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カテゴリ:邦画(07)
今日は月一回のお話シネマの日です。岡山市のとあるビルの談話室で今日は六名ばかしが一時の映画談義。今月の課題作品は「バッテリー」「ヘンダーソン夫人の贈り物」、それと「蟻の兵隊」です。
「蟻の兵隊」の話のとき、首都圏では連日満員が続いた。このことについて、メンバーのご老体の方がこのようにしゃべりだした。 「映画の出来もいいけど、やはり今の時代が反映しているのだと思う。どんどんきな臭くなっていく今の時代に対する危機感があるのではないか。」「もちろんこのような映画に行くのは全体の中からいえば本の一部なんだけどね。」 ここから話は自然と今日の選挙のことに移っていく。決して私が話を振ったわけではありません。 「今の若い人たちが選挙を棄権するということがわしにはわからん。」「選挙ですぐには政治は変わらん。自分の生きているときは無理かもしれん。けれども、子供や孫のことを考えたら、いま選挙に行かないでどうする?」 この方は約10年前に食品会社の部長を定年退職した人。たぶんどの組織にも、労組活動にもたずさわったことは無いと思う。しかし、危機意識はもしかしたら私よりも強いのかもしれない。「蟻の兵隊」は兵隊のなかでも最下層の一兵卒だった人たちの恨みと悔恨とプライドを賭けた闘いの話である。「軍隊に入るとまず一番に何を徹底的に叩き込まれるかといえば、上官の命令には絶対服従。これなんだ。上官が殺せといったら平民でも何でも殺す。考えることなんかしてはいけない。そうしないと戦争が出来ない。それが戦争なんだ。だからこそ、私たちは二度と戦争はしてはいけない、と思っている。」この方はそんな一兵卒の人たちと最も近いところにいた。 「今度の選挙が終わったら、日本はがらりと変わるだろう。大きな曲がり角を曲がってしまう。参議院選挙で自民党が勝つようなことがあれば、もういろんなことがどんどん決まってしまう。」私は何も云う事ができなかった。私たちがそんなことはさせません、なんて到底いえるはずも無かった。 次の課題作品は「クィーン」「善き人のためのソナタ」「バベル」です。でも今月はそれ以外にも見たい作品が多すぎる。「ブラックブック」「ユメ十夜」「みえない雲」「神童」「パリ、ジュテーム」「ブラッドダイヤモンド」「東京タワー」「スパイダーマン3」。果たしてどれほど見ることが出来るか。 映画談義は会が終わったあとも、場所を中華料理屋に移して延々と続く。お開きにしようとした8時20分、携帯のニュースメールが届く。「速報。石原慎太郎、三選確実に。」若いメンバーの一人は「当たり前だ。民主党が態度を決めるのが遅すぎた。」と吐き捨てた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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ありがとうございました。
これをご縁によろしくお願いいたします。 (2007年04月09日 09時00分08秒)
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