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2006年10月30日
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2002年3月、地域雑誌編集者で、地域環境保全家、伝記作家で散文家の森まゆみが、韓国人2人と編集者と娘を連れて韓国を10日間で一周したときの記録である。韓国一周ということでは先だっての私の旅と重なる。じっさい彼女が旅の目的地として選んだ地の幾つかは私が行った所でもある。ソウルの安重根記念館(これは8年前行った所)、木浦の共生園、大邸の沙也可の地。しかし違うのは彼女には機動力があり、通訳という会話力があり、雑誌の取材という大義名分とコネがあり、いいたかないが文章力がある。だから読んでいて大変面白い。
海はあなたの道
「海はあなたの道」森まゆみPHP出版

圧巻は大正の皇太子への爆弾投与計画事件の被告人朴烈の伴侶、金子文子の墓を訪ねて聞慶にいき、少女時代をすごしたという芙江に行ったレポートである。日本人からも、韓国人からも忘れられつつある彼女である。
金子文子は夫とともに計画に加わったとして無期懲役を宣告された後、夫とともに死にたいといって刑務所で首をくくり自殺する。夫は実は生き残り、戦後は韓国で英雄として迎えられ、朝鮮戦争の折に北朝鮮に連行され音信不通になる。現在韓国には二度目の結婚をした婦人との間に生まれた子どもたちが住んでいる。
文子の獄中で書かれた自伝「何が私をかうさせたか」(1931)の中でこう書かれてある。「天皇は私ども平民と違った人間ではありません。目が二つ、口が一つ、歩くためには足があり、働くためには手がありながら、その足で歩かず、その手を持って働かないという社会的な違いがあるだけです。」「神の意思を行うところの天皇が地上に実在しておりながら、天皇の赤子は、飢えに泣き、貧乏に窒息し、機会に挟まれ惨めに死んでいくのはなぜでしょう。それは天皇が神でもなければ仏でもなく、結局天皇に人民を護る力が無いからです。」戦後の天皇の「人間宣言」の20年前にこう言い切った彼女の「何がこうさせたのか」森まゆみは旅人の視点でそれを考えてみる。
それは例えば、家族から徹底的に阻害された生い立ちであったり、成人してからは社会から受けた仕打ち、やむことの無い向学心であったりするだろう。

たとえば、このような旅もできうるだろう。
森まゆみの文章には無駄がない。私の好きな作家である。旅レポートの手本にもなる。







最終更新日  2006年10月30日 12時59分23秒
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