再出発日記

2007/02/24(土)23:54

「長い散歩」雨に濡れ

邦画(07)(44)

監督・企画・原案 : 奥田瑛二 脚本 : 桃山さくら 、 山室有紀子 出演 : 緒形拳 、 杉浦花菜 、 高岡早紀 、 松田翔太 、 原田貴和子 、 奥田瑛二 定年まで高校の校長を務めた松太郎は、妻をアルコール依存症で亡くし、ひとり娘とも絶縁状態。家庭を顧みなかった過去の自分を後悔しながら、安アパートでひっそりと暮らし始めた松太郎は、隣室の女が幼い娘を虐待していることに気がつく。それ以来、何かと少女を気にかけていたが、ある日ついに惨状を見かね、彼女をアパートから連れ出してしまう。旅に出た二人の間に、少しずつ生まれていく絆。しかし世間は“誘拐”と見なし…。児童虐待の問題を鋭くえぐりだし、公的機関に任せたら善人で、自分でかくまい親から逃げたら誘拐犯になるのかという問題を突きつけた社会派映画である‥‥‥というような作品に下手をしたらなってしまうような作品であるが、緒方拳の久しぶりの主演映画、さすがの演技で、社会派の作品であることを回避している。 惜しむらくは奥田瑛二が最終近く、緒方拳の心情を、そしてこの映画のテーマを代弁してしまった。あれがなければ、かなりいい点を上げたのに、と思う。 松田翔太の演技を初めて見た。松田優作のDNAなのか、それとも、父親と母親の背中を見て育ってきた成果なのか、演技としてはまだ未熟なのだが、いい表情をする。いい役者になるかもしれない。 原田貴和子を久しぶりに見た。妹とは違う意味で、成熟したいい女になっていた。高岡早紀のあばずれ女ははまり役。この作品、なかなかいい役者の使い方をしている。 自分の原案を二人の女性の脚本家に任せて監督をする。なかなか人を育てようとする堂の入った監督である。 最後の「傘がない」を歌ったUAの歌声はすでに今年の主題歌賞をとってもいいほど、ぴったりだった。井上陽水よりもやはり、彼女の歌声のほうがぴったり来る。ここにこの映画のテーマのすべてがある。 傘がない  作詞、作曲/井上陽水 都会では自殺する若者が増えている 今朝来た新聞の片隅に書いていた だけども問題は今日の雨  傘がない   行かなくちゃ  君に逢いに行かなくちゃ   君の街に行かなくちゃ  雨にぬれ     つめたい雨が今日は心に浸みる     君の事以外は考えられなくなる     それはいい事だろ?   行かなくちゃ  君に逢いに行かなくちゃ   君の街に行かなくちゃ  雨にぬれ   行かなくちゃ  君に逢いに行かなくちゃ   君の家(うち)に行かなくちゃ  雨の中を   行かなくちゃ  君に逢いに行かなくちゃ   雨に濡れて行かなくちゃ  傘がない

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る