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カテゴリ:邦画(09~)
監督:市川準 製作総指揮:増田宗昭 / 寺尾和明 プロデューサー:塚本俊雄 / 里中哲夫 脚本:市川準 / 鈴木秀幸 / 森川幸治 撮影:小林達比古 音楽:清水一登 美術:間野重雄 編集:渡辺行夫 録音:橋本泰夫 である。 間野重雄は1950年代から数々の名作をものにしているベテランの美術監督であった。セットによって、トキワ荘を完璧に再現しているだけでなく、ひとつひとつの彼らの部屋が全て彼らの世界観を表していた。たとえば、きちんとした寺田ヒロオの部屋、漫画を書く以外はなんにもない藤子不二雄の部屋、雑然とした石森章太郎と赤塚不二夫の相部屋などである。 96年作品。DVDを見た。ロケ地協力は大蔵省関東財務局立川出張所などが選ばれていた。 「新しい雑誌がどんどん出ているんだ。それにあわせて描かないと」という石森章太郎(さとうこうじ)と「売れる漫画がいい漫画とは限らないよ」という寺田ヒロオ(本木雅弘)。 藤子不二雄(鈴木卓爾、阿部サダオ)や石森章太郎、赤塚不二夫(大森嘉之)、つのだじろう(翁華栄)水野英子(松梨智子)などの成功組、 鈴木伸一(生瀬勝久)などアニメ畑に行った人、 寺田ヒロオや安森直哉(古川新太)のように時代から取り残された漫画家たち、 この人たちが、少年週刊誌が始まる直前の昭和30年初め、奇跡のように一つの文化アパートにね仲良く、未来を夢見ながら、そして貧しく、暮らしていた。 晩年の寺田ヒロオはひきこもりのようになって、この映画の完成した数年後、さびしく死んでいったらしい。 健全な少年スポーツ漫画を目指した寺田ヒロオのまっすぐなそして量産を拒否する線は、生き残る道は本当になかったのか。安森直哉の漫画を見た人は少ないかもしれない。彼は岡山市の城のすぐ近くの商店に生まれ、一度岡山市で作品展が開かれたときにその作品集を買った。うまへたの絵かもしれない。けれども非常に独特な抒情的な絵であった。 この映画は上映当時、話に起伏がない、セリフが聞き取りにくい、などでかならずしもいい評価を得られなかったと思う。けれども、昭和30年代、それはまさしく「日本人の生活」の大転換の時代。何かを忘れてきたのかもしれない。そんなことを感じさせる映画であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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寺田ヒロオさんの「スポーツマン金太郎」が好きでした。寺田ヒロオさんの考え方に賛同しますね!
(2010年02月06日 11時56分11秒)
ジャイアント浜田さん
>寺田ヒロオさんの「スポーツマン金太郎」が好きでした。寺田ヒロオさんの考え方に賛同しますね! ----- キッチリとした絵を書く人でしたね。リアルタイムでは観ていませんが、残念でした。 (2010年02月07日 00時33分38秒) |
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