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2006年11月20日
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カテゴリ:洋画(05・06)
監督 : アレクサンドル・ソクーロフ
出演 : イッセー尾形 、 ロバート・ドーソン 、 桃井かおり 、 佐野史郎

『ヒトラー最期の12日間』を観たとき、「日本国民は果たしてここまでの映画が作れるだろうか。ムリだろう。この60年間何もしてこなかったのだから。」という感想を書いた。その想いはこの『太陽』を見た後でも変わらない。イッセー尾形の鬼気迫る演技を見ても変わらない。むしろ強くなった。

ドイツの映画にあってこの作品にないもの、この作品にあってドイツの映画にないものはなんだろうか。この作品には年月日時間が示されず、常に執拗低音としての音楽がある。ドイツ作品はその反対である。

ロシア人のソクローフ監督にはこの作品を作るに当たって、何の妨害も圧力もかけられなかっただろう。よって『天皇の人間性を描く』ことには何のプレッシャーもなかっただろう。それは良し悪しだと思う。私は画面から緊張感がなくなったと思う。歴史的な事実を描こうとする必要がなくなり(年月日時間の欠如)、天皇に寄り添うような感情(音楽)のみが残った。

私は天皇の人間性を描くのはいいと思う。軍部の暴走に嫌悪感を抱き、一方で日米開戦に関与していなかったと『しゃあしゃあ』と言ってのける矛盾を描くのはいい。とてつもなく幼稚な部分と、とてつもなく知的な部分を描くのはいい。しかしそれによって出てくるのは、監督自身の『ギモン』なのだ。『結局ヒロヒトは何者だったのだろう』それを日本人のわれわれに投げ出されても困る。まずはあなたが回答を見つけてから作って欲しい。

ところで最後、皇后たる桃井かおりが侍従長を睨まずに天皇を睨む。なぜなのか。このあたりも、監督の天皇とその親族理解に疑問を感じる。

映画『太陽』をめぐる現象で非常に面白いのは、この映画に対して右翼の妨害が一切なかったことである。まるで天皇の人間宣言のときのように、この映画の出現を日本人はすんなりと受け入れた。これが天皇タブーの崩壊の始まりだとすれば、うれしい事なのだが。いつか日本人の手によって作られた『太陽』を見る日が来ることを願ってやまない。しかし、教育基本法が強行採決されるような現代は、この日が日々遠くなっているのも感じざるを得ない。






最終更新日  2006年11月20日 23時56分35秒
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あいまいな日本の私   明彦 さん
この映画が昭和天皇について明確な「回答」を打ち出していたら、
少なからざる人々から喝采を浴びたと同時に、日本では本当に公開されなかったような気もします。
昭和天皇について「無垢な平和主義者」という公式のイメージを信じている観客には、
主人公は愛すべき存在と見える。
一方昭和天皇について突っ込んだ意識を持っている人にとっては、
主人公の無責任ぶり・当事者意識のなさが印象に残る。
そしてどちらの側にから観ても、「もっとはっきり描いて欲しい」と思わせてしまう。
史実を超越した部分・天皇の「私生活」に中心を据えたことは、
そういった曖昧さ=幅の広さを出すためだと思いました。

・・・僕にはかなり痛烈な昭和天皇批判映画に見えました。
今「最重要資料文献」であるH・ビックスの『昭和天皇』(講談社学術文庫)を読んでいます。 (2006年11月21日 21時58分49秒)

Re:あいまいな日本の私(11/20)   KUMA0504 さん
明彦さん
>そしてどちらの側にから観ても、「もっとはっきり描いて欲しい」と思わせてしまう。
なるほど~。そうかもしれません。
新しい視点をくださってありがとうございます。


>・・・僕にはかなり痛烈な昭和天皇批判映画に見えました。

僕にはかなりマイラブ昭和天皇に見えました。
(2006年11月21日 23時04分24秒)

Re:『太陽』岩戸に隠れたまう(11/20)   薔薇豪城 さん
 TBありがとうございました。当事者意識(それも恐ろしい迷惑を国民及びアジアの人びとに与えた)の欠如というのは、まさにその通りですね。気がつかなかったけど、この映画は映画館上映をしていて、なおかつ右翼の妨害はなかったんですね。 (2008年08月15日 13時24分24秒)

Re[1]:『太陽』岩戸に隠れたまう(11/20)   KUMA0504 さん
薔薇豪城さん
> TBありがとうございました。当事者意識(それも恐ろしい迷惑を国民及びアジアの人びとに与えた)の欠如というのは、まさにその通りですね。気がつかなかったけど、この映画は映画館上映をしていて、なおかつ右翼の妨害はなかったんですね。
-----
なかには、そういうことをありのままに描くことで、批判的な映画になっているのだ、と言う人もいますが、音楽が常に静かに流れて、天皇を薄く擁護しているように私には思えました。全く音楽が無い「ヒトラー最期の12日間」とはえらい違いです。
(2008年08月15日 23時48分46秒)

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