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2008年12月11日
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韓国大統領の李明博(ィ・ミョンパク)が95年に書いた自伝が文庫新装版で出た。95年だからまだ大統領候補のだの字もない。しかし、現代建設会長の座を退き、政界に打って出たところで終わっている。


李明博自伝
大変面白かった。彼は典型的なモーレツ社員であり、そして成功者である。しかし一方で、苦学生で苦労人であり、この自伝を見る限りでは清廉潔白な人間のように思える。このこの自伝はこの10年以上のベストセラーらしい。いわゆる韓国のビジネスマンたちがどういう人間を目標にしているのかがある程度分かる。

李明博は大統領候補やソウル市長になる前から実はすでに「神話の人」になっていたらしい。1960年代後半に現代に入社して以降、20代で理事(取締役)、30代で社長、40代で会長を経て来ていたのである。このころすでに「野望の歳月」「火の鳥」と彼を主人公にしたドラマが二つも作られていたらしい。(粗筋を見ると恋愛ドラマなので見るつもりはない。)最近の「英雄時代」は李明博の上司である鄭会長とサムスングループ会長とのドラマであるが、李明博も後半には出てくるらしい。(これはいつか見てみたい)韓国では、大企業の社長とかが「英雄」とか羨望の的になる。日本とはかなり違う。日本では決してお手洗じゃなかった御手洗冨士夫がドラマの主人公になるということはない。(しかし、この人ホントドラマチックな事を言いますよね。自分の会社が派遣を首切りしておいて「あれは派遣会社が首を切るのであってうちがやったのじゃない」んだって。)

閑話休題。
たしか、私の小学校6年のときのクリスマスプレゼントは「田中角栄自伝」だった。もちろん母親は大真面目である。そういう時代だった。そこでも苦学をしていたというエピソードが語られる。しかし、李明博は正真正銘の苦学であった。毎日働きながら、生活費を稼ぎながら、夜間高校に通い、(学年トップの間だけ学費免除があるので通学を許され、その間ずっとトップだった)、同じように綱渡りをしながら大学に入学をする。そして大学で韓日国交正常化反対の学生運動にのめりこみ、政府から指名手配されて監獄に入れられる。全く田中角栄よりもよっぽどドラマチックではある。

監獄では彼は友人を決して売らず、黙秘を貫いたと書いている。
しかし、学生たちは決して日韓友好条約を資本独裁による生活防衛のための闘争として戦ったわけではない。というのは(李明博はそう書いていないが)すぐに分かることではある。「軍事政権が韓日国交正常化を現実的な必要で捕らえたのに対し、学生と大多数の国民はこの問題を民族史の悠久の流れの上で捉えた」と書いているように、あくまで民族問題だったのである。

しかしここまで学生運動をしている政界人は、日本政府にはいない。(良くも)悪くも、日本の政界人はお坊ちゃまばかりだ。
あとはビジネスマンたちの教訓的な話が延々と語られる。それが国家的プロジェクト共に、李明博の出世驀進談と共に、語られるのだから、韓国の人たちは大変面白かっただろうと思う。しかし、

「ところで、一生懸命仕事をしなければならない理由はなんだろうか。私にとってその理由は、生まれたこの地、韓国という国にあると思っている。
 この地に生まれたということは、一生懸命働かなければならない運命を背負って生まれたという意味だ。お金持ちの両親から生まれた子供と、貧しい両親から生まれた子供の違いと同じである。先進国で生まれた人は、一生懸命働かなくても、寝食に困るということはなく、病気になる治療してもらえる。しかし私たちが生まれ、暮らしているこの地は先進国ではない。韓国は山河が美しい錦秋山とはいうけれど、資源もなく、国土も広くない。その上南北に分断されている。寝る間を惜しんで働かなくてはならない理由がここにある。」


日本も勤勉の国ではあるが、韓国は輪をかけて(良くも)悪くも、勤勉な国である。そのひとつの理由がここにあるのだろうと思う。何しろいまや大統領の意見ですしね。この意見を書いたとき、すでに彼は国会議員ではあった。だとすれば「お金持ちの両親から生まれた子供と、貧しい両親から生まれた子供の違いと同じである。」といってはいけない、と日本人の私は感じてしまう。

一日18時間365日働いたことをさも当然のように強調する大統領の元で私は暮らしたくはない。

ところで、決定です。来年1月2日から6日、釜山からソウルにかけて韓国ぶらぶら旅をしてきます。南羅道の青銅器鉄器時代の遺跡を巡りたいのと、ソウルの隠れたスポットを回りたいと思っています。ハンギョレの社屋にはぜひいきたい。どなたか、取って置きのスポットを教えてくれませんか。






最終更新日  2008年12月11日 20時15分50秒
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