土器を焼く
第八回の津島遺跡講座に参加しました。今回一番興味深かったのは、私が韓国に行っている間に土器を作ったらしいのですが、それを焼いているところをスライドで見せてくれたのです。私は弥生時代の土器は簡単に素焼きをして作るのだとばっかり思っていました。それだと焼けるところと焼けないところができて、割れてしまうのだそうです。どうやって焼いたのか、ハッキリしないのだそうですが、埋蔵文化センターの方が工夫を重ねた焼き方で焼いたみたいです。まず焼き芋を作る機械を借りて、籾殻でじわりじわりと焼いたそうです。はじめちょろちょろなかばっば、籾殻が真っ黒になった段階で松ノ木を薪を足していっきに焼きます。こんなふうに焼いてもまだ焼きムラができるので、取り出して黒くなって焼が不十分なところをさらに焼きます。こんなに手間をかけても、実際には沢山の焼きムラが残ります。途中で割れた土器も多く出てきたそうです。「実際には焼ムラがまったくない土器(祭祀土器等)も沢山あるのですが、どのように焼いたのでしょうか」と意地悪な質問をしました。「私たちの焼は実際にはマダマダ素人で、本当はもっと工夫がされていたのではないかと思います」焼き方ひとつとっても、マダマダ私たちの推し量れない技術が隠されているのでしょう。「失われた知恵」は動植物の「失われた種」以上にあるのかもしれません。