再出発日記

2010/08/29(日)08:59

アイドル映画の未来「ハナミズキ」

邦画(09~)(121)

予告編を見れば、だいたいのあらすじは分かる。高校時代に知り合った二人は、女の子の方は東京の大学から社会人になって、NYに行く。男は北海道の漁師をずっと続ける。女は誠実そうな男からプロポーズされる。それでも、2人は10年来の愛をはぐくみ最後には結婚をする。 {監督]土井裕泰 [出演]新垣結衣、生田斗真、蓮佛美沙子、ARATA、木村祐一、松重豊、向井理、薬師丸ひろ子 ほか あまりにも定番のアイドル映画である。それでも見たのは、「万が一」ということを考えたからである。つい最近60年代の「泥だらけの純情」という邦画を見た。そこには街のチンピラと令嬢の恋という「身分違いの恋の悲劇」の所謂定番の悲劇物語があるのだが、なんと面白いのである。定番の喧嘩、反対、あきらめ、そして恋の道行き、というストーリーの中に、印象的な台詞、粋な小道具の使い方がちりばめられている。当然吉永小百合の存在感のある一途な幼い顔も魅力のひとつであるが、それだけで見せる映画ではなかったのだ。一昨日韓国映画の『ヒマワリ』という映画をひかりTVで見た。刑務所から出所したチンピラは引き取り先の町の食堂のおばさんの家に住みながら更生を誓う。ところが、昔の知り合いは更なるやくざになっていて、おばさんは死に、その娘は大怪我をする。男は怒りを爆発させてやくざを皆殺しにして、自らも死ぬ。定番である。ところが、感情を揺さぶられるのだ。手帳、数学の問題、カメラそのたいくつか、これでもかというくらい粋な小道具が出てくる。日本では韓流の縮小時期に公開されたために話題にならなかったが、見事なチンピラ映画だった。そのようなことが、映画には時々ありえる。 どれだけ印象的な台詞を用意できるか。 どれだけ印象的な小道具を用意できるか。 アイドル新垣結衣の役者としての可能性。 その三つが成功したならば、合格点をあげよう、そしてそのような合格点の邦画がそろそろ出現しないと、TVドラマの焼き直しの脚本とアニメ映画と弱小プロの縮小公開映画だけでやってきている邦画に未来は無い、と思うからである。 かなり前置きが長くなった。前置きが長くなるときは結論部分はいつも短いのが私の文章の特徴です。 結論的にはどうしようもない映画でした。印象的な台詞はとりあえずひとつも無い。ストーリー自体に山が無い。まさか、二人の心理をじっくり見せる映画ならばそれでもいいが、そういうわけでは決して無い。結果、印象的な台詞など生まれようも無い。小道具は結局あの船の模型ひとつだという芸の無さ。このストーリーでガッキーに印象的な演技をさせろ、というのは可哀想な気もするが、宮崎あおいはそんな映画のときでも精一杯感情を表現できていた。新垣にそんな細かい感情表現は無い。早くどこかのお嫁さんになったほうがいい。

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