カテゴリ:中学受験・塾物語
15年前の教え子からメッセージをもらいました。
懐かしい名前です。妹さんもお母さんの顔も思い浮かびます。 そのメッセージの中で、N君が私のいた教室に来る前にいくつかの塾の入塾テストに不合格で断られていたことを初めて知りました。 確かにじっくり取り組むタイプでした。 考え込んで時間切れになってしまうテストもあったように記憶しています。 要領がいいとは言えない様子ではありました。 負けず嫌いというのでもなく、穏やかで落ち着いていて、分野によっては少し理解に時間のかかるような時もありました。 でも、体験授業のときに これだけ真面目に話を聞いて、理解できた瞬間にばぁっと明るい表情を見せるNくんは、 学ぶ力があると思ったのも覚えています。 2クラスのうち、ゆっくり指導していくクラスの方から通い始めましたが、6年生の途中で発展的なところまで指導するクラスに来ました。 本命校の西大和中学合格の前に、それより偏差値12ポイントも下の「滑り止め」のつもりの学校に不合格なったときは焦りました。 (当時は、和歌山県の私立中学の入試が大阪府よりも1週間程早かったのでそういうことができました。) が、彼の性格から「その学校に本当に行きたい人に席を譲った」ような気もしました。 本来、滑り止めに合格できなかった場合、本命校を諦めて志望校を変更するのがセオリーですが、 「憧れの教室で入試という形でもそこにいたい。頑張って自分もその試験を受けたい。」ということを言って、 結局変更は本人と保護者の方の希望通り、しませんでした。 講師一同、応援したくなるそれまでの頑張りも手応えもあったからだと思います。 彼の合格の知らせに、講師控室は沸きました。 彼は、今、お医者さんだそうです。 妹さんも指導したのですが、看護師さんをしているそうです。 小学校のとき、スピードや膨大なカリキュラムを熟せないからといって、それは子供の能力が低いのでも、「無理」でもなんでもないのだと、改めて思いました。 脳の成長のピークがいつ来るかわかりませんもんね。 一般的な情報は、あくまでも平均的な総合的なものであって「わが子」個人で見ればわかりません。 一つ一つの理解を積み重ね、自分の力を伸ばすことに努力し続けるということ、 自分の力を信じて前向きになること、周囲の人といい影響を与え合う関係を作れること、 今の勉強の意味や価値がわかるのは中学入試の合否ではなく、そのずっとずっと先だということ、 そういうことを生徒たちにも理解させてあげたいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年07月28日 19時09分12秒
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