口美庵　kuchimi-an　～シドニーゲイの日々

もう十数年前の話ですが
ちょっと気になる男の子（日本人）がおりまして。

今では顔も名前も思い出せないのだけれどとても
爽やかな好青年であったことだけ覚えております。

その当時、夜遊びしまくり＆朝帰りしまくりだった私には
ゲイバーはもちろん、ゲイ活動もほとんどしない彼がとても
新鮮であり、さらに性格の良さにすぐ惹かれたのであります。

しかも実家からもうすぐ車（カレンとかいう、そんなのある？）が
送られてくると聞き、『すげえ、坊ちゃんじゃん！』とﾆﾔﾘ。

何とかモノにしようと（←この時点でもう純愛ではない）
福井名物（だっけ？）の赤福をお土産に持って行って
半分以上自分で食い尽くしたり

赤ワインを一緒に飲もうと、持って行けば風邪気味で飲めないと
言われ、それは看病するっきゃないでしょうと、しかし
何を作ってあげようかと迷った挙句に何を血迷ったか
コンビニでレトルトカレーを買ってきてしまったあたし。

( ﾟдﾟ)ﾉ 『いいから、寝てなよ』

と無理矢理寝かしつけ部屋の掃除をし、額のタオルを替え、
さあさ、レトルトのカレーでも準備しようかねとお湯を沸かし、
しかしどうしても飲みたかった赤ワインに手をつけてしまい、
気付けば一人でボトルを空けてしまい、床に寝てしまい、
火にかけてた鍋は水を失い、空炊きの状態になり、
鍋は焦げ始め、中のレトルトは焦げ始め、
ふと目を覚ますと部屋に煙がたちこめておりました。
ﾋｲｨｨｨ!!!!(ﾟﾛﾟﾉ)ﾉ とあたし。心臓が飛び出るほど驚きました。



幸い彼は目を覚ましていなかったようで、
けれどこの鍋を見せるわけにはいかない、とこっそり持ち出し、
帰宅途中に焦げた鍋を投げ捨てたの、あたし。



それでも仲良くしてくれるから、脈があるのかとお得意の勘違い。
こーなったら自分をもっと売り込むしかないじゃんと、決意。
お掃除はしたし（頼まれてもないのに）、料理もしたし（レトルトだし
食わせてないし、挙句の果てに鍋勝手に捨ててるし）、
あと何をアピールすればいいのかしらん･･･　と悩み、
ついにあたしは言った。









ヽ(*´∀｀）ノ 『私のケツって気持ちいいんだってよぉ』



( ´_ゝ`) ･･････････







それから彼とは音信不通になりました･･･。

　　　　∧,,∧　　ｼｮﾎﾞｰｰｰｰﾝ
　　　（ ´・ω・）
　　c(,＿Ｕ_Ｕ

『もっぱらの噂よ、試してみる？』と言ったのがまずかったか。
てか最初から見込みなし。今なら分かる･･･。
焦げた鍋も重曹を使えばキレイになると、今なら分かる･･･。
後先を考えず思いつきで行動していた若かりし頃。

彼は今頃どこで何をしているんだろう、と
ふと思い出してみたりしたのであります。




ゲイ恐怖症とかになってなければいいな･･･。



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