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カテゴリ:読書(フィクション)
「模倣犯」(1)新潮文庫 宮部みゆき
宮部の著書は全部読む、というのが私のポリシーである。というような変なことで威張る小市民の私であるが、彼女はその小市民を描くのが天才的に上手い作家だ。 「未曾有の連続誘拐殺人事件を重層的に描いた現代ミステリの金字塔、いよいよ開幕」ということだし、映画にもなったので、ある程度の筋はみんな知っているし、リンクつきのバナーを貼っておくのでそこを見ると大体のその巻のあらすじを書いてると思うので参照してもらいたい。 文庫(1)は、事件の被害者側、捜査側のほうの視点で物語が進む。宮部みゆきは次々と代わる視点に少しも描写の上で妥協はしない。被害者の不安とやりきれなさと怒りと悲しみ、振り回される刑事と犯人との知能比べが綿密に描かれていて、読ませる。そして事件がとりあえずの結末を迎える。(まだ一巻目なのに?)ところが私は知っている。これがこの物語のマクラに過ぎないことを。 映画「模倣犯」は大失敗作だった。見た時点で原作の筋など全然知らなかったが、あまりにも薄っぺらい主犯(仲居正弘)の演技に、まるで職人のように映画つくりをした監督の姿勢にがっかりした覚えがある。だからポリシーではあるが、一巻目二巻目を読んで読む気がうせたら止めようと思っていた。心配は杞憂だった。そして新たな心配が……。私はこの本を読むために何時間を費やしてしまうのだろう……。 2006.01.03読了 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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「模倣犯」は映画の悪印象が強くて読む気がしないでいる。それと宮部作品の短編はおもしろいものが多い(私は特に時代物のファン)けど、長編は時々はずれるような気がするのも一因。
読むのにかかる時間を考えると・・・ おもしろかったら教えて下さい。 (2006年01月22日 09時24分38秒)
ももたろうサブライさん
面白かったです。どう面白いかはこれから書いていきますので、最後まで読んでね。 (2006年01月22日 10時52分26秒)
トラックバックありがとうございました。
模倣犯、ものすごく面白く読みました。 5巻、急性胃腸炎で入院していた病院のベッドで一気読みです。 面白くて途中で止められませんでした。 見てないんですが、これは映画に出来ないでしょう。 母は、映画見て怒っておりました。 トラックバックさせていただきます。 感想も読んでいます。今後の感想も楽しみにしていますね。 (2006年01月22日 20時15分57秒)
亜巳さん
TB&コメントありがとうございます。 >見てないんですが、これは映画に出来ないでしょう。 それがね、しちゃったんですよ。まるで粗筋をなぞるような作品でした。 今日映画のHP見ていたら、殺された娘の古川鞠子を演じたのは伊東美咲(たぶん映画デビュー)でした。あんな娘があんな死に方したら、そりゃあ遺族はたまらんですわ。 私も既に読み終えているので、早めに五巻までたどり着きたいと思います。 (2006年01月22日 22時54分38秒) |
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