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カテゴリ:洋画(09~)
丁寧に作っているところと矛盾いっぱいの部分と、不思議な脚本だ。
監督・脚本 : ウェイ・ダーション 出演 : ファン・イーチェン 、 田中千絵 、 中孝介 、 シノ・リン 、 レイチェル・リャン 最初のほう少しもたつくが、しだいとこの寄せ集めのバンドは、漢民族、先住民族、そして日本人と台湾の抱える「支配と融和」の問題自体の象徴なんだなあ、と分かり始める。 04年に台湾旅行をした。その時の感想はこことここに書いているが、日本語の通じ具合について、このように書いている。 「台北駅から一時閑弱で行ける田舎に行ってきました。日本統治時代、金鉱が出たため栄えた鉄道の線で、今は岡山県の芸備線よりも寂れています。そこの場末の駅にある店はなんとなく懐かしい感じがしました。アイスキャンデーを買おうとしてまごまごしていたら、おばあちゃんが「あんた日本人ね」と正確な日本語で聞いてきました。田舎に行っても、簡単な日本語なら、お年寄りになるほど通じるというのは本当なんだ、感動しました。この体験は一度や2度ではありません。駅のきっぷ切りのお爺さん。町の朝食屋のおばあさん。隣にいる若者は日本語は解さないのに、彼らには通じるのです。もちろん日本統治時代の日本語教育の結果ではあるのですが、彼らの話してくる態度にほんのかけらも日本に対する敵対心は無かったのです。同じく戦前日本語教育を徹底していた韓国ではついにこういう事は無かった。また、台湾の看板に時々思いだしたように日本語が付いてるのです。まるで日本における英語みたいな感覚です。台湾の中に抗日戦線があったのは事実ですし、それを顕彰する施設もあります。しかし、日本軍の残酷さを告発する施設はみつける事が出来ませんでした。」 この映画でも、月琴を奏でるおじいさんが片言で友子に話しかける場面があります。あの距離感が、台湾と日本の距離感なのだという気がします。 日本人女優田中千絵が痛々しいほど頑張っている。ドキッとする表情をすることもあれば、いらいらとした気持ちを単に叫ぶだけじゃあだめだよ、と言いたくなる時もある。 この映画が台湾史上no.1の興行収入を得たからと言って作品の質がNO.1ではないというのはよくある話ではある。私にとっては「 悲情城市」 がやっぱり一番。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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