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テーマ:映画館で観た映画(8343)
カテゴリ:邦画(05・06)
岡山松竹最終上映会に行ってきた。三本の上映作品のうち、監督挨拶のある「しあわせ家族計画」(阿部勉)、名作「幸せの黄色いハンカチ」ではなく、「男はつらいよ寅次郎相合い傘」を観た。
倉敷東映のときは、最終上映で8割の入りであったが、今日の場合は、毎年ここの会場を借りて「岡山を考える市民のつどい」をしている岡山市職労が企画しているだけあり満員の入りだった。寅さん映画は満員で観るのに限る。 この千日前商店街では約10年前、ビデオの普及によりシネマスコープ大画面の映画館がなくなった。去年、岡山市についに複合型映画館が出来るという報道が流れて3スクリーンがなくなった。そして今日最後の封切館がなくなった。映画館で賑わっていた商店街であった。 「男はつらいよ寅次郎相合い傘」(1975)では正真正銘「有頂天ホテル」よりも笑った。この作品は合計4回あるリリーさん(浅丘ルリ子)が出てくる回の二回目。リリーはすし屋のだんなと別れ、また歌を歌って旅へ。北海道で家出中年(船越英二)と旅をしている寅次郎とばったり出会う。3人で気ままな旅へ。旅でも、柴又に帰っても、リリーと寅次郎は喧嘩してはすぐ仲直りをする。そんな二人を見てさくら(倍賞千恵子)はつい「リリーさんみたいな人が、お兄ちゃんのお嫁さんになってくれたらどんなに素敵だろうな」という。意外にもリリーは「いいわよ」というのだ。それを聞いた寅次郎は「冗談だろ」とごまかしてしまう。そして寅次郎は再び旅に出るという筋書きである。 おばちゃんがうっかり寅さんの分のメロンを切らなかったことに発するメロン喧嘩は、二回目の鑑賞なのに、二回目のほうが面白かった。しかも上映終了後はどこはかとなく哀しくなる。蓋し喜劇の傑作である。昔はこんな秀作を盆暮れ年二回も見ていたのか?羨ましい。こんな映画現代ではもうなくなってしまった。この喪失感は大きい。 私は一つ自信をもっている仮説がある。「男はつらいよ」シリーズは、震災の町長田町で最後の場面を迎えるわけであるが、その場面の少し前、じつは寅次郎とりりーは結婚していたのである。詳しくはここでどうぞ。いまだかってどの映画評論家もこの説を唱えていないのが、私は不思議でならない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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