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再出発日記

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2007年12月17日
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「ダックコール」(ハヤカワ文庫 稲見一良)
野鳥と猟に関する小説の短編集である。第四回山本周五郎賞受賞作。

この中のとくに「密猟志願」を読みながら夢想に耽った。

映画になればいいと思った。

経理畑一筋、不正とは全く無縁の世界で生きてきた初老の男がいる。ガンで余命半年といわれながら二度の手術に耐え、余生を送っているときに「密猟」に魅了される。男らしさ、五感のすべてを使う仕事、獲る、奪う、そして盗むという毒の「こ惑」!!彼は仕事を辞めていたので、金と時間は有り余るほどあったが、川べりで猟をするという技術はなかった。
そんなとき、まるで男が夢見た理想の姿を具現化したような少年に出会う。男は少年から密猟の技術を学ぶ。
男と少年の奇妙な友情。
やがて二人は、一世一代、痛快な「密猟」を思いつく‥‥‥。

男は緒方拳が演じてほしい。
少年はだれも見たことがない、戦後ガードレール下でたくましく生きていたような子供を発掘してほしい。
ほかの登場人物では、密猟の舞台の強欲な地主に往年の悪役スターを。
男と少年の理解者で、老人施設の老女に岸恵子。
舞台はできたら、作者も住んでいたという花見川オールロケ。
きちんと監修者を配置して、猟の描写と美味しそうなカモ料理はリアルに。
最後の大密猟は空撮も駆使しながら思いきりスリリングに撮る。
男と少年と老女の勝利のディナーは桜の舞う川べりを選ぶ。

ラストは原作とは少し変える。

原作でも少年の住んでいる家は明かされていない。いつもローラースケートでトラックなどの後ろにくっつき、隣町から来ていたという。大密猟の後いっこうに現れない少年に業をいやし、男は少年が一言漏らした言葉を頼りに隣町に行ってみる。その家は廃屋になっていて、家族は海難事故で全員死んだということが分かる。少年は二度と現れることはなかった。男はつうに去られてしまった「夕鶴」の与ひょうのように嘆き悲しむ。
そのご、病院の検査結果で男にガン再発の知らせがやってくる。胸の癌の影だといわれる画像を見て、男はニヤリと呟く。
  見つけた」
そこには、最初の猟の時に取り逃がしたカモの姿があった。





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最終更新日  2007年12月17日 22時45分05秒
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