傀儡師の館.Python

2008/04/29(火)00:27

新しい出版の形と IronPython 本

IronPython(22)

IronPython in Action が Manning から出版されるが、出版前であるけれども、すでに一部を読むことができる。 これは、MEAP (Manning Early Access Program) という販売方法で、著者が1章仕上げるごとに、それを出版前に電子的に読める仕組みで、できたところから読ませてねという感じになる。MEAP で出版(電子的に読者に公開)された部分については、フォーラム (Author Online forums.)を通じて、読者がコメントを送ることができるので、間違いがあれば、それを本として出版される前に直してもらうということも可能になる。読者は MEAP だけ買ってもいいし、書籍として出版後の紙の本もいっしょに買ってもいい。 MEAP は完全にできあがる前に売るわけだから、読者としては、書籍版より安く、早く読むことができるというメリットがある。そして、出版社や著者は、正式な出版前に前払い金を受けたのと同じようなことになるから資金繰り的なメリットがある。そして、フィードバックを受けて出版前に反映させれば、よりよいものになれば、本として出版されたときにより多く売れる可能性もある。著者の執筆を応援する、あるいは、後ろから方をぐいぐい押していくような役割にもなる。あるいは、不明な箇所があれば質問もできる。 雑誌の定期購読の前払いも、考えてみるとそういうところがあるか。ただし、雑誌の場合は、事前にどういう記事が入ってくるかは不明なのに対して、この書籍の場合は、事前にどういうものが書かれるのかは明らかになっている。雑誌は決められた日時に出版されるが、MEAP の場合はいつというのが明確ではない。たとえば、IronPython 本の場合、MEAP Release: September 2007 で、それから半年ちょっとで、半分ぐらいが参照可能になっているが、あとどのくらいというのは明確ではない。 この分でいくと、あと半年ぐらいかな。でも、明確ではない。それゆえ、先物買いがどの程度、期待通りに機能するかどうかは分からない。それでも、この人のこういう本なら、少しでも早く、できた分だけでいいから先に読みたいよね、というニーズは満たしてくれる。 おもしろい仕組みだと思う。

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