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口美庵 kuchimi-an ~シドニーゲイの日々

vol, 14 「汽笛の鳴る部屋」

週末ごとに家探しをしている
去年の11月ごろからやっている
気付けば年を越していた
もうすぐ1月も終わろうとしている

すぐ見つかるだろうとタカをくくり
そのままにしている自部屋の家賃がかさむ
気付けば通い妻になっていた
もうすぐ1年が経とうとしている

プールが無いだの
景色が無いだの
交通が不便だの
贅沢ってもんだぜ、セニョール

建物が古いだの
お店が遠いだの
バスタブが無いだの
予算を考えておくれよ、カルテール


土曜に見たクラウンのユニット
見かけはいいが、中身が狭い
まだ住んでいる君が出迎えてくれた

『レイルウェイに気をつけて!』

何を言うかと思ったよジェントルマン
すると足元には無数の線路が並んでいたんだ
小さなワンベッドルームに所狭しと

列車もたくさんならんでいたね
きっと世界中の列車を手にするのが
君の夢に違いない、そうだろ?

君は夜な夜な一人ぼっちの部屋で
きっと世界中の列車を走らせて
車掌さんになっているに違いない、そうだろ?

僕の全身を悪寒が走ったよ(お母んじゃねえぜ)

ふと壁を見ると、かのマイケルジャクソン
これまでにリリースした全アルバムジャケットが
サインと共にひとつの額縁に収められていたね

その横の額縁には、どこで手に入れたのか
二等辺三角形で、金の縁取りが施されてある
どこかの国のタペストリーが収められていたね

また僕の全身を悪寒が走ったよ(お母んじゃねえぜ)


君は誇らしげな笑みを浮かべて僕に聞いたんだ

『どうだい?フフフ』

何に対する質問なんだい?
このちっぽけな部屋にかい?
このマイケルジャクソンかい?
この悪趣味なタペストリーかい?
Wow Wow Wow・・・


何かに押されるように僕は部屋を出たんだ
君は純粋にマイケルを愛する鉄道マニアさ
そうさ、ただそれだけさ

けれど僕は同じ部屋に居ることさえも
同じ空気を吸うことさえも拒んだんだ
そうさ、何かに押されるように僕は部屋を出たんだ


・・・怖かったんだよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!


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