再出発日記

2009/09/10(木)01:33

がんばれ!キャバ壌

労働(82)

今日の「マガジン九条」の雨宮処凛ちゃんの「フリーター労組のキャバクラ争議」には少し感動した。 今回一人立ち上がったキャバクラ嬢の店では、「深夜残業代の未払いや、遅刻や欠勤に対する高額な罰金。なんと当日欠勤で5万円とか」という問題があったらしい。 ご存じのように「第二十八条  勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。 」と憲法に書いているように、労働組合が団体交渉を申し込んだら、経営者はいかなることがあろうとも断ることはできない。ところが、このセクハラ店長、「店側は誠実な対応をしなかったという。よって、フリーター労組は労働委員会に不当労働行為の救済申し立てをし、その日の夜、団体交渉申入書を携えてみんなでキャバクラに向かったのだ。 」ということらしい。 お店に堂々と突入。お客さんとキャバ嬢が盛り上がるきらびやかな店に、突然場違いな貧乏人集団が乱入し、組合の若者が「団体交渉申入書」を読み上げる。騒然とする店内。ビビるセクハラ店長。そして当事者の女の子は突然店の真ん中に走っていったかと思うと、「セクハラするな!」「給料払え!」と大演説をブチかまし始めた。その姿は、異様にカッコよかった。なんだか泣きそうになった。セクハラ加害者の店長がいる前で、そして同僚の女の子やお客さんがいる中で彼女が全身で怒りを表明する姿は何か神々しくて、だけど、どれほど勇気がいることだろう、と思った。  さて、感動ばかりはしていられない。私も店の奥まで入っていってキャバ嬢やお客さんたちにことの経緯が書かれたビラを配る。ちなみにこの日はセクハラ店長の誕生日。フリーター労組のX氏はなんと「バースデーケーキ」を持参。突然店の中でケーキの箱を開けたかと思ったら、ろうそくを立てて火をつける。そして組合員全員で唐突に「ハッピーバースデー」の大合唱! 突然の展開に、店の酔っぱらいたちもワケのわからないまま全員で歌い始める。キャバクラに轟く「ハッピーバースデー」。そうして歌い終えた瞬間、フリーター労組はケーキとともに団体交渉申入書を突きつけ、退散したのだった。 さて、この団体交渉は始まれば、キャパ嬢には十分な勝算がある。処凛ちゃんによれば、「この「罰金」というのは、労働基準法によってその上限が決められているのだという。上限は日給の50%。月給の10%。しかも罰金を取るのであればそのことはちゃんと就業規則に明記しておかなければならず、その就業規則もちゃんと監督署とかに届けておかなくてはいけないという。全国に一体どれほどのキャバクラがあるのか見当もつかないが、私は「就業規則のあるキャバクラ」など見たことも聞いたこともない。」おそらくひとりキャパ嬢の勝利は全国のキャバクラに波及する可能性はある。おそらくキャバ壌の罰金金額は大きく引き下げられるだろう。(彼女の場合は交渉の過程で、今まで払った罰金は全額返ってくるだろうし、残業分も返ってくるだろう)噂は燎原の火のように広まるだろうから、一言言い返すだけでその店の罰金規定や、労働諸条件は劇的に変わる可能性はある。けれども、敵もさる者かってに「労働者の代表」をでっち上げて就業規則を作るだろうから、きちんと言わないと今までの違法だった金は返ってこない可能性もある。(どんな悪徳業者でも労基法以上のひどい労働条件は書けないから、就業規則がもしできればそれだけで労働環境は変わるだろうが)一番いいのは、コンビニ店長のユニオンが立ち上がったように、全国的なキャバ壌ユニオンが立ち上がることなのだが。 がんばれ、キャパ嬢! 一人からでも立ち上がれ! けれども一人では闘えない。

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