2008/08/23(土)11:30
キャニオン・ディアブロ
アメリカ、アリゾナ州の、バリンジャー・クレーターを作ったとされる、
ディアブロ峡谷で発見された鉄質隕石です。
大物です。
大宇宙からの神秘のメッセージ!
人智を超えた巨大なパワー!
私は隕石の強さが大好きなので、
その強烈さは、ものすごいものだろうと期待していました。
頭痛とか、めまいとかするんじゃないかって、
そんな覚悟もしていたんですが、
手にしてみると、全く意外でした。
その石は、呆けているみたいでした。
薄ぼんやりと、まどろんでいます。
――それはそれで、驚愕です!
これが、かのキャニオンディアブロなのか!!
宇宙からのパワーも、寝るの?!
そらからはスマッジしたり、クラスターの上に置いたり、
小突いたり、揺すったり。
それでも、一向に起きる気配はありません。
サラスヴァティへ持っていってみてもらいましたが、やはり、でした。
スサさんは『眠たくなるね~』という方向での同調をされますし、
エシャさんも、
『私の知ってるキャニオンディアブロは、こんなんじゃなかったかな……』って。
ええっ~?! ってまた、ひとしきり小突いたり、揺すったりして、
あきらめました。
そんなもんで、起きたりするものでもなさそうです。
寝ぼけていても、スケールの大きさは感じさせています。
キャニオンディアブロ、宇宙のパワー、なのでしょう。
その中でも、自分が手にした石がそんな状態だというのなら、
それはそういうこと。
寝ぼけていたって、魅力的な石です。
この寝ぼけている状態って、単なる愚鈍ではありません。
その方がわかることってたくさんあります。
深いところで、じっくりと精錬の作業をしているんだと思います。
これを感じてみることこそ、とても楽しい冒険じゃないでしょうか。
何だか、いつも急がされているような風潮ですが、
だからって、そこに全てを明け渡してしまっては、個性のきらめきがもったいないです。
今や、慢性的な強迫観念に化けてしまったところも大きいかと思うんです。
急がないといけないこともあるでしょうが、その全てが正しいとも限りません。
焦りや怖れに支配されていない自分の判断を、
どこかに持ちたいものですね。
石は、焦りません。
自分ではないものになろうともしません。
そういうのをダイレクトに教えてくれます。
石が寝ぼけているのなら、いっしょに寝ぼける遊びをしよう。
そう思いました。