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テーマ:映画館で観た映画(8324)
カテゴリ:洋画(05・06)
暫く休んでいましたが、「お家の事情」も小康状態になったので、少しずつはじめようと思います。この一週間で、いろんな方からTBを頂きましたが、全て返しきれていません。すみません。国会の審議は緊迫しているようですが、私はいつもひとつのことだけを書くことが出来ません。これも性分なので許してください。
「 白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」 監督:マルク・ローテムント 出演:ユリア・イェンチ、アレクサンダー・ヘルト、ファビアン・ヒンヌリフス ゾフィーが死を覚悟したのはトイレの場面からだろうか。脅したり、甘言を言ったりして裏切りの言葉を引き出そうとする取締官を前にして、21歳の若者の信念の言葉はこの本当は信念も持たない小市民の男を圧倒する。死を前に人は太陽のように輝くことがある。ただし予想より遥かに早く刑が執行されたために、恐れ怯える余裕がなかったのは彼女のために幸いだった。 白バラメンバーのほぼ全員が厳罰に処せられたとテロップが流れ彼らのスナップで作品は終わる。彼らの情勢分析は正しかった。1943年2月19日時点で、スターリングラードで戦争の趨勢をはっきり定め、精神障害者やユダヤ民族の虐殺を明確に知っていた。ドイツ帝国の終わり前の2年3ヵ月前に正確に未来を予測していたのは、エリート将校たちではなく、これらの学生たちだった。情報が少ないからといって未来が見えないわけではない。「良心」と「理性」があれば、どちらが「愛国」的な行動をとれるかは、歴史が何度も何度も何度も証明している。(例えばベトナム戦争、イラク戦争) 加藤周一は1941年12月8日、東京帝国大学医学部の学生だった。もはや丸山真男のように好奇心で反政府運動に近づいて逮捕され釈放されるような安閑とした状況ではなく、自分の気持ちは公的にはどこにも出すことは適わなかった。そんな中加藤は真珠湾攻撃と太平洋戦争の開戦を知る。世の中は最初の勝利に酔いしれていたが、加藤は「これでおしまいだ」と思ったという。「1931年の満州事変から始まってずうっと続いていた日中戦争の、いわば論理的結論というか、行き着くさきがここだ、こと遂にここに至るかという感じですね。いきなり天から降ってきたという感じよりも、だんだん状況が悪くなっていって、だんだん戦争が近づいていて、米英を相手にする戦争などという最後の一歩は踏み出さないだろうとも考えていたけれども、遂にやってしまったか」(「ある晴れた日の出来事」かもがわブックレット) 鶴見俊輔はアメリカに留学していたが、日米開戦のあと、交換船に乗って日本に帰る。「(なぜ帰国したか)よくわからないんです。ただ交換船が出るが、乗るか乗らないかって聞かれたときに、私は乗るって答えたんです。日本はもう、すぐにも負けると思った。そして負けるときに、まける側にいたいっていう、何かぼんやりした考えですね。というか、勝つ側にいたくないと思ったんだ。この戦争については、アメリカのほうがいくらかでも正しいと思ったんだけど、勝ったアメリカにくっついて、英語を話して日本に帰って来る自分なんて耐えられないと思ったんだ。」(「戦争が遺したもの」新曜社) 「まだ」覚悟は必要ではないけど、僅かな情報しか我々には来ないけど、教育基本法、共謀罪等々にたいして「この事実を知ればみんな立ち上がるわ」と声を上げよう、支配者側はそんな声を恐れている。普通は99日間の猶予期間があるのに、たった五日間でゾフィーを殺したように バナーのコピーTagは掲示板 にあります。広めよう お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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「白バラの祈りを見る覚悟、なかなかできません。昔見たやはり処刑されたレジスタンスの女学生の物語「マルシカの金曜日」や、バネッサ・レッドグレープが演じた惨殺された反ナチ活動家(誰だっけ!名前が出てきません。汗・・・)の映画うぃを見たときの恐怖が蘇ってきます。使命感だけで下手に手を出すと、なかなか立ち直れない、もう若くない私。
「戦場のピアニスト」は映画は素晴らしかったけれど、二度と見たくない!吐きそうな思いと闘いながら、なんとか最後まで行き着きました。 共謀罪は大逆事件というゾンビの復活にほかなりません。 遅くなりましたが、お誕生日おめでとうございます。 (2006年05月17日 17時24分59秒)
ようやく思い出した名前は、「ローザ・ルクセンブルグ」です。で、しかもバネッサ・レッドグレープはまるで関係ありません。彼女はリリアン・ヘルマンの「ジュリア」だったのでした。
いやはや、歳は取りたくないものです・・・。 (2006年05月17日 18時26分39秒)
TBありがとうございます。
「白バラの祈り」鑑賞しました。感動と共に良心を捨てたくないと感じ、私も微々たる良心の叫びを上げることにしました。 共謀罪法案、教育基本法改正、国民投票法案の廃案を目指し、頑張りましょう。 遅くなりましたが、お誕生日おめでとうございます。 (2006年05月18日 00時41分11秒)
志治美世子さん
ご訪問&コメントありがとうございました。 誰もこんな状態になったら、彼女の様になれるかどうかは「覚悟」はないと思います。というか、そのときになってみないと分からない。ただ、今なら覚悟がなくても「反政府活動」が出来る。 「戦場のピアニスト」はその年のマイベストワンの作品でした。「ジュリア」懐かしいですねえ。ここで主人公の女性はタバコを山の様に吸うのですが、私はタバコを吸わないので、女性のタバコ好きは苦手ではあるのですが、この人に限っては「かっこいい~」と思いました。 (2006年05月18日 00時50分02秒)
こんにちは♪
国民がぼんやりしているうちにどんどん危険な方向へと向かっているようで本当に怖いです。 (2006年05月18日 16時09分23秒)
TBどうもです。
この映画が秀逸なのは、観客が視点を持ってくるのをゾフィーでなくモーアに設定してることですね。 この構造で、誰もが否応なくゾフィーの心と向き合わなければならなくなった。 彼女との対話の中で、色んな意味で自分を振り返らせてもらいました。 凄い映画です。 http://noraneko22.blog29.fc2.com/ (2006年05月18日 18時56分59秒)
>ヘリオトロープの小部屋さん
うちは横ばいというよりか、暫くはゆっくりと下降線に落ち着いたいうところかな。こっちのほうの覚悟もゆっくりとしていきたいのだけど……。 >ミチさん いつもコメントありがとうございます。 今年の映画は、(洋画は)危機意識を持った作品で埋っています。邦画の平々凡々振りが怖い。 >ノラネコさん 小市民モーアは確かにもう一人の私でもあります。ただ、私の解釈は、いったん釈放といったのも、情報を言ったら釈放してやるといったのも、騙しのテクニックであると思っていました。彼に「釈放」を決めるほどの権限があるはずもない。ゾフィーもきっとモーアの言葉をそう受け止めていたと思います。だから私は終始ゾフィーの目で映画を観ていました。 TBが上手くできなくて申し訳ありません。ただ、ノラネコさんのところへはやはりTBしたくなるんです。許してくださいな。 (2006年05月18日 22時08分39秒)
TBどうもでした。先日、「グッドナイト&グッドラック」も見たのですが、決して昔の話で済まそうとしているのではないという姿勢が非常に感じられました。この作品もそうですね。「ナチは怖いね~」で終わってしまったらこの映画はもったいないです。
(2006年05月18日 22時45分43秒)
カオリさん
コメントありがとうございます。 「グッドナイト」はできたら今日にも見ようと思っています。今回の一連の映画群は明らかにブッシュの政治に対する大きなノーの流れが映画製作側に起きているのだということを推測させます。アメリカが変わるのはあと少しなのかもしれない。それにもう目的についていこうとしている、現政府の次期首相候補たちは墓穴を掘るかもしれない。最近の映画を観ていると、そこまで思ってしまいます。 (2006年05月19日 08時09分49秒)
KUMAさん、TBありがとうございます。
あの記事、たぶんあれだけでは何を言っているのか分からなかったんじゃないかと思います。 実は、あれは「数学屋のめがね」というブログでの「南京事件」に関する最近の発言を念頭に置いたものです。 そちらをご覧になっていただければ、真意は分かっていただけると思います。 (2007年03月19日 15時10分26秒)
かつ7416さん
一応関連していると思って、ただそれだけでTBを送ったのですが、なるほどとんちんかんなTBになっていたのかもしれませんね。 かつさんの言われるブログを探したのですがわかりませんでした。すみません。 (2007年03月19日 23時27分49秒)
KUMA0504さん
>かつさんの言われるブログを探したのですがわかりませんでした。すみません。 http://blog.livedoor.jp/khideaki/archives/50941902.html#comments 上のサイトです。 結構突っ込まれてますよ。 (2007年03月20日 00時19分42秒)
KUMA0504さん
>かつさんの言われるブログを探したのですがわかりませんでした。すみません。 http://blog.livedoor.jp/khideaki/archives/50941902.html#comments 上のサイトです。 結構突っ込まれてますよ。 (2007年03月20日 00時21分13秒)
二重投稿になっちゃいました。すみません。
http://blog.livedoor.jp/khideaki/ 上で見れば分かると思います。 あと、楽天では「真理を求めて」という題で同じ内容を掲載しています。 この人とは以前に議論したことがあって、食い違いにしかならないことが分かっていたのでああいう書き方をしました。 (2007年03月20日 00時30分12秒)
かつ7416さん
ちょっと見ただけですが、興味深い議論をしているようです。 タダ、途中でこんがらがってしまいました(^_^;) 私の能力では参加できませんね。 (2007年03月21日 01時18分00秒)
はじめまして。劇団民藝の酒井と申します。
来月、「白バラの祈り」の舞台版を上演致します。 もしご興味ありましたら、ぜひお出かけ下さい。 http://blog.butai-butai.com/archives/51052653.html ブログからお申し込み頂ければ、若干ではありますが、割引させて頂きます。 (2007年09月27日 07時36分03秒)
genjiさん
>はじめまして。劇団民藝の酒井と申します。 >来月、「白バラの祈り」の舞台版を上演致します。 >もしご興味ありましたら、ぜひお出かけ下さい。 > >http://blog.butai-butai.com/archives/51052653.html > >ブログからお申し込み頂ければ、若干ではありますが、割引させて頂きます。 ----- 情報ありがとうございます。面白そうだけど、東京なんですね‥‥‥。 (2007年09月28日 07時56分37秒)
コメント、TBありがとうございました。新しい資料の公開や取調べ官の息子などからも証言があって作られた映画だそうですね。80年代の映画も感動したのですが立派ですね。邦画でも良い映画が情けないです。
ローザや戦場のピアニスト、思い出されます。 (2008年05月12日 16時07分22秒)
ribon5235さん
>コメント、TBありがとうございました。新しい資料の公開や取調べ官の息子などからも証言があって作られた映画だそうですね。80年代の映画も感動したのですが立派ですね。邦画でも良い映画が情けないです。 > >ローザや戦場のピアニスト、思い出されます。 ----- 今回の事実を踏まえたうえで、あの問答をもう一回見ようかなという気持ちになりました。ありがとうございました。 (2008年05月12日 17時20分04秒) |
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