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カテゴリ:はいじまの日常
今年も歌人・村下孝蔵の命日である「五月雨忌」が巡ってきました。「村下孝蔵急逝」の悲しいニュースを聞いたあの日から23年、村下孝蔵よりも5歳も年上になってしまった私は、新曲も出ないしライヴもないのにまだ村下孝蔵がこの世に遺していった歌を聞き続けています。
今年は私にとって、村下孝蔵の音楽に最初に興味を持ってから35年、そして「名もない星」というアルバムとの出会いで完全にはまり込んでしまってファンを自覚するようになって30年です。村下孝蔵の歌と出会ったのは中学1年生の頃にラジオから流れてきた「初恋」なのは間違いありません、それが1983年ですので来年は彼の音楽と出会ってから40年ってことになります。 そして1987年夏、後にアニメ「めぞん一刻」の主題歌となる「陽だまり」を聴いたとき、歌詞から景色がパッと浮かんで「これは…」と思ったのが35年前の夏と言うことです。これをきっかけに村下孝蔵のベスト盤のアルバムなどを聴くようになりはしましたが、まだアルバム全部集めようとかそういうはまり方ではなかったんです。 ですが1992年の秋の終わり頃に「名もない星」という村下孝蔵の当時最新のアルバムと出会うわけです。当時の友人から「最新のアルバムに入っているロマンスカーって曲がとても良いから聴いてみろ」と勧められるままにCD屋へ行って、アルバムを見つけたら曲を聴く前にジャケットで感動したので即購入という思い出があります。そして「ロマンスカー」「いいなづけ」「教訓」「この国に生まれてよかった」と当時の私を引き込む曲が続いていたあとの7曲目「すみれ香水」に感動したのです。歌を聴いただけで脳裏に鮮やかに浮かび上がる夏の景色、そこに現れる少女へのほのかな気持ち…「これが自分が求めていた世界だ」と思って、以来村下孝蔵のアルバムを集めるようになります。 1993年初頭に購入したアルバムが「新日本紀行」、この中では「夕日と少年」がとても気に入り、このアルバムは旅行に持ち歩く必携アイテムとなりました。 それから様々なアルバムとの出会いと、その中の「特に気に入った」曲に私はどんどん引き込まれていったのです。今思うと本当に「こういうのが聴きたかった」世界なんだったと思うのです。 今年の「五月雨忌」の書き込みは、こんな感じで私と村下孝蔵の音楽との出会いからファンになるまでを綴ってみました。私が当時、村下孝蔵にハマっていったのはやっぱり氏が作った歌が「和風」だったことが一番だと思います…「和風」だけどそれを前面に押し出しているわけでもなく、また演歌でもない。「日本的な風景」をさりげなく歌うけどがっちり日本って訳でもない…国内の旅によく合うんだ、この曲はって感じでしたね。 そこに歌い込まれている恋愛感情も切なくて、また自分に覚えがあることも多くで身近で、そのバランスが本当に自分とシンクロした「歌人」なのです。だから村下孝蔵がこの世からいなくなってもやめられないのだし、返す返す「惜しい人を亡くした」と思わずにはいられないと思うのです。 今年の「五月雨忌」は急逝の報せを聞いたあの日とは違い、夏の日差しが強く照りつける猛暑の一日となりました。この夏空の下、仕事中のクルマの中で村下孝蔵の曲を繰り返し聞きまくり、また色々思うことが出てきました。 今日は夜寝るまで、近所迷惑にならない程度でボリュームを上げて村下孝蔵を聞き続けます。そしてこれからも氏がこの世に遺していった美しい歌を聴き続けてゆくことは変わらないでしょう。 合掌
Last updated
2022.06.24 16:28:00
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