあいさつするし、みんなもあいさつしてくれます。 笑顔がいいねと言われるので、社会人になっても明るくがんばりたいと思います。」 という感じのものがありました。 (原文そのままではありません。ちなみに原文にはにっこり手書きの絵文字がありました。(^_^;)) おーいっ!小学生の転校生でもそのぐらいの自己紹介はするぞー。 アドバイスもしますが、なんというか、 誤字脱字は多いし、文法はめちゃくちゃだし、 話し言葉だし、っていうか関西弁も混じっているし・・・、あ~この行全部ひらがなですか・・・ ん?主語と述語が対応してないけど、どういう意味かな・・・ ・・・たぶんこういうことを書きたいんですよね?と文例を記す以外に方法がないという 学生さんの作品もあります。 もう添削を超えて、これってドーピングじゃないかなぁ・・・と思われるかもしれません。 ●段落構成を整える。結論→具体的エピソード→決意表明。 ●一文目の結論は簡潔に。「私は」「と思います」などなくても伝わる言葉を省く。 ●具体的エピソードでは、どんな人柄か、何をきっかけで自分が何を身につけたのか、イメージしてもらえる程度には詳しく書く。 ●最後の1文は、職場でいきいきとしている姿をイメージしてもらえるような決意表明にする。 ということに気をつけて文章にするように指導します。 先ほどの「挨拶」というネタは、例えばこんな感じ↓。 自己アピール(あなたの長所を教えてください。) 「元気な挨拶を心がけています。 私の住む地域では、ご近所での挨拶は当然という雰囲気でして、おかげで幼い頃からの習慣になっています。明るい挨拶は、人と人との交流を築くきっかけとなり、またその関係を深めます。 新しい環境に入っても、まずは自分から明るく笑顔で声をかけ、出会えた人との縁を大切に、積極的に人間関係を築いていくことをポリシーとしています。」 先のよりは、もう少し年令を重ねた人の文章っぽくなったかと。 ま、さすがに挨拶の他に材料を探そうって話が先ですけども。 小学生の英語必修も進んでいるようですが、 同じかそれ以上に子どもたちの日本語の表現力養成にも力を入れていかないといけないと実感しています。 手紙を書くことがなくなり、リアルタイムでのメールでのやりとりですぐに補足ができてしまう環境ですし、ニュアンスは絵文字に頼ってしまう。 はなから自分の言葉を推敲するという考えすらなくなってきていますね。 漢字も書かなくても選択肢から選ぶだけですし。 ただ、講座に参加したのはとっても素直な学生さんたちなので、(そもそもやる気がなければ単位につながらない講座は参加しないですから、出席している時点できちんと学ぶ姿勢がある学生さんです。) やりがちな失敗を例に出したり、文章の推敲の仕方、段落構成の仕方、材料の選び方なんかを指導すると、別人か!というぐらい文章が変わります。 やはり教えられたことがなかったからなんだなぁと。 教えられればできたはずなのに、教えられないまま社会に放り出されるのも気の毒な気がしてきました。 作文を宿題に出す先生はけっこういますが、出しっぱなしであることも多いですよね。 私も昔を思い返してみると、毎日のように作文や日記の宿題を出す先生ばかりでしたが、 ここの表現がいいね!と赤ペンで波線と◎をつけてくれて、感想を書き込んでくれた先生は1人だけでした。 自分の考えや気持ちを表現する、意見をまとめる、相手の意見のポイントをつかむ、相手を説得するための技術、すごく大切だし、身につけるべきことなのに、そのノウハウってきちんとした形では学ぶ機会少なすぎるように思います。 クリックしてくれたらうれしいです♪ ↓↓ ※中学受験・塾物語 塾講師から見た生徒達の中学受験。 ※過去の中学受験関連記事を読む。→TOPの左下「フリーページ」の欄からどうぞ。 ※コメント欄は、迷惑書き込みが繰り返されたので制限をかけています。 たまたまそのプロバイダをお使いの人で書き込めない方がおられましたらすみません。 その場合は、メッセージくださるとうれしいです。メールにて返信します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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