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カテゴリ:労働
9月に千葉に行ったときに、NPO法人自立生活サポートセンターもやい事務局長/反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠さんの話を聞く機会がありました。ずいぶんと遅くなりましたが、その講演の内容と若干の感想を書きたいと思います。
話の大半すでに湯浅氏の著書「反貧困」の紹介のときに述べられていることとダブるので、そこと重ならないところをできるだけ書きたいと思います。 今「もやい」では、様々な人からメール等がやってくる。昔とは違い、今は高齢者、若い人、家族持ち多種多様です。この「もやい」の存在を知って連絡してくる人はまだいい。普通の人は知らない。連絡してきた人も、そもそも困ったら役所に行くということを思わない。110番、119番の電話番号の意味は知っている。でも食って行けなくなったときにどうすればいいのか、誰も知らないのだ。(韓国では希望の電話129番というのが広く知られている)わたしたちのことを知っている人はラッキーである。ラッキーじゃないと生き残れない社会とは何なんだ。 社会保障がしっかりしていないと労働の質は保たれない。おれたちは生活に困っている。けれども、おれたちは労働の質の安売りはしない。社会保障と賃金のバランスは議論しなくてはならない。フランスは低コスト生活ができるから、すべてフラット型(年功序列型ではない)である。日本は中コスト生活をめざしながら、なだらかな賃金カーブを描くのがいいのではないか。 写真を見てもらいたい。(私の汚い字のメモがあるけれどもそれは無視してください。) 黒い太い横線は貧困ラインである。昔の日本はまる型だった。中間層に分厚かった。今の日本は縦長のだ円形です。貧困層は154万と拡大し、中間層は先細りし、富裕層は非常に増えた。年収1憶円以上の層はなんと150万人。やがては、中間層がさらに細っていき、アメリカのようなひょうたん型になるだろう。これでいいのか! 反貧困ネットワークのシンボルは「ヒンキー」という。あれはオタマジャクシじゃないですよ。あれは幽霊なんです。つまり見えにくい、世の中が関心持たないと大きくなる。関心を持つと、安心して成仏するんです。 いま全国を回って「反貧困全国2008キャラバン」をしています。10月19日(日)に東京明治公園でゴール地点で大集会をします。ぜひ皆さん来てください! この人がいなかったならば、この急激に増大した貧困層のどのくらいの人が路頭に迷ったままでいたのだろうか。 この人がいなかったならば、ネットカフェ難民の発見はずいぶんと遅れていただろう。 この人がいなかったならば、この幅広い反貧困の連帯は実現していただろうか。 実に実践的なところから議論が始まるので、非常に説得力がある。 それと同時に、将来展望についても明確なビジョンがある。 つまりこのような人を「思想家」というのだろうと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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