週刊 くりんこ・ころ・ころ

2009/01/16(金)14:30

商売繁盛で 笹もって来い♪

着・道楽(6)

お正月が居残る1月の3連休、大阪・難波(なんば)界隈、今宮戎神社は「えべっさん(十日戎)」で大賑わい。お正月から始まる神事は、10日本戎に宝恵駕籠(ほえかご)行列で最高潮を迎えます。元々は、南地(道頓堀周辺の花街)の綺麗どころが、参拝時に妍を競ったのが始まりとか。今や芸妓さんも少なくて、蓮台に乗るのは、折しも初春公演真っ最中、歌舞伎役者や文楽人形と人形遣い、ミス商店街に時の人。「ほえかご、ほえかご、ほ~えかご」の掛け声も艶やかに、「打~ちましょ」で始まる、伸びやかな大阪締めの発声も、行列時のあちこちで聞かれます。この行列の道筋・通称ミナミの繁華街は、今宮戎神社の参道だったんですね。道頓堀川にかかる橋(グリコの看板を眺める橋)は、だから、その名も「戎橋」。別名「ひっかけ橋」(ナンパやキャッチがウロウロ)では、不敬もいいところ。 今では、南海なんば駅から神社に至る道を参道として、屋台が建ち並びます。神社間近は縁起物を商う屋台がひしめき、真っ赤な張り幕、金色の縁起物で、夜陰は、金と赤の目出度色に染め上げられます。                            関西最強の花嫁道具、「福娘」(写真は2008年の方)。   千早(白い被布)の美姿のために、文庫結びの研究に余念がないとは、先輩師匠の弁。狭い境内で最も人が行き交うのは、縁起物の授与所。居並ぶ福娘、えびす娘に、縁起物を付けてもらおうと押すな押すなの人だかり。笹に触り続けて指が切れるのか、可哀想に、福娘さんの指は絆創膏だらけです。パンデミック大不況の今年だからこそ、真摯に祈願して、縁起物を授けてくれたことでしょう。 さて、「(自称)着付師」を表稼業で張っているくり乃々は、成人式の着付けと重なって、大抵は、お参りも宝恵駕籠行列も行けたことがありません。毎年毎年毎年、稽古不足の不安から、年末年始は遊んでも家事しても何をしてても落ち着かない、残ったままの宿題の重圧に脅えながら、だらける子供と一緒です。じゃ、稽古に励めよって話なんですが、それが出来てりゃ、今頃は。今年も、本戎の日が最終駆け込み稽古で、11日は朝から晩まで、着物をチェックしながら針仕事。これが大変。予約を受けた美容室が、チェックリストを渡しても忘れ物はアタリマエ。 (帯を忘れたのは、さすがに。シンジラレナイ笑)着物を着るご当人はモチロン、すでにお母様方さえ、着物のことはご存知ありません。かく言う私も着付けを習うまでは、何もかも母がしてくれてアタリマエ、そんな世代が母親で、「おばあちゃんやなかったら、解りません」もアタリマエ。「風呂敷」もご存知ない、は、さすがに引っ繰り返りましたけど。 12日成人式当日は、早朝5時から着付けスタート。お母様やお祖母様とお選びになったという着物は、柄を見ればすぐ解ります。どうやら着付師の諸先生方の軍配は、私も含めて、古典柄お嬢様チックに上がりがち。イマドキは、ポヤポヤ頭にネイルはズッシリ、つけまつげもバッサバサ。おまけにレース流行りで、レースの重ね衿・帯揚げ、袖からもレースがこぼれ出て、正直、苦笑いしきりなんですが、これがまた着付けてみると、ヘア・メイクと相俟って可愛らしいったら。個人的趣味はともあれ、女の数だけある着物姿に、道楽者は惚れ惚れします。初めて着物を着たら、これからもまた着たい触りたい、着物好きが増えるといいなぁ。それが本懐、他所さんのお宝さんの帯締めて、心を込めて飾りましょ。                   今年の成人式用に、新たに教わった帯結び。     お稽古専用で、小物も着物も有り物ですが、こんな風に着つけます。女性の皆様、年齢問わず「振袖秘密クラブ/Ver.オフ会」なんてのは、どぉお?着付けは、くり乃々が責任を持って格安で承ります(笑)

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