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再出発日記

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2007年11月26日
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カテゴリ:アジア映画(07)
「日本の次は中国だ。我々は喰われ、倒され、潰される。」

やっと名作の誉れ高いこの作品を見ることが出来た。レンタルには出ていなかったのです。現在シネマクレールでフランス映画社の傑作選をしていて、この映画はその二作目。

1945.8.15日本敗戦台湾開放から1947.2.27の戒厳令発布を経て1949の蒋介石国民党政府が台湾にやってくるまでの四年間、台湾郊外の林一家の3人の兄弟の運命を描く。

製作: 1989年 台湾
監督: ホウ・シャオシエン侯孝賢
出演: トニー・レオン / シン・シューフェン / リー・ティエンルー / チェン・ソンヨン / ウー・イーファン / カオ・ジエ / 中村育代

04年秋に、この映画の舞台になった九分地方に続くという平渓線に乗ったことがある。台湾旅行に行って1日フリー行動だったので、一日で帰ってこれる電車の旅を選んだのである。そのときのエピソードはここに書いている。その写真にも出てくる山間を抜ける電車が映画にも少し出てくる。映画のロケ地は行けば1日仕事になるので行かなかったが、私が行ったときにもまだ映画の雰囲気の面影を残していた。(台湾旅行の写真はこの前PCが壊れたときに消滅した。惜しい。)

台湾の「本省人」たる林文清(トニー・レオン)、許、その友人の記者たちと、大陸から来た「外省人」の対立は、そのままこの片田舎にもやってくる。古くから商家を営んでいる林一家は政治とはかかわっていないが、戦後の波に翻弄される。

台湾ではやっと87年に戒厳令が解除され、その二年後、89年にこの映画が完成したという。はたして2.27事件などはそのまま公開されるのだろうか、危ぶまれたらしいがヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞したこともあり、ノーカットで公開された。という。映画では、本省人が簡単な裁判で殺されていく様子、外省人が本省人のリンチにあう様子、許や文清への弾圧、そして兄弟の悲しい運命を、中国映画得意の歴史的な視点で持って見つめる。冒頭のセリフは林兄弟長男の文雄が吐き捨てるように言う言葉である。そのまま本省人たちの本音だろう。

日本は51年間台湾を統治してきた。ただ、朝鮮と大きく違うのは、台湾人と日本人との個人的な付き合いはその後も綿々と続いたということだ。学校の教師だった静子と寛美(本省人、文清ののちの妻)はずっと文通を続ける。本省人と外省人が徹底的に憎みあっていないのも歴史が証明している。反対に言えば、長い間常に外からの統治にさらされてきて、そして交わってきた台湾人の知恵でもあるのだろう。私の旅行記でも、別のところでそのことは書いている。静子たちが去っていくときに台湾人の生徒たちのために教室で赤とんぼの歌を歌う。そのシーンが多くのことを語っているだろう。

台湾の独自の風土も描かれる。山岳地帯で、湿度も高いけれども、冬には長袖が必要なのである。春雷という言葉もあり、日本とは違うだろうが、四季もある。

何度も同じ角度から同じ場所が移される。このあたりは明確に小津の影響。そうやって季節の推移と時代の変化を見事に見せる。2時間40分。一度たりとも眠くはならなかった。





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最終更新日  2007年11月26日 23時40分05秒
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