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カテゴリ:読書(09~フィクション)
「ちょんまげぷりん2」小学館文庫 荒木源 映画の「ちょんまげぷりん」がおもしろかった、ということは既に書いたが、その原作が文庫版で出ているだけでなく、なんと続編まで「書き下ろし」で文庫で出たいることが分かった。映画で「1」のほうは大体分かるので、「2」のほうだけ買うことにした。 あらすじ(「BOOK」データベースより) 木島安兵衛が江戸に帰って八年が過ぎ、遊佐友也は十四歳になっていた。コンビニエンス・ストアで万引きをした後、家に帰らず逃げ続けていた友也だったが、深夜、巨大な水たまり状の穴の中に吸い込まれ、百八十年前の江戸時代にタイム・スリップしてしまう。ちょうど、この世界では、安兵衛が菓子屋を営んでいるはず─。そう思って、安兵衛を探し続ける友也だったが、菓子屋「時翔庵」はつぶれており、安兵衛もなぜか消息を絶っていた。失意の底にいる友也だったが、追い打ちをかけるように周囲の人たちから、くせ者として追われる身となるが─。 「2」から読むという買い方はふつう邪道なのだろうが、今回は良かったと思う。おそらく原作よりも映画のほうが出来がいいという好例だ。この作者には映画にあったような、タイムスリップで時代のちがう者がきたらどこがどう変わるかという、「緊張感」がない。友也がずっとため口なのは、思考が足りないせいかと思いきや、大人顔負けの思慮深さを発揮する。そういう細かいところがいい加減なのである。よって、ひとつの大嘘をデティールが支えきれていない。 まあ、あの続きがどうなるか、ちょっとの間だけ愉しむ時間をくれたということだけである。解説氏は「続きが楽しみだ」というようなおべんちゃらを書いている。この解説も中身がないということでは、いい好例である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年10月21日 09時26分46秒
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