000000 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

新はいじまのわがままブログ~嗚呼、素晴らしき鉄ヲタ人生~

新はいじまのわがままブログ~嗚呼、素晴らしき鉄ヲタ人生~

PR

全23件 (23件中 1-10件目)

1 2 3 >

あにめ他の話題

2022.05.14
XML
カテゴリ:あにめ他の話題
…前回「クレヨンしんちゃん」劇場版を見たのは去年の9月でしたから、やっぱり「もう次作?」って感じが抜けきらなくて…。

 いずれにしろ今年の劇場版「クレヨンしんちゃん」を、今日近所のシネコンで観て来ました。大型連休を避けたら映画館が少しは空いているかな…と思っていたら、座席はほぼ満席ということでビックリです。まぁコロナの影響でまだ全座席開放している訳ではないので、実際には観客の入りは実際には6~7割ってところなんでしょうけど。

※ ここから先は「クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝」のネタバレがあります。まだ観に行っていないのに展開を先に知らされたと苦情を言われても責任は負いかねますので、ここから先の閲覧には十分に注意してください。

 物語は唐突にみさえがしんのすけを出産した日から始まります。ここで起きていることは基本的に臼井先生が作り出した古くからの設定通りですので、映画の宣伝文句にあった「しんのすけ出生の秘密」というのは古くからのファンにとっては全くありません。ただこのシーンはしんのすけ誕生シーンの描き直しただけではなく、本作の登場人物である ちよめ を描き入れるなど手が入っているのは確かで、本作の物語の起点として上手く描き直されたと感心しています。

 すぐに唐突に物語は現代へ、平穏な野原一家とかすかべ防衛隊の面々の前に突如現れる怪しい母子(ちよめと珍蔵)。そして「出産した病院で子供(しんのすけと珍蔵)が取り違えられた」と説明されるところから本館的に物語が始動します。ですがこの「出産した病院で子供が取り違えられた」というのは珍蔵を守るためのちよめの狂言である事を早々にハッキリさせた点はとても良かったと感じています。この点をハッキリさせるのが遅いとこの取り違え騒動ばかりが気になって気が散る事は間違いないからです。この基本設定を揺るがしかねない展開は、早々に畳んだ方が物語のためなのです。

 同時に「忍者の里」のこと、珍蔵の父のこと、「忍法もののけの術」の存在、「地球のおへそ」という物語の世界観も明確にした上で、物語を本筋である「しんのすけが野原家に戻る物語」「ひろしとみさえがしんのすけを助けに行く物語」の二元中継に持っていく展開は見事です。設定などに置いて下手に隠しごとをしなかった事は物語を単純化させ、同時に気が散る要素がなく物語にのめり込んでいけるからです。

 しんのすけは風子という女の子と忍者の里長老の家に忍び込む大冒険をしますが、これが上手くいった事がかえってしんのすけの里心に火をつけるという展開もまた良いです。またこの段で出てくる忍者達の多種多様さは観ていてとても面白かったところです…一昨年の「ラクガキングダム」の時に無駄なキャラクターが多いと批判しましたが、あの時は本当はこういうことをやりたかったんじゃないかと思い直すようになりました。

 その結果で野原一家が忍者の里で再会…ここを感動のシーンにしたかったのは分かるけど、ちょっと引っ張りすぎだとも思いました。ひろしとみさえがしんのすけの寝間着を着ていたゴリラをしんのすけと勘違いして抱きしめるのはギャグなんだから、あれは引っ張らずにあっさり済ますべきものだと思うのです。せっかくひろしが良い台詞を吐いているのに、アレじゃその台詞が台無しですよ…おかげでその後のしんのすけ登場と再会はしらけてしまいましたし、ゴリラを抱きしめるシーンもギャグとして中途半端になってしまいました。まぁその後の一家で抱き合っているシーンに、しんのすけの寝間着を着たゴリラが混じっているというもうひとつのギャグがあったのは救われましたが。

 そして物語は「地球のおへそ」が抜けて人類存亡の危機になると言う、ここまで観ていれば予想通りという展開になるのですが…そこへ至る道のりがちょっと予想外で面白かった。てっきり長老がなんかやらかすかのように見せておいて、実は珍蔵の父が息子を庇ったがためにそうなったというのは上手く考えたと思っています
 野原一家チームはこの危機から世界を救うべく行動を開始するのですが、ここでみさえとちよめの二人が心を許しあいともに行動するまでの展開は子供向けとは思えない内容でちょっと感動しました。同時にかすかべ防衛隊の面々を上手く物語に取り込んで、しんのすけたちの友情とそこへ入っていきたいけど入っていけない珍蔵を描き出し、そこから珍蔵が忍者の子ではなく「ただの子供」だということを浮き彫りにしてゆくのも良い展開だと思いました。珍蔵が「ただの子供の一人」だと分かったからかすかべ防衛隊の中に入ってゆく事が出来、同時に皆に忍法を教える事ができたという展開は複雑で子供にはわかりにくいかもしれませんが、面白い展開でした。

 でも野原家だけでは世界のピンチを救う事が出来ない現実を、あの長老が見事に演じきります。どう演じたかって…長老の「小物」感がいい味を出していたのです。しかしこの小物が身近な人に足をすくわれるという展開は観ていて痛快でした。ここまでどうしようもない「小物」に忠実だった長老の秘書が突然裏切ったのは、本当にあっぱれでした。

 そしてクライマックス、かすかべ防衛隊の面々と珍蔵が「忍法もののけの術」で巨大動物に変身して「地球のおへそ」を元に戻す…かすかべ防衛隊とゲストキャラが力を合わせて世界を救うというのは、ここ最近での劇場版「クレヨンしんちゃん」での王道的展開ですね。でもかすかべ防衛隊の面々が動物に変身するにしても過去の劇場版作品にとらわれず新しい発想で変身動物をを選んだのは面白かったです。しんのすけは「ぞうさん」になるのかと思わせておいて、最初はタコの足、二度目はシロに変身するというのは意外性があって良かったです。また同時にひまわりが動物ではなくイケメンに変身するというのも、臼井先生が創り出した彼女のキャラクターを存分に活用していて面白かったです。

 今作のヒロインであるちよめは妊婦として描かれ、ラストで出産いるという展開になりました。この「妊婦が活躍する」「出産の際はみんなで力を合わせる」という要素は、女性の進出が多くなってから久しい現代の世の中においてとても大事な要素だと思いました。この作品には「妊婦だって何でも出来る」という妊娠中の女性への応援が含まれていると感じました。
 同時にその息子の珍蔵は「悩める忍者」として描いたのも印象的です。使えるはずの忍術を使えずこれに思い悩んでいたという設定と、友情によってこれを乗り越えるという展開は子供向けの映画として満点を与えられる部分です。珍蔵のこういう面はシリリとダブるところがありますね。

 「クレヨンしんちゃん」のオールドファンである私が喜ぶシーンもいくつかありました。その中で最大の物は、序盤で「変わり身の術」を多用してくれた事ですね。臼井先生作品で忍術と言えば、やっぱり「変わり身の術」なんですよ、やっぱり
 他作品のパロディもあって笑いました。明らかに「君の名は。」を意識したシーンもあって笑えました。

 いずれにしても今年の劇場版「クレヨンしんちゃん」もとても面白く、また感動要素もあって質が高い作品ですね。個人的な好みでは昨年の方が好きですが、質の高さではここ数年で持っても良いのではと思っています。


 週末に天気が悪くて、山へ行けずにガックリきています。
 明日は行けたらいいなと思っていますが…やっぱり天候が…。






Last updated  2022.05.14 14:35:51
コメント(0) | コメントを書く


2021.08.01
カテゴリ:あにめ他の話題
…今年春公開予定が、コロナ禍の影響で上映が夏休みに延期になった今年の「クレヨンしんちゃん」劇場版、見に行ってきました。
 近所のシネコンで朝一番の上映回に行ったら、シネコンの入り口が大行列…何かと思ったら感染対策でエレベータに4人ずつ乗せていて時間が掛かっていただけだった。近所のシネコンでは毎月1日は入場料が安いせいか、けっこう混雑していましたね。
 映画館の中は昨年同様で1席おきに座席販売で、私は上級座席の「アップグレードシート」を利用しました。500円増しで広い座席とワンドリンクサービスという豪華な席でしたが…こちらで見たのは私だけです。一般席は家族連れなどで半分以上席が埋まってましたね。

・注意
 ここから先は「クレヨンしんちゃん(劇場版)謎メキ!花の天カス学園」のネタバレもあります。本作品をまだご覧になっていない方で、物語の展開や結末を知りたくないという方は閲覧にご注意ください。知りたくなかった物語の展開を知らされたと苦情を言われても、当方は責任を負いかねます。

 今回の劇場版「クレヨンしんちゃん」は、明らかに「かすかべ防衛隊を軸にした友情物語」に分類できると思います。かすかべ防衛隊の面々が「天下統一カスカベ学園(天カス学園と略)」に泊まり込みで一週間体験入学するというストーリーを主軸にしており、主人公の両親であるひろしとみさえの出番は殆どありません。でもみさえの「しんのすけがいなくなって淋しい」という演技は印象的でした。

 かすかべ防衛隊の面々が「天カス学園」に体験入学したのは、風間が他のメンバーを誘ったからというのは上手く考えたと思います。そして本作では風間が「クレヨンしんちゃん」連載初期から積み上げてきたそのキャラクター性を最大限に使っていて、古くから「クレヨンしんちゃん」の原作漫画を読んでいた私としては、風間がしんのすけと喧嘩をするシーンや、おバカになったりスーパーエリートになったりする展開、それに最後のマラソンによる決闘シーンを見て、「クレヨンしんちゃん」連載漫画第一話の風間初登場シーンを思い出しながら見てました…ああ、この映画は風間トオルの集成大となる作品なんだと。

 「天カス学園」のキャラクターも魅力的で面白かったし、何より去年の「ラクガキングダム」のように余計なキャラがいなかったのが見ていて気持ちよかったです。特に生徒キャラはそれが上手くいっていようがいまいが自分を賭ける何かを持っていて、それに自身を持って生きている点がそれぞれの個性を上手く引き出せていたと思います。そんなキャラに埋没しそうなヒロインのチシオは、長距離走が得意でこれに賭けていたがコンプレックスから脱落し、学園一の優等生であるサスガは優等生であるが故の悩みを抱えているというかたちで「例外」にしてきたのも上手く出来ていると感じました。

 物語中盤で推理小説的展開になったときは、かすかべ防衛隊の面々が個性を強く発揮してバラバラに動いているのも面白かったですね。女性教師に夢中のしんのすけ、推理小説的展開に目を輝かせてリーダーになろうとするネネ、不良グループに無理矢理仲間入りさせられたかと思いきやそこで番長と気が合ったマサオ、ろろという学園の野生少女に惚れて告白までしてフラれるボー…でもここでバラバラに動きつつも、それぞれがキチンと「天カス学園」の個性ある生徒や教師を味方に引き入れる展開を自然に回しているのだから恐れ入りました。
 ただ「風間がおバカになった」原因である吸ケツ鬼事件の犯人が分かるシーンは、ちょっとやり過ぎだと思いましたね。本作はこの事件解決が物語の決着ではないのだから、あそこはしんのすけに派手なポーズを取らせるなど大袈裟にやるべきところではないと感じます。むしろ風間が「おバカ」になったあと「スーパーエリート」に変身したことをもっと強調し、対決へ向けての緊張感を高めていった方が良いのではないかと思う。たとえば「走るのが嫌」だったチシオの心境変化を描き、チシオが最初から対決に加わるように描くなどできたと思いました。

 いずれにしても最後の風間としんのすけのマラソン(というか「焼きそばパン買ってこい競争」)対決は、映画館で数十分の非日常を体験させる物語としてとても迫力を持って描かれたと思う。この対決中のネネの台詞良かったなぁ…これはネネを演じた林玉緒さん本人だけでなく、マサオを演じた鈴木みえさん(一龍斎貞友さん)もパンフで言及していましたね。風間としんのすけの対決の結果も、本当にうまく描いたと思います。

 今回の劇場版「クレヨンしんちゃん」は、ここ数年間に上映された中ではとても良い内容だったと思います。個人的には近年作の中では「カンフーボーイズ」に並ぶ名作だと思いました。実は話が複雑で子供達がついてきているのか?と不安になった点も「カンフーボーイズ」との共通点なんですよね。

 「天カス学園」のAIであるオツムンの声は「何処かで聞いた声だよなー、誰だっけ?」と思いながら映画を見ていましたが、エンドロールを見て若草物語の四女と解って「おおっ」と思いました。それと野生少女をろろの声を聞いて誰が演じているか解らなかったけど、エンドロールでつばきちゃんと解ってビックリしました…随分雰囲気違ったなぁ。






Last updated  2021.08.01 12:53:06
コメント(0) | コメントを書く
2020.09.22
カテゴリ:あにめ他の話題
…9月の4連休、なんかいろいろあってあっという間に終わりそうです。
 その最終日の今日は、近所のシネコンへ行って今年の劇場版「クレヨンしんちゃん」を見に行きました。今年の劇場版「クレヨンしんちゃん」は新型コロナウィルスの影響を受けて、5月公開予定が9月にずれ込んだのは説明するまでもないでしょう。さらに私が行った映画館は感染対策で座席は1席おきでの営業、さらに上映中はマスク着用といった特別ルールがありました。

・注意
 ここから先は「クレヨンしんちゃん(劇場版)激突!ラクガキングダムとほぼ4人の勇者」のネタバレもあります。本作品をまだご覧になっていない方で、物語の展開や結末を知りたくないという方は閲覧にご注意ください。知りたくなかった物語の展開を知らされたと苦情を言われても、東邦は責任を負いかねます。

 劇場版の「クレヨンしんちゃん」は、「野原家を軸にした家族の物語」と「かすかべ防衛隊を軸にした友情物語」に分類されると思いますが、今回の作品はそのどちらにも当てはまらない異色作だと私は感じました。もちろん野原一家やかすかべ防衛隊の活躍どころもあるのですが、それらは本作の主題にはなり得ないのです。このような劇場版「クレヨンしんちゃん」でまず思いつくのは、2011年作品の「嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦」ですね。
 そして「野原家の物語」「かすかべ防衛隊の物語」のどちらにも当てはまらない作品の場合、「しんのすけとゲストキャラの物語」という構成になることが多く、今回もそのつもりで作られたのでしょうけど…蓋を開けてみれば「ぶりぶりざえもんの物語」になってしまったように感じます。まぁ、それだけぶりぶりざえもんのキャラが濃いと言うことなんですが。

 物語の根幹を成すのは、空の上にある「ラクガキングダム」という王国の崩壊と、これを救うため暴走する幹部。しんのすけら春日部の住民はこの騒動に一方的に巻き込まれるという構図で物語は一貫しています。その中で出てくるアイテムが選ばれた者がこれを使って絵を描くと、絵に描いた物が実物になる「ミラクルクレヨン」…「この設定何処かで見たなぁ」と思って物語を見て行くと、しんのすけがそのクレヨンを使ってぶりぶりざえもんを実体化させたり、ななこに似ても似つかぬ不細工な女性を作り上げたりします。そう、この展開は「クレヨンしんちゃん」の原作漫画にありました。臼井先生が描いた原作漫画23巻にあった「ミラクルマーカー」のエピソードに準拠していて、上映後に本作のパンフレットを見たらそこにキチンと言及されていてなんか安心しました。本作の「ニセななこ」も、この原作漫画のそれの書き込みになっていたのはなんか感心しました。

 これにしんのすけが「ミラクルクレヨン」を使って作り出した「2日目のパンツ」のキャラクターブリーフくんと、相模湖近くに住む6歳児のユウマくん、彼らが「勇者」として「ラクガキングダム」の暴走勢力に立ち向かう物語なのですが、どう数えても「勇者」の人数は5人なんですよね(笑)。まぁタイトルはあくまでも「ほぼ4人」ですから、ここは途中合流で「普通の男の子」のユウマ君がこの「ほぼ4人」に入っていないと解釈しましょう。
 この「勇者」のリーダー役はブリーフくん、声はカツオ君(新)で「2日目のパンツ」にされてしまった点は「クレヨンしんちゃん」らしい設定で好きです。「ニセななこ」の台詞は「しんちゃん好きよ」だけですが、本物のななこも演じるリメイクヤッターマン2号がその毎回同じ台詞にキチンと心を込めてくれてとても印象的なキャラでした。ぶりぶりざえもんはいつも通りでしたが、映画館に爆笑の渦を何度も起こしてくれました。頻繁に寝返ったり、何もしていないのに「私の作戦通り」という腹黒いキャラでありながらも、最後は巨大化して街を救う本物の「ヒーロー」にしたのは「ぶりぶりざえもんらしくない」かも知れないけど、とても面白い展開でした…結果、今回は「救いのヒーロー」としての「ぶりぶりざえもんの物語」になってしまいましたが。

 ただ今回のキャラクター面での難点は、「ラクガキングダム」のキャラクターが多すぎたことですね。正直、宮廷にいるだけで物語に直接絡まなかったキャラは必要なかったと思います。彼らが何処で物語に絡むのか気になって気が散りますし、何よりも画面に出てくる人数が増えすぎて人間関係が分かりにくくなりました。ハッキリ言って「大臣」キャラは防衛大臣以外は要らないでしょう。その代わりに直接物語に絡んだり、しんのすけらと戦うキャラを立たせておいた方が良かったと感じます。
 それと、キングが正体を現すタイミングは失敗だと思います。映画館でもあそこでは驚きの歓声や笑い声は全く起きませんでした。個人的には画家や姫が描いた「キング像」をキチンと観る者に印象づけてから、正体を示すべきところでした。

 でも作品自体はとても良かったと思います。特にぶりぶりざえもんについて単なるネタキャラで終わらせず、最後に人々を救って姿を消すという形にしたのは本当に感心します。主人公しんのすけが「勇者」として物語を牽引しつつも、その主人公一人で問題を解決できるわけがなく、かつその主人公がつくりだしたものが人々を救うというかたちで花を持たせ、最後の巨大化したぶりぶりざえもんを出す経緯で「ほぼ4人の勇者」がそれぞれ自分の役割を果たす。ここに「クレヨンしんちゃん」においてかすかべ防衛隊とはまた別の「友情物語」を観たように感じます。


 9月も下旬、お彼岸も過ぎたというのにまだ暑さが緩みませんね。
 今週はあと少し、台風も接近するようですが頑張りましょう。






Last updated  2020.09.22 13:10:49
コメント(2) | コメントを書く
2020.05.17
カテゴリ:あにめ他の話題
…一昨年に見に行きそびれた映画「若おかみは小学生! 」が、このたびNHKでテレビ放映されましたのでやっと見ることができました。
 いろんな評判を耳にしていたので「どんな映画だったんだろう」と興味を持っていましたので、上映中に映画館で見たかったのですけど日程がとれないうちに近所のシネコンでの上映が終わってしまったんです。それをやっと見ることができたのですが…ハッキリ言って素晴らしい映画だと思いました、正直、上映当時に映画館で見られなかったことを後悔しました。

 主人公は12歳の少女「おっこ」こと織子、彼女が交通事故で両親を喪うところから物語が始まるのですが…その交通事故シーンを生々しく描いたことと、そこでどう見ても幽霊という少年が空へ消えてゆく描写が映し出されたときに「この映画はいったいどうなるんだ?」と思わずにはいられませんでしたが、まさかあんな凄い展開になるなんて。
 母方の実家で祖母が女将として経営する温泉旅館に織子が引き取られ、そこに前述の少年の幽霊が再登場したときは評判とは違う「お子様向け」の物語になりそうでちょっと引いたのは事実。織子が旅館の若女将に抜擢される展開は登場人物の表情がとても豊かで面白かったけど、織子が当地の小学校へ通うようになり、そこでライバル旅館の娘で「ピンフリ」こと真月と、真月に憑いている少女の幽霊が出てきたところでは「お子様向け」色が強くなったと思いましたよ。
 だけどそんな色はそこまで、ここからは徐々にそんな空気は消えてゆきます。最初は旅館にやってきた客の少年あかねとの物語で、織子が心に押し込んでいた「両親の死に帯する悲しみと怒り」という感情を引っ張り出します。そして織子が見る「両親の幻」と二人の幽霊と魔物の鈴鬼を上手くオーバーラップさせることで、揺れる織子の感情を描き出した展開については感心せざるを得ませんでした。
 また二人の幽霊の正体も、少年の幽霊は「祖母の幼なじみ」、少女の幽霊は「幼くして死んだ真月の姉」と早々にハッキリさせたのも良い点です。この幽霊の正体が明らかにするのを後回しにすると、そればかりが気になって物語が頭に入りにくいでしょう。鈴鬼は織子と二人の幽霊の間に挟まって上手く立ち回ったと思います。

 そしてどのようの物語にオチを付けるのかと思って見ていたら、客に織子の両親の死の原因である交通事故の加害者となった人物がやってくるという展開にしてきました。最初はそうとは知らずに精一杯の接客をし、接客で壁にぶち当たればライバルである真月に助けてもらいつつ、精一杯のもてなしをしようと走り回っていました。ですがその走り回る目的が「両親の死という現実から逃げる」ことであったことが、この加害者男性客の正体が分かる過程で明らかになるのです。唐突に織子に両親の死という現実を突き付けて、主人公の感情を揺さぶることで観客の感情も揺さぶるという内容でした。

 その他にもこの映画には魅力的なところが沢山あります。海外でも売るからと無国籍風にせず、舞台をキッチリと「日本の温泉街」として描いたこと、その観光地にも人々の生活がキチンとあることを描いたことは秀逸です。この物語に出てくる風景は、国内旅行の経験がある日本人や、日本に旅行に来たことがある外国人には必ず見たことがある景色ばかりでしょう。これはその前に上映された「君の名は。」にも言えることなのですが。
 キャラクターも魅力的です。主人公の織子はもちろん、織子のクラスメイトから旅館の客までみんなキャラクターがハッキリしている点も面白かったです。本筋から外れる展開で一番感心したシーンは、織子がグローリーという客に連れられて大型ショッピングモール買い物へ行き、そこの子供服店でファッションショーのように様々な服装に着替えたことですね。

 長くなりましたが、この映画は本当に素晴らしく面白いので、DVDなりを買うなりレンタルするなりして多くの人に見ていただきたいですね。

 しかしNHKのBSでは、ここ最近は面白い映画の放映が目白押しだったんだよな-。4月の半ばくらいにやっていた「誰も知らない」、連休中にやってた「セーラー服と機関銃」、先週放映されていた「新幹線大爆破」と印象的な映画の放映が続いていました。う~ん、受信料を真面目に払ってて良かった。


 申し訳ありませんが、先週・今週とサイトの更新はお休みさせていただきました。サイトの方は来週は何らかの更新をしたいと思います。
 では。






Last updated  2020.05.17 08:11:40
コメント(0) | コメントを書く
2019.10.06
カテゴリ:あにめ他の話題
…この暑さは何だ?
 一昨日の夕方から昨日に掛けては、体調崩して寝込んでました。でも今日は復活しました。今週もキチンとお仕事はできそうです。来週末は市の運動会なんだけど…また台風かよ?

 では、本日の「はいじまゆきどっとこむ」更新内容です。
 本日は一般的な話題「あにめの記憶」の更新です。先週このブログで言いましたように、世界名作劇場「トムソーヤーの冒険」の考察連載を開始しました。「あにめの記憶」の連載は久々なので、張り切りすぎないように気をつけたいと思います。

 山梨県で7歳の少女が行方不明になり、2週間以上発見できずに大規模捜索打ち切りというニュースが入ってきましたね。行方不明の少女の両親の気持ちを考えるととても悲しいものがあります。
 この少女の捜索をしていたボランティアが遭難するという事件も起きています。ボランティアの皆さんも何とかしようと立ち上がって汗を流しているのは敬意を表すべき点ですが、その上で言いたいのですが遭難したボランティアの方々は「自分の能力以上のことをしてしまった」のではないでしょうか? やはりボランティアというのは他人に迷惑を掛けないことが前提なので、自分が遭難することがないよう細心の注意と判断力が求められると思うんです。そのあたりにぬかりはなかったのかと思います。
 ちょっと前に行方不明になった男児をボランティアの方が見つけた、なんて事件もありましたね。まさかそれと同じことをしてヒーローになりたいなんて考えていたとは思いたくないですが、ボランティアというのは本来無欲で頑張るものですから。

 秋の花粉症がなかなか抜けません。そろそろ終わると思うのですが。
 とにかく、また頑張りましょう。






Last updated  2019.10.06 18:28:38
コメント(0) | コメントを書く
2018.09.11
カテゴリ:あにめ他の話題
…本日9月11日は、「クレヨンしんちゃん」の原作者で史上最強のギャグ漫画家・臼井儀人先生の命日です。
 今日は仕事が休み、ということで当然のようにこの日に臼井先生が永眠る荒船山登山を計画しました。前日まで天気図と予報とにらめっこして、徐々に群馬県方面の予報が良くなっていったので前夜に「決行」を決断。当日は朝5時半に起きて、お昼ご飯のおむすびを作って7時に出発。圏央道~関越道~上信越道を例年と同じように飛ばして、下仁田の町には8時40分頃に到着。花束などを買い込んで登山口の内山峠には9時15分頃に着きました。おろしたての登山口に履き替えて、9時25分頃に山に入りましたが…その50分後にはこの駐車場に帰ってきました。しかも逃げるようにして早足で。
 何が起きたかは、​はいじまの山行き記録​のこの日の活動記録をご覧ください。いずれにしても去年に引き続き、今年最初の山行きも目的地に着けないまま終わってしまいました。

 去年のこの日から1年間に、臼井先生が生んだヒット作「クレヨンしんちゃん」は「長寿作」となったことを思い知らされる出来事がありました。それはアニメ版の「クレヨンしんちゃん」において、主人公野原しんのすけを演じる役者であった矢島晶子さんが降板するという衝撃的な出来事であり、既に同じ長寿作アニメである「ルパン三世」や「ドラえもん」が歩んできた避けて通れない道を「クレヨンしんちゃん」も辿っている事がハッキリしたわけです。
 その交代劇を通じて様々な意見が出てきて、「クレヨンしんちゃん」という作品の大きさをまた改めて感じた数ヶ月を過ごしています。でもこの作品が幸せなのは、主人公を演じる役者がいなくなって終わるのではなく、新たなキャストで続けられることです。これはやはり作品が多くの人に愛されているからこそであって、そのようなコンテンツの生みの親である臼井先生に対して改めて尊敬の念を抱かずにはいられません。
 これで「クレヨンしんちゃん」は当面は安泰でしょう。来年春には恐らく「小林由美子さんの野原しんのすけ」による最初の劇場版が公開されるのでしょう。キャストが代わっても「クレヨンしんちゃん」が末永く続くことを、荒船山の臼井先生の前で改めて祈りたかったんだけどなぁ…。

 いずれにしても、荒船登山はリベンジ必至ですね。

 夏がやっと終わりました。まだ暑いけど一時期の生命の危険を感じるような暑さき去りました。我が町では秋祭りも終わり、やっと自治会のお仕事は一段落つきそうです。
 「あのひと」とは相変わらずです。昨日の仕事の後、「休みに荒船山へ行く」って話したら「同じところで落っこちたら有名人ですよ」…ってオイオイって感じでしたね。彼女にそんなことを言われたから、今回は行こうと思えばいけるのに万一の事故を完全に避けるために途中で引き返したのです。

 涼しくなったけど、身体に気をつけて頑張りましょう。






Last updated  2018.09.11 18:41:16
コメント(0) | コメントを書く
2018.07.06
カテゴリ:あにめ他の話題
…かつてから報道されていたとおり、テレビアニメ「クレヨンしんちゃん」の主人公しんのすけの声が、長年担当されていた矢島晶子さんから小林由美子さんに代わりました。既にひろしが藤原啓治さんから森川智之さんに代わっているので、これで野原家の男性陣は新キャストで統一されたことになりますね。

 新しくしんのすけを担当する小林由美子さんといえば、私のサイトで考察した作品でも「世界名作劇場 こんにちはアン」でトマス家の長男であるフォーレスを演じていたのでだいたいどんな声の人かは解っていました。今までに一番私の印象に残っている小林由美子さん出演作といえば、「ドラえもん 新のび太と鉄人兵団」ですね。今回のしんのすけ担当声優交代の報道を受け、「新のび太と鉄人兵団」を見直して「この人ならしんのすけをやれる!」と確信していたところで、どんな「しんのすけ」を見せてくれるのか楽しみにしていました。
 「こんにちはアン」にしても「新のび太と鉄人兵団」にしても、小林由美子さんが演じていた役柄は「最初は主人公と諍いを起こすが、徐々に信頼関係となる」というもので、その主人公との関係の変化に応じた演じ分けがしっかり出来ていて「声」で主人公との距離間を上手く再現していたのが印象に残っています。特に主人公と敵対していたときの「棘のある男児の声」がとても印象的でした。
 余談ですが「新のび太と鉄人兵団」のゲストキャストは、小林由美子さん(ピッポ/ジュド役)ともう1人は沢城みゆきさん(リルル役)。このコンビが後に「野原しんのすけ」と「峰不二子」という、アクション誌が生んだ名キャラクターを演じることになるとは、当時は想像すらしませんでした。

 新しんのすけ初回となる本日の放送は、自治会のお仕事があったので1時間遅れで録画を見ました。見てみて違和感というのは不気味なくらい感じませんでしたが、ひとつ言うなら臼井儀人キャラ独特の「後ろを向いてニタァと笑う」時の笑い方が「これだけはちょっと違うなぁ」と感じましたね。でも「クレヨンしんちゃん」の最も古くからのファンの1人である私に言わせれば、前述の確信通り「この人ならしんのすけでいける!」というところです。原作者の臼井先生も草葉の陰で褒めているのではないでしょうか。これからは矢島晶子さんのモノマネから早く脱して、小林由美子さん独自のしんのすけを作っていって欲しいです。

 「クレヨンしんちゃん」は同時に主題歌も変わりました。これまでのきゃりーぱみゅぱみゅの歌からゆずの歌に変わり、まさに「クレヨンしんちゃん」は本日から「新装開店」ってところですね。

 新キャスト、新主題歌が軌道に乗り、これまで通りの楽しい「クレヨンしんちゃん」で、このとても面白いギャグを中心としたコンテンツが末永く続くよう祈ってやみません。






Last updated  2018.07.06 21:46:38
コメント(0) | コメントを書く
2017.12.30
カテゴリ:あにめ他の話題
…年末年始は今日から元日を除いて4日までお仕事はお休み。何故か元日は出社の予定にしていますけどね。

 その年末年始の休みの初日は、近所のショッピングモールの映画館へ足を運びました。そして、お正月映画のひとつである「DESTINY 鎌倉ものがたり」を見てきました。
 西岸良平先生作の「鎌倉ものがたり」は私が好きな漫画のひとつでもあります。1980年代末に「アクション」誌を読んでいたことで、臼井儀人先生のデビュー作「だらくやストア物語」と一緒に出会った漫画のひとつであります。90年代前半まで「アクション」誌で定期的にこの作品を読んでいたので、当時は「だらくやストア」や「クレヨンしんちゃん」に次いで好きな作品だったのは確かです。単行本も何冊か買って持っていましたが、前のに住んでいた家に越したときにスペースの都合から泣く泣く処分したのも覚えています。臼井儀人先生が亡くなった頃、臼井先生の遺作を読もうと「まんがタウン」を手にしたときに「鎌倉ものがたり」の連載がまだ続いていて驚いてまた読んだのも、記憶に新しいです。西岸先生独自の優しい画と魅力的な登場人物達、それに「鎌倉」と魔界や魔物をテーマにした独特の世界観が面白い作品です。
 西岸良平先生と言えば代表作は「三丁目の夕日」ですが、私はこちらはあまり読んだことがありません。「三丁目の夕日」が映像化された際は「鎌倉ものがたり」は映画になったりしないのかな…とずっと思っていましたが、今回これがやっと実現したかたちですね。

 では、ここからは「DESTINY 鎌倉ものがたり」の感想を書きます。ネタバレがありますのでこの映画をまだ観ていない方はこの先の閲覧には十分に注意してください。知りたくない映画の展開を知ってしまったと苦情を言われても、当方は責任が取れませんので。

 まず正直に白状しますが、私は「鎌倉ものがたり」の主人公の妻である亜紀子夫人のファンです。あの一途で好奇心旺盛だけど恐がりという性格…ぶっちゃけて言うと可愛いキャラクターは、夫の正和でなくても可愛いと思ってしまうところでしょう。だけど亜紀子夫人には「可愛い」だけでない魅力もキチンと描かれていて、そこが私の心を惹いているのは確かです。だから「鎌倉ものがたり」が原作漫画以外のかたちで映像化されるなら、亜紀子夫人がどのように再現されるかで私の評価が決まると言っても過言ではありません。実は映画館へ行って上映が始まるまで、ここが一番楽しみでかつ、最も怖いところでした。

 主人公の一色正和を演じるのは堺雅人さん…正直、「鎌倉ものがたり」が実写映画になるという情報を最初に聞いたときに「一色先生を演じるのに相応しい俳優は堺雅人さんしかないだろう」と思ったのですが、キャストを見たら本当にその通りだったのでビックリしました。そして注目の亜紀子夫人を演じるのは「とと姉ちゃん」でおなじみの高畑充希さん…NHK朝の連ドラの「とと姉ちゃん」は何度か見た事があるので「この人なら亜紀子夫人をうまく再現してくれると思う」とは思いましたが、やはり実際に見るまで不安でしたね。

 そして実際に見てみると…結論を先に言うと、高畑充希さんの亜紀子夫人がとても良かったです。ハッキリ言ってスクリーンの中の高畑充希さんに原作漫画の亜紀子夫人の顔が重なって見えるくらいにハマっていたと私は思います。メイクで外見を亜紀子夫人に似せただけでなく、その一途で好奇心旺盛だけど恐がりなぶっちゃけて言うと「可愛い」性格もキチンと受け継いでいますし、原作漫画の亜紀子夫人にある「可愛いだけでない魅力」もキチンと再現されていて、かつ「女優・高畑充希」独特の部分もある…とにかくこの映画に出てくる亜紀子夫人が、ちゃんと私が好きでファンになっている亜紀子夫人であることが序盤のうちに明確に解り、私はこの映画に強く引き込まれましたよ。ホント、もう序盤で「この映画を見に来て良かった」と思えました。
 ただ本作の亜紀子夫人にひとつ難があると言えば髪型ですね。正面から見ると亜紀子夫人のおかっぱ頭をキチンと再現できているのですが、横から見ると高畑充希さんの長い髪を隠してあるのがバレバレという感じでした。恐らく高畑充希さんに他作品出演の都合等で完全におかっぱに出来ない事情があったのでしょうが、ここは何とかして欲しかったと思いました。でも致命的な点ではないと思います。
 あと願わくば、正和と亜紀子夫人が一緒にいるときに、亜紀子夫人が「一色先生のお子様ですか?」と言われて気を悪くするシーンが欲しかったですね。あれは「鎌倉ものがたり」の「おやくそく」ですからね。

 もちろん、主人公の堺雅人さん演じる一色正和もとても雰囲気がでていて良かったです。堺雅人さんといえば昨年一年間大河ドラマの「真田丸」での主演を見ましたが、あの独自のハッキリとした口調の台詞回しは前から「この人が『鎌倉ものがたり』の一色先生を演じたら面白いんじゃないだろうか」と思っていた通りになりました。しっかり者だけど何処か抜けていて頼りないところもあるけど真の通っている主人公を上手く演じ、亜紀子夫人との夫婦関係もうまく演じてくれました。同時に正和が「鉄道好き」であって鉄道模型を趣味にしている点などもキッチリと描かれ、これも好感度が高かった…鉄道模型を眺めてニヤニヤしている堺雅人さん、サイコー。
 そしてその他、原作漫画に出てくる魅力的なキャラクター達も、ベテランから若手まで様々な俳優によって演じられて楽しかったですね。警察署の大仏署長や、稲荷・恐山・川原の各刑事をそのまんま再現したのは本当に嬉しかったです。稲荷刑事の鼻の形や、川原刑事の髪型なんかもうサイコー。死神はオリジナルの要素が強くて外観は原作漫画とかなり違ったけど、あの漫画世界にピッタリと合わせてくれたし、何よりも言葉遣いがいちいち現在風なのが面白かった(これは高畑充希さん演じる亜紀子夫人にも言えることだけど)。

 物語は亜紀子夫人が一色正和のもとに嫁いでくるシーンから始まり、この夫婦の日常を原作漫画の名エピソードをひとつひとつ拾いながら再現していきます。ここで拾った原作エピソードも、鎌倉で起きる怪事件を推理小説風に描いたものや、怪談、そして魔物やあの世と絡めた話など、「鎌倉ものがたり」の屋台骨を支える内容を選んでいて「らしい」仕上がりになっています。
 そしてその日常の物語の中で、約2時間で観る者が別世界へ行けねばならない映画に必要な要素への伏線が自然に積み重なっています。亜紀子夫人が幽体離脱して自分の身体に帰れずに幽霊になって黄泉の世界へ行ってしまったことで、物語は突然日常生活から正和の冒険譚に変わるのですが、その物語の変化が全く不自然にならないよううまく伏線を積み上げていたのは感心したところでした。その変化の過程で、正和と亜紀子夫人が演じる別れの物語と、死んで魔物になった本田と彼が残した妻の物語という、ふたつの夫婦愛の物語は観ている者の心を強く揺さぶってきます。私は本田と、本田の妻に惚れた男の対決シーンに強く心を揺すられました。どっちの気持ちもよく分かるんで…。
 そして正和は、亜紀子夫人の肉体を見つけ出した上で、亜紀子夫人を助けるために黄泉の世界へ旅立ちます。ここに江ノ電の100形「タンコロ」が黄泉の世界行きの電車というのは、物語展開が見えてきたところで期待したシーンです…原作漫画では正和と亜紀子夫人が由比ヶ浜から幽霊電車に乗って雑司ヶ谷まで行くストーリーがありますが、その時に幽霊電車として描かれたのが「タンコロ」…これは本当に期待通りでしたね。本作のために制作陣は実物大の「タンコロ」を作ったとのことで…そのセットを見てみたいなぁって、話が逸れた。
 亜紀子夫人が魔物に拉致監禁されていることがわかり、後は王道とも言える主人公とフルCGの妖怪が戦ってヒロインが助け出されるストーリーですが、ここにも江ノ電の「タンコロ」がうまく物語に関わってきたのは意外でしたね。その戦いの中でキチンと「亜紀子夫人が貧乏神を助けた」という伏線を使っていて、亜紀子夫人が貧乏神からもらった茶碗がラッキーアイテムになるという展開は、見方によってはベタかも知れませんがうまく処理したと思います。そしてその過程で語られる正和と亜紀子夫人の前世以前からの運命づけられた関係は、原作漫画でも綴られているとおりで「物語の落ちるべき所」として上手くまとまっています。
 その大冒険譚の後に、ラストシーンとしてキチンと夫婦の日常生活の1ページを描くと、夫婦の姿が玄関のスリガラス越しにぼやけて消え、最後は魔物達も暮らす一色邸の全体像になって物語が終わる「オチ」も素晴らしかったと思います。

 これまで、漫画やアニメの実写版映画をいくつか見ましたが、この「DESTINY 鎌倉ものがたり」はその中でも「原作の再現度が高い」方の部類に入ってとても見ていて気持ちよかったです。漫画やアニメの実写映画版では、たいてい誰かひとり物語やその世界観をぶち壊すキャラが混じっています。たとえば実写版「ヤマト」の森雪とか、実写版「ルパン三世」の峰不二子などが私にとってこれに該当したキャラクターです。「ガッチャマン」のようにキャラクターの再現度は高くても脚本がダメというケースでガッカリしたこともあります。でも本作はそのようなことはなく、観る者を「鎌倉ものがたり」の世界が実現している世界へ上手く誘ってくれる映画だと私は思います。漫画やアニメの実写化でこう感じたのは、これまでは「ヤッターマン」だけでしたが新たに一作加わりそうです。
 この映画は、原作「鎌倉ものがたり」を知っている人に安心して薦められます。

 それを証明するかのように、私は映画が終わって映画館を出ると真っ直ぐに本屋に立ち寄りました。そして何年かぶりに「鎌倉ものがたり」の原作漫画を手にしました。心の中で「また亜紀子夫人に会いたくなった」と思いながら…です。

 しかし、貧乏神の田中泯さんと、キンさんの中村玉緒さんよかったなぁ…主人公夫婦以外でこの2人が一番目だったと思う。。「静の女将」の薬師丸ひろ子さん、オバサンになって良い感じだったなぁ。死神の安藤サクラさんの中性的な演技もとても印象に残りましたよ。ホント、今年は年末になってからこんな楽しい映画に出会えるとは…嬉しい限りです。






Last updated  2017.12.30 17:41:32
コメント(2) | コメントを書く
2016.12.19
カテゴリ:あにめ他の話題
…この映画を見に行ってきました。困ったことに多摩では上映館が少なく、地元武蔵村山はもちろん隣の昭島のシネコンでも上映してなくて、わざわざ立川のシネコンまで行って見てきました。平日だから空いているだろうと思って行ったらとんでもない、午後の回はほぼ満席でネット予約をしてなかったら見られなかったかも知れません。
 率直な感想は「世界名作劇場で戦時中日本の物語を作ったらこんな感じになるだろうな」というものです。主人公の日常をしっかり描いていて、その生活感が感じられる作品に仕上がっています。その上で物語は平凡で、登場人物にとっての大きな事件も敢えて印象的に描くのでなく「自然の流れの中で発生した」という感じで描かれています。主人公の女性が少しとぼけた感じのキャラクターで、このキャラクター性に合わせて物語が構成されているのでしょうね。
 だから物語の中で「事件」が起きているときは、感情が揺さぶられることがないんです。ところが後で別の事件が起きたところで、「そういえば」という感じで揺さぶられる…つまりAという事件が起きているときはその事件について冷静に見ていられるんですけど、後にBという事件が起きたところでA事件によって発生した感情が揺さぶられる。その後にCの事件が起きるとB事件で発生した感情が…って感じで、後から後から揺さぶってくる物語なんですよね。そしてその揺さぶられ方も激しく揺さぶられるのではなく、じわじわと来るのです。
 特に感心したのは、物語の舞台となっている広島県呉市の空襲が描かれ、このシーンの中で主人公が不発弾の爆発に巻き込まれて負傷するシーンがあるのですが…そのシーンを爆発シーンを一切描かずに再現したことですね。かといって爆発前のシーンからいきなり病床といった「省略」をしたわけでもない。
 また嫁いだ先で居場所を失いこれに疲弊する主人公の姿も、その疲弊から僅かなきっかけで立ち上がる主人公の姿も、夫婦生活の経験がある人には色々と感じるところがあるはずです。
 また主人公と義姉の関係も上手く描いていると思います。ああいう義兄弟関係って何処かにあるだろうなーって感じさせられます。特に義姉を主人公のようなとぼけた感じの人が嫌いという設定を上手く作っていて、その上で女同士の諍いとそこから徐々に信頼感を勝ち取る過程が物語のほぼ全編を使って丁寧に描かれているのは恐れ入った。
 何よりもこの物語は、主人公のキャラクター性とそれを演じる役者さんのマッチングが素晴らしいと思いました。俳優の「のん」さんって本作で主人公「すずさん」をやるために存在しているんじゃないかと思ったくらいです。ラジオで聞いた映画評論家の言に「ちびまる子ちゃんと言えばTARAKOさん、と同じくらいのベストマッチング」というものがありましたが、その評価は実際に本作を見てみてよく解りました。もちろん「のん」さんのように現在の若い世代の女性が、第二次大戦中の日本を生きる「すずさん」を演じるのは色々難しかったと思います。

 この作品はじわじわと感情を揺さぶってきますが、これは同じく今年ヒットしたアニメ映画「君の名は。」と対照的だと思います。「君の名は。」は印象的な事件を次から次へと派手に起こすことで、見ている者の感情を派手に揺さぶってきました。このふたつの「揺さぶり」を体験出来たことは、今年見た映画の印象としてどちらの作品も強く印象に残った点ですね。あ、今年の劇場版「クレヨンしんちゃん」も良かったですよ、あれもどちらかというと派手に感情を揺さぶる「君の名は。」系列の作品でしたが。

 先週は色々忙しかったので、サイトの更新が出来ずにすみません。来週はサイトの何処かをいじってからいよいよお正月ですね。もう「あるひと」へのクリスマスプレゼントも用意したし、寒いけど樺って新年を迎えたいと思います。






Last updated  2016.12.19 19:26:32
コメント(0) | コメントを書く
2016.10.20
カテゴリ:あにめ他の話題
…近所のシネコンへ行って、今話題のアニメ映画「君の名は。」を見に行きました。平日だから映画館も空いてるだろうって思って行ったら、「君の名は。」を上映するスクリーンだけ混雑していましたね。座席の半分は埋まってましたよ。

 正直言って、なんであの映画が人気があるのかが見てみてよく分かりましたあの作品は見ている人の色んな感情を揺さぶってくるんです。主人公の男女が演じる恋愛における様々なシーン…唐突な出会いから最後の感動的な再会までの間に、希望も絶望も恋愛で考えられる全部のシーンが込められているんですよね。それを通じて本当に見ている人の様々な感情を揺さぶってくるんです。だから主人公に感情移入出来るんです。
 そして感情移入するのが瀧君か、それとも三葉ちゃんか、それでもこの映画の見方は変わってくると思います。劇中で絶望的な災害が描かれますが、その災害を外から見る人と中で巻き込まれている人という視点もあると思います。私としてはやっぱり瀧君の「絶望的な災害を外から見ている」という立場には感情移入しちゃいますね。

 また神社の神事といった日本独自の文化をキチンと描き、高校生である主人公達の日常生活を細かく描いている辺りは秀逸です。その中で高校生の男女が入れ替わるという物語の起点は映画では「ありがち」な展開ではありますが、その先の料理の仕方がこれまでの「入れ替わりモノ」とはかなり違っていたのも感心ですね。

 そういう様々な点でも上手く出来ている映画だと思いましたし、「また見たい」とも思いましたね。DVDなりブルーレイが出たら買おうかな…。

 映画といえば、先週には「ルパン三世 カリオストロの城」がテレビ放映されたばかりですね。あれは宮崎駿作品の中で、私が一番好きな作品なんですよ。子供の頃映画館まで行って見た映画のひとつでもあるし。ちょっといま映画づいているかも。






Last updated  2016.10.20 15:23:45
コメント(0) | コメントを書く
このブログでよく読まれている記事

全23件 (23件中 1-10件目)

1 2 3 >


© Rakuten Group, Inc.