11月に観た映画(上)
11月に観た映画は10作でした。「インター•ステラー」で無事一ヶ月フリーパスポートはゲットしました。途中一週間台湾旅行のために日本を留守にするけど仕方ない。
「ドラキュラZERO」
ドラキュラになっても三日間血の渇望を我慢したら、また人間に戻れると元ドラキュラはいうけれど、そんな事聞いたことがない。その辺りの謎が残されたまま。
ドラキュラになっても、人間の時の良心は残されたままになっている。これは、この10ー20年で作られた新たなドラキュラ伝説。今回、ドラキュラ成り立て視点からの映像が作られた。ああいうのを見るとみんなドラキュラになりたいと思うのではないか。ドラキュラ映画の変遷の社会学的考察並びに、ドラキュラ伝説が日本に根付かないことの考察という卒業論文ぐらいは誰かが書いていそうだ。
テンポ良くて退屈せずに済んだ。終わり方も好印象。しかし続編はいらない。
■ あらすじ
トランシルバニア君主ヴラド・ドラキュラ(ルーク・エヴァンス)が統治する国は栄え、人々は平和に暮らしていた。だがある日、ヨーロッパ攻略を狙うオスマン帝国が、彼の息子を含む1,000人の少年の徴兵を要求してくる。愛する妻(サラ・ガドン)や息子と国を守るため、ヴラドは大国相手に反旗を翻し、古代より伝わる絶対的な闇の力と契約を交わす。
■ 解説
『ワイルド・スピード EURO MISSION』などのルーク・エヴァンスが主演を務め、オスマン帝国の侵略から自国を死守するため悪に変じた君主の戦いを描くアクション。ブラム・ストーカーの小説「ドラキュラ」のモデルとなった15世紀の実在の君主をモチーフに、愛ゆえに強大な悪と化す男の数奇な運命に迫る。主人公の妻を、『アンチヴァイラル』などのサラ・ガドンが好演。悲しくも美しいヒーロー伝説に圧倒される。
■ キャスト
ルーク・エヴァンス、サラ・ガドン、ドミニク・クーパー
■ スタッフ
監督: ゲイリー・ショア
in movix倉敷
2014年11月3日
★★★★☆
「パワー・ゲーム」
アダムが冒頭で呟く現代若者の現状がこの作品を単なるカンパニー映画にしない社会性を持たせている。
「少し前までは、頑張っていい大学を出て、いい会社に入り、15年ほど頑張れば成功した。いまは、昔の一部の成功者があらゆる汚いことをして富を独占している。決して俺たちには回って来ない」
38年間警備員の仕事をした持病持ちの父を持ち、保険外治療で3万ドルをもの借金を抱えた若く優秀なIT労働者が主人公である。
結末はハリウッド映画らしく、ハッピーエンドになっているが、産業スパイを養成する会社、その裏をかく会社などの姿は予想範囲ながらも、ゲイリー・オールドマンやハリソン・フォードの存在感でちゃんと見せるものになっている。
マンハッタンとブルックリン。川を隔てた二つの世界が現代アメリカを象徴しているのだろう。
■ あらすじ
躍進中のIT企業ワイアット社に勤務するアダム(リアム・ヘムズワース)は、成功のチャンスをつかもうと必死だった。ある日、彼はCEOニック(ゲイリー・オールドマン)の前で新ソフトのプレゼンをするものの失敗し、トップにたてついたせいで本人とチーム全員が解雇されてしまう。やけくそのアダムは仲間と一緒に会社の金で高級クラブに繰り出すが……。
■ 解説
ハリソン・フォードとゲイリー・オールドマンが共演を果たし、ジョゼフ・フィンダーのベストセラー小説「侵入社員」を映画化したサスペンス。巨大企業のトップとして君臨し互いに激しい開発競争を繰り広げる首脳陣の攻防が展開していく。ライバル社にスパイとして潜入する若手社員を『ハンガー・ゲーム』シリーズなどのリアム・ヘムズワースが熱演。男たちの野望と狂おしいまでの栄光への執着に戦慄(せんりつ)する。
■ キャスト
リアム・ヘムズワース、ハリソン・フォード、ゲイリー・オールドマン、アンバー・ハード、リチャード・ドレイファス、エンベス・デイヴィッツ、ルーカス・ティル、ジュリアン・マクマホン、ジョシュ・ホロウェイ、アンジェラ・サラフィアン
■ スタッフ
監督: ロバート・ルケティック
脚本: ジェイソン・ホール
脚本: バリー・L・レヴィ
原作: ジョゼフ・フィンダー
in movix倉敷
2014年11月15日
★★★★☆
「グレート デイズ!―夢に挑んだ父と子―」
父と息子の物語であると同時に、障がい者が当たり前に暮らすことの出来る社会を見せる映画でもある。
バリアフリーが当然のようにあるから、車椅子で突然家出をしても遠くまで出かけることが出来る。障がい者学級が充実していて、学生たちの表情が明るい。失業しても約一年間息子のために時間を使うことの出来る。社会のインフラが(日本から見て)水準以上だから、障がい者の息子も家族の崩壊を救うために、自分の自立のために、ウルトラC的な発想が浮かんだのだろう。
(解説)
車いすの生活をおくる17歳のジュリアンは、失業して久しぶりに帰って来る父ポールとの再会を楽しみにしていた。だが、息子とどう接していいか分からないポールは、口をきこうともしない。そんな父にジュリアンは、とんでもない提案を突きつける。
「父さんと、アイアンマンレースに出たい。」
若い頃にトライアスロン出場の経験を持つポールだが、「ムリだ」のひと言で一蹴する。アイアンマンレースは、トライアスロンの中でも最難関。鍛え抜かれたスポーツマンでも過酷なレース。しかし、負けず嫌いのジュリアンは諦めない。様々な作戦を企て父を説得。さらには、心配性の母をも説き伏せ晴れてチーム結成となる。
「これまでの時間を取り戻す。」「もう子供じゃないことを、認めさせる。」ふたりの無謀すぎる挑戦は、やがて周囲の人々を巻き込んで、皆の夢へと変わっていく。そして迎えた運命の日、様々な困難を乗り越えたにゴールは来るのか―?
監督は、大ヒットドキュメンタリー映画『エトワール』のニルス・タヴェルニエ。父親役には、フランスの名優、ジャック・ガンブラン。息子役には、オーディションで選ばれた、自身も車いす生活を送るファビアン・エロー。
フランスで公開されるや、爽快な感動に力のこもった口コミが広がり大ヒット!前しか見ない凸凹親子が起こしたまさかの奇跡とは!
inシネマクレール
2014年11月16日
★★★★☆
「紙の月」
NHKのドラマ10の内容とは、質が違った。あちらは平凡な生活に物足りなさを感じている主婦たちが1人は横領事件を起こし、1人は節約生活をしながらそれに振り回され、1人は買い物病に冒されていたという内容だった。いわば、主婦の悩み相談という内容だった。
しかし映画版は違う。横領犯1人に絞られているだけではない。こちらは夫に責任はあることはあるけど、後方に追いやられている。彼女は夫婦生活に不満がなくてもやる時にはやっただろう。そういうことではない。誰がお金を出そうと、5万円の寄付は寄付ではないか、と考えるか、そうではないと考えるか。彼女は高校生の時に寄付を巡ってそういう考えを持っていた。そこからは「お金に名前はつかない。では、そのお金を借りていっとき幸せになったとしたら、あとで罰せられてもその「幸せ」は本物なのか。」と考えるまでは直ぐそこだろう。
いや、そうではない。と彼女は既に気がついている。だから、空にある月を消しゴムで消すように消すことが出来たのである。
お金とは何か。その古くて新しい問題を突きつけた作品だった。
大島優子は安定感あるバイブプレイヤーを演った。しかし、今からそんな所でこじんまりして欲しくない。小林聡美が宮沢りえの合わせ鏡として、いい演技をしたと思う。
(解説)
平凡な主婦が起こした巨額横領事件。
彼女に、何が起きたのか―。
1994年。梅澤梨花(宮沢りえ)は、夫(田辺誠一)と穏やかな日々を送り、契約社員として働く「わかば銀行」でも、丁寧な仕事ぶりで上司の井上(近藤芳正)から高い評価を得ていた。裕福な独居老人の平林(石橋蓮司)も、梨花の丁寧な仕事に信頼を寄せている顧客のひとりだ。厳格なベテラン事務員の隅(小林聡美)、まだ若くちゃっかり者の窓口係・相川(大島優子)ら、支店では様々な女性たちが働いている。一見、何不自由のない生活を送っている梨花だが、自分への関心が薄く、鈍感なところのある夫との間には空虚感が漂い始めていた。※PG12
監督 吉田大八
出演 宮沢りえ、池松壮亮、大島優子、田辺誠一、近藤芳正、石橋蓮司、小林聡美
in TOHOシネマズ岡南
2014年11月20日
★★★★☆
「西遊記 はじまりのはじまり」
いやあ凄かった。予告編でお釈迦さまの巨大な手や岩から飛び出る巨大な足の映像があったので、どうせ孫悟空が果花山を飛び出て大暴れする話かと思いきや、ほとんどその話は出て来ないのだ。若き日の迷いだらけの玄奘が出ずっぱりで、いついつものメンバーの話になるのかと思いきや、緒八戒らしき妖怪もかなり姿性格が違うし、後半をだいぶ過ぎて出て来た孫悟空もかなり様子が違う。
でもなんと終わってみれば紛うことなき「西遊記」のはじまりというとんでもない仕掛けを作っていた。オリジナルキャラの女性妖怪ハンター「段」が、諸星大二郎の「西遊妖猿伝」の竜児女みたいな位置づけになるのかと思いきや、もっと重要な役回りをしたり、人間、猿、巨大な妖猿の三段変幻を見せたりして、かなり諸星大二郎の影響を受けていることがわかります。そういえば、日本に馴染みのあの曲が使われていたり、小ネタはわりと爆笑ものだったりニヤニヤする面白さもあります。そして、最終的に話の落としどころは、まさかの深い話だったり、ホントに思いもかけない今年の収穫でした!
■ あらすじ
若き妖怪ハンター玄奘(ウェン・ジャン)は、“わらべ唄 三百首”を武器に妖怪たちの善の心を呼び起こそうとするがいつもうまくいかない。ある日、彼が半魚半獣の妖怪に襲われた川辺の村で、村人たちと協力して陸に上げた魔物が人間の姿に変身する。玄奘が歌うわらべ唄は全然効果がなく、逆に攻撃された彼を女性妖怪ハンターの段(スー・チー)が救う。
■ 解説
香港のスター、チャウ・シンチーが『ミラクル7号』以来となる監督を務めたアクション。中国の伝奇小説「西遊記」を題材に、三蔵法師と孫悟空ら4人が出会う以前の物語を、チャウ・シンチー流ユーモアを交えて活写する。『海洋天堂』などのウェン・ジャンが主演を務め、ヒロインを『傷だらけの男たち』などのスー・チーが熱演。驚異の妖怪バトルや、怒とうの笑いと感動と涙の物語に夢中になる。
■ キャスト
スー・チー、ウェン・ジャン、ホワン・ボー、ショウ・ルオ、リー・ションチン、チェン・ビンキャン、チェン・シーハン、シン・ユー、ルー・ゼンユー、チー・リンチュウ、ヤン・ディー、クリッシー・チョウ、グ・ハンユー、フォン・ミンハン、ユエン・ルン、
■ スタッフ
エクゼクティブプロデューサー・脚本・監督: チャウ・シンチー
in movix倉敷
2014年11月22日
★★★★★