カテゴリ:作文・文章能力・表現力
先週、大学の就職活動支援講座の講師として、履歴書やエントリーシートに書く自己紹介書の文章について、個別にアドバイスをするというお仕事をしてきました。 まず、驚いたのが、約束に時間に無断で来ない学生がいること。 せめて大学に連絡を入れるとかできませんかね。 講義の中でもお話していたんですよ。 社会でプロとして仕事をするのなら100言われて100できるのが当然、そういう意識を持っている人かそうでないかはわかるものですよ、って。 100できて、そこにプラスアルファができて初めて高く評価されるんです。 学生の間は100言われて満点でなくても褒めてもらえます。 100のうち60でも、まあOKとされたりね。 その違いを理解して、社会での基準を意識していく必要がありますね、 という話もしたんですけども…。 偏差値的にもトップとまでではないですが中堅の方なんですけどね。 まあ、当日無断欠席が平気でできてしまう…、ゴールは遠いですね。 次に、事前に提出された文章と本人との大きなギャップです。 非常に鼻につく表現の多用で、いわゆる「上から目線」 の人物像を思い描いていたのに、 実際に会ってみたら、謙虚で素直でとても誠実な人柄でした。 一つ一つ赤ペンで書き込んだアドバイスを読んで 「全てに納得です。本当に恥ずかしい…よかった、これを出さなくて…。」 その場でノートに別の表現で書き始めました。 一言 一言、吟味しています。 「『□□』という言い回しと『○○』という言い回しと、どっちがふさわしいでしょうか、先生」 「この文脈なら『○○』かなぁ。謙虚さも感じられて、あなたの雰囲気に合うね。そこにあなたのその素直に学びとってすぐに活用するという姿勢も書き込んでみたらどうかな。」 そう言うと彼女は、ぽろぽろっと涙を流しました。 就職活動、不安で仕方なかったのもあるでしょうし、一生懸命ネットや本を見ながら仕上げた文章は、第三者から見たら自分の良さは伝わっていなくて、自分で読み返しても生意気な言い回しになっていて、そんな中、ふっと自分のいい部分にフィットする言葉に出会えたのが安心となったのか、 その後は、するすると仕上げていくことができました。 自己紹介の文章、確かに難しいです。 難しいから、ついネットやマニュアル本を参考にしてしまうのですが、その情報に引っ張られてしまって、本来の自分の魅力にしっくりくる言葉を選ぶのが却って難しくなってしまうのですね。 それに、長所って、自分で意識して長所にした部分と、自然と当然だと思ってしている部分とありますよね。 その自然と当然にしている素の自分の良さはなかなか自分では気づきにくいです。 だから「自己分析」とか「自己理解」という言葉が就職活動にはよく出てくるのですが、 子どものうちから、ときどき自分の性格を冷静に分析してみることも大切です。 そして、次の新しい自分に出会うために、一つ明確な目標を持ちましょう。 それを達成するためのミッションを自分に課してください。 できれば家族で共有できるといいですね。 しばらくして、振り返ってみましょう。 ○○が以前より苦手ではなくなった。ちょっと面白みが出てきた。 しぶしぶしていたことが、当然の習慣になった。 ○○に挑戦した。失敗したけど、挑戦してよかった。 次は○○にしよう。 自信の核となってくれます。 「自分を貫く」って一見かっこいいですが、未熟な自分を貫くのはかっこ悪いです。 磨きに磨いた自分の感性・価値観を信じられるようになってから、貫きましょう。 それまでは、変化した方がかっこいいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年03月16日 18時23分32秒
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