日銀を退職して民間に再就職した人について
平成19年度中の役員及び局室長級職員の主な再就職状況 を見る。小山高史前日銀名古屋支店長が、サブプライムローンに関連する巨額の損失を出した農林中金系の(株)農林中金総合研究所 顧問になったのね。うーん、巨額の損失を表に出した背景には、この方が行ったからとかいう背景があったりして。単なる憶測だけど。リスク管理高度化(Basel II)の下での民間金融機関と中銀の関係なんて出しているし。この手のことに詳しい方なんでしょ。大手金融機関の共同監視の会合を設置、バーゼルII強化も提言=FSF (2008年 04月 12日, ロイター)な今日この頃、実にタイムリーな再就職だったりして。バーゼルIIに関するQ&A〔農協系統金融機関関係〕の文脈から考えると、ぴったり来る再就職だったりして。現在の趣味は野鳥。野の鳥です。決して夜の蝶ではありません。念のため(笑)。 今回もこの近郊の野鳥観察には何回か出かけております。野鳥を観て歩くことで、運動にもなっています。歩いております。名古屋で驚いたのは冷やし中華にマヨネーズが載っていることです。ちなみに名古屋支店長だったということは、かなり優秀な人?というか、日銀のどこでも支店長クラスは優秀なんだろうけど、トヨタのある名古屋だから、かなり格が上なのだろうか。日銀名古屋支店長 早川英男さん とかもそうだし。ということで、日本銀行名古屋支店のページを見てみる。支店のホームページは手作り感あふれるお金のかかっていないページなのがほほえましい。最近の管内金融経済事情 日本銀行名古屋支店 2008年4月14日 を見ると、管内景気は、緩やかな拡大基調にあるが、その速度は足もと鈍化している。で、個人消費・・・底堅く推移している設備投資・・・高水準にあるが増勢は鈍化している住宅投資・・・持ち直している公共投資・・・低水準で推移している輸 出・・・足もとの増勢は一服しているらしい。ちなみに、その他の地域は 地域経済報告 ─さくらレポート─ (2008年4月)で、各地域の取りまとめ店の報告によると、足もとの景気は、地域差はあるものの、エネルギー・原材料価格高の影響などから、全体として減速している。で、小山前支店長の講演の資料を見てみる。東海経済の八つの試練 (2007/3/26)今年の日本経済と地域経済を考える (2007/3/9) (図表)実務肌でまともっぽい感じ。早川支店長の方が外向的というかメッセージ性というか主張が強い。小山前支店長の方が、観察者的な感じ。まあ、あくまで素人から見た目だけど、野鳥観察が趣味のようだしなぁ。今後、製造業を中心としたものの見方に加えて、農林中金総合研究所顧問になることによって農林水産業に関する関心が強まると、どういう発言をするようになっていくのかな。元々、長野県上田市の出身の方のようだから、農村の実体とかも肌身で知っている感じだし、自由度の増した発言がナニカの機会に出てくるとおもしろいかも。上田市って、けっこう貧富の差も何気に大きかったりする田舎とか言ったらその地方の方には叱られそうだが、そういうところの出身者って、都会しか知らない人とはまた違うだろう。まあ、気位は高い地方だな。ということで、顧問だから表にそれほど出ることはないだろうけど、農林中金総合研究所 のレポートに注目することにした。経済金融ハンドブック『金利の動きを読む』 が出ている。内容については一般の経済解説書とは異なり、系統職員が資金証券業務などに携わる際に一番関心の高い金利に焦点を当てて、金利動向を読み解くために必要な知識・事柄を整理し盛り込んでいます。 で、こういった人たちがどういう視点から経済を読み解いているかを知る上でおもしろい資料かもしれない。ついでに、小麦加工食品を巡る最近の動向 についても見てみる。その後、水田転作作物として小麦の生産が奨励されため、06年の生産量は84万トン、自給率は13%になっている。「生産が奨励されため」、ちゃんと校正しましょう。小麦の 12.1% は菓子に使われているんだな、とどうでもよいところに感心する。95年から05年の変化で、パン用 36.4% から 41.1%、麺用 36.6% から 32.5%と、ラーメンブームとかあった割には全体の麺類の消費量は減っているのね。ただし、即席麺に関しては伸びているらしい。農林漁業・環境問題 / レポート(分野別) は、けっこう読み物としてもおもしろいな。ウナギをめぐる情勢変化とわが国への影響 を見ると、ウナギもマグロに続いて値上がりしそうということか。でも鰻はそんなに好きでもないので構わない。こういうの新聞読むよりおもしろいね。新聞の方が目立つ、おもしろさをどうしても追求してしまうことがあるから、それより、淡々とこうですよって方がおもしろい。まあ、新聞もこの手の機関の人に取材とかしていろいろ記事を作ったりするんだろうけど、表面上のおもしろさとか、アイキャッチーに走ってしまう面がある。ゆえに、株価の底値圏で売り煽り、高値圏で買い煽るという愚行を犯しがち。下がっているときに下がっていることを無理に説明しようとし、上がっているときに上がっていることを無理に説明しようとする。そうしたものよりも、定期的に特定分野を観察している人たちの情報を見た方が判断を誤らないんじゃないかと思う今日この頃。まあ、それでも、時流に流される面はあるだろうけど。もっとも新聞というのは、そもそも、情報源にはなるけれども、どちらかといえば、社会的な合意形成の場の一つの意味が大きいとも言えるだろうけど。つまり、たとえば日経新聞を読むということは、日本経済の一般的な合意形成の過程を見るいう感じ。だから、マクロ指標が遅れて出てくるのと同じで、そこから先読みしないと過去で現在を語ることになり、現実とのギャップが大きくなる。洗脳と啓蒙、啓発、指導、矯正、強制、服従というのも微妙だよなぁ。mild yoke of something というかなんというか。全然関係ないんだけど、なんとなく、John Milton のソネットを思い出した。When I consider how my light is spent,Ere half my days in this dark world and wide,And that one talent which is death to hideLodged with me useless, though my soul more bentTo serve therewith my Maker, and presentMy true account, lest He returning chide,'Doth God exact day-labour, light denied?'I fondly ask. But patience, to preventThat murmur, soon replies, 'God doth not needEither man's work or his own gifts. Who bestBear his mild yoke, they serve him best. His stateIs kingly: thousands at his bidding speed,And post o'er land and ocean without rest;They also serve who only stand and wait.'今年は、ジョン・ミルトンの生誕 400年の年だ。失楽園でも読むかなぁ。