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2010年12月19日
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「夢一途」吉永小百合 集英社文庫
1988年までの吉永小百合の自伝です。韓国旅行のフェリーに乗る前、下関駅の古本屋で旅の慰みに買った本です。読んでみてびっくり。吉永小百合の生の声が詰まっているということでも貴重なのですが、それがそのまま戦後映画史となっているという意味でも非常に貴重だと感じました。

なにしろ、彼女は1959年「朝を呼ぶ口笛」(生駒千里)でデビュー、88年の「つる」(市川崑)までに100本の映画に、多くは主演で出演したまさにクゥィーンオブジャパンムービーなのです。1961年にはなんと16本の映画に出ているし、62年には10本だけど、その中には「さようならの季節」「キューポラのある街」「若い人」63年には11本「青い山脈」「いつでも夢を」「泥だらけの純情」「伊豆の踊り子」「光る海」などの代表作を作っているのである。「いつでも夢を」では日本レコード大賞を受賞し、そのあと68年には全国リサイタルを22ヶ所で開催している。

だから彼女が身体と精神の過労で病気になるのは時間の問題だったのだろう。71年声が出なくなる。そして岡本氏と結婚、73年から一年間の休養をしている。

その間は、女としての素材だけで輝いていた彼女が自分の意思として輝いたらどうしたらいいのかを模索していた時期であったようです。

この頃から一つ一つの映画に対して彼女なりの「演技プラン」を立てるようになる。自ら工夫するにせよ、監督の言いなりになるにせよ、自立した女優になっていく。その中で、大女優になったかどうかは、私は判断がつかない。ただ、吉永小百合にしか出来ない役というものを、彼女は少しづつ掴んでいったようだ。

彼女が大きく筆を割いている映画は以下の通りである。
1975「青春の門」(浦山桐朗)
1978「皇帝のいない八月」(山本薩夫)
1980「動乱」(森谷司郎)
1982「海峡」(森谷司郎)
1983「細雪」(市川崑)
1984「天国の駅」(出目昌伸)
  「おはん」(市川崑)
1985「夢千代日記」(浦山桐郎)
1987「映画女優」(市川崑)
1988「つる」(市川崑)

「映画女優」では田中絹代の一代記を吉永小百合が演じた。この映画で市川監督は「けものの匂いのする女」として田中絹代を描こうとしたようだ。しかし、吉永小百合は「そんなすごいものは、実際の田中絹代さんの気魄の向こう側にしか存在していません。せめての努力しか、私にはありません。私の中のありったけの気魄をこめてこの役にぶつかっていきました」と控えめに書いている(実際の映画を書いていないので判断できません)。そしてこの映画を撮るまで「原節子さんの道を選ぶか、田中絹代さんのような生き方をすべきなのかと、絶えず迷っていました」と告白している。しかし、彼女は「映画女優」の道を選んだ。ただし、「私は田中さんのように壮絶にいは生きられないけれど……。けものの匂いは漂いそうに無いけれど……」とも書いている。このときにおそらく彼女は、自分の立ち居地を定めたのだろうと思う。だから、吉永小百合はこれからも決して田中絹代のように自らの歯を抜き、老婆になるような汚れ役はしないだろう。彼女はいつまでもお嬢さんの役か、お母さんの役で終わるだろう。

それでも吉永小百合の果たしてきた役割は限りなく大きいと私は思う。






最終更新日  2010年12月19日 10時43分22秒
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