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カテゴリ:作文・文章能力・表現力
ここ1か月程で高校3年生の文章を1000枚以上読みました。
500字前後の文章です。 さて、これだけの枚数の作文の中で、 「誤字・脱字が1つもない」 「日本語として不自然な箇所はない」 「いくつかの段落に分けて内容が整理できている」 この3つの条件を満たしたのは、どのぐらいでしょうか。 この条件、「日本人なら普通。」レベルですよね。 平均して20~30%ぐらいでした。数えてみて、驚きました。ショックです。 別に学級崩壊しているとか、偏差値が低いとか、そういう生徒さんばかりではありません。 ごく普通の、大学進学を希望している高校生です。 「普通の日本語の文章を作成できる」方が2~3割しかいないんです。 7~8割はたった500字の文章もどこかに間違いを含んでいてそれを提出しているということです。 ・読書をしない→ある程度のパターン、リズムを知らないので口語体しか経験値が増えていかない。文章表現の技術は小学生でストップしている。 ・LINEやメールなど、リアルタイムのやりとりの中、未完成な言葉を会話形式で少しずつ完成させる形のコミュニケーションが主となっている。→文章=完成品を提出するという概念から指導する必要がある。 →「文字=書くもの」から「文字=変換するもの」となっていて正確に漢字を覚える必要がないと思っている人も増えてきている。 要因はいろいろ考えられますけれど、日本の義務教育の国語のあり方は、そろそろ見直されるべきではないでしょうか。 1つの物語の読解文を1か月も2か月もかけて、先生によっては繰り返し音読をするだけとか、 いつ・どこで・だれが・何をしましたか?と繰り返し繰り返し尋ねて、せっかくの作者の表現を削ぎ落してあらすじだけにしてしまうような授業をするよりも、してもらいたいことがあります。 ちょっとした表現の違いで本音が出てしまう会話の例文などで言葉選びの重要性を説き、語彙力の強化を促したり、同じ生物を表現するのでも「かえる」「カエル」「蛙」と表記するのでは印象が違うこと、同じイラストを10人が文章で表現したらどれだけバラエティ豊かになるのか、そしてその表現にはその人の価値観が表れるものだとか。 ちょっとしたスパイスのようにこれらを学ぶところはありますが、こういう部分こそ軸にすべきです。 「読み書き」と言いますが、もっと発展させた部分にも力を入れていきましょう。 「人を理解する」「情報の真意を読み込む」「的確に伝える」そういうところをしっかり若い人達に学ばさせてあげましょうよ。 母国語がこんな程度しか使えていないのに、小学生の英語の授業増やして何になんねん。 土台がぐらぐらやのに、その上に外国語なんて乗るかいな。 日本語の単語テスト先やって~。 失礼しました。 せっかく出会えた小学生、中学生には、表現力や説明能力、コミュニケーションについて、しっかり説明していきます。読解問題のトレーニングは、情報を整理すること、ニュアンスの違いなど深く読み込み相手の真意をつかむことにもつながります。また、多くの筆者の説明文や論説文を読むことで、意見を伝える型やルールにも多く出会えます。 自分が述べる側になるときにも必ず役に立ちます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年03月23日 01時37分58秒
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