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2010年12月21日
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カテゴリ:洋画(09~)
こんな風な作劇は好きです。虚実を織り交ぜてエンタメに徹して、いい男といい女が出て、最後は
「こうして彼は伝説になった」
という風に締めると言う作り方、好きです。
01ロビンフッド.jpg
監督 リドリー・スコット
出演 ラッセル・クロウ (Robin Longstride)
ケイト・ブランシェット (Marion Loxley)
ウィリアム・ハート (William Marshal)
マーク・ストロング (Godfrey)
マーク・アディ (Friar Tuck)

(以下完全ネタバレです。お気をつけください)


途中、八割がたまではこれは史実を基にした物語かと思って見てしまう。良く分からないけど、時代考証的に凝っているなあと思わせるイギリス十字軍のフランス領侵略、ノッティンガム領の村の造り、ロンドンテームズ川の風景。一方で、時代考証をしすぎたためなのか、ロビンフッドは弓の名手のはずなのに、少しリーダー的素質のある弓手に過ぎなくて、逃げるゴトフリーを射るけど失敗してしまう。

しかし、このあたりが監督と脚本家の仕掛けた巧妙な罠だったと今は分かる。話が進むにつれ、ロビンフッドは実はイギリス全土を巻き込んだ自由思想家の息子だと知らされる。のちにロビンフッドの口から語られる「自由憲章」の中身は明らかに、ルソーの社会契約論のそれだし、アメリカの憲法を髣髴させるのである。12世紀のイギリスにそんな思想運動があったとは、私は知らない。そんなふうに疑っていると、なんと愚王のジョンは、イギリス諸侯をまとめるためとはいえ、その「自由憲章」を認めるというのである。-おかしい……初めてそう思うようになった。

そのあとはスペクタル場面、フランス軍の海岸上陸の仕方はほとんど第二次世界大戦の海兵隊の上陸の仕方だ。あんな上陸艇、12世紀にはおそらく無いのではないか。雨のような弓で射殺される描写はほとんど「プライベートライアン」である。ロビン率いるイギリス軍は卑劣な内乱工作を使ったフランス王の裏を取り、圧倒的な団結力でスカッと勝利する。その前後でロビンは神がかり的な弓の腕前を二回見せるのだ。

「自由憲章」はジョン王の裏切りであっけなく闇に葬られ、そしてお尋ね者(アウトロー)になったロビンはそこから初めて「伝説」を始めるのである。終わり。こういう終わり方は好きです。この巧妙に張り巡らされた「嘘」が終盤になってわかって、その「映画的嘘」を分かったことがなんとも心地よい、というのがやっぱりエンタメの醍醐味ではないだろうか。今年のハリウッド映画に関して言えば、この映画がベストワンです。

無骨だけれども賢く、行動の人をラッセルクロウが見事に演じ、情熱と男勝りと色気を渾然一体とさせたマリアンをケイトブランシェットが演じ、見事だった。ロビンが感情を表に出さない分、マリアンの感情がひしひしと伝わり、それがロビンの行動となってドラマを創っていくというのが上手くできていた。ケイトは主演女優賞ものの演技だったと思う。






最終更新日  2010年12月21日 07時53分29秒
コメント(4) | コメントを書く


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Re:「ロビンフッド」映画的嘘が心地よい(12/21)   のりまきターボ さん
いい男といい女が出てくる作品はいいですね。事実と違っても、綺麗な人の出てる映画に食指が動きます。
品や義が底辺に流れている藤沢周平作品も、原作中にうなじの白さや臀部の張りを上手に表現し、いい女が出てくる。人気の秘密は案外こんなところにあるのかも?僕はそれに惹かれます。
最近洋画をほとんど観なくなりましたが、今年のベストですか。 (2010年12月21日 09時48分25秒)

Re:「ロビンフッド」映画的嘘が心地よい(12/21)   Mドングリ さん
リドリー・スコットの新作ということで、ぜひ観たいのですが・・・・
残念ながら我が町から映画館が消滅して久しいのです。
以前は4館もあったのに、今はゼロで・・・・
どうしてもとあれば県庁所在地(高知)か、宇和島まで出かけることになり・・・悩んでいます。
(2010年12月21日 11時03分58秒)

Re[1]:「ロビンフッド」映画的嘘が心地よい(12/21)   KUMA0504 さん
のりまきターボさん
>いい男といい女が出てくる作品はいいですね。事実と違っても、綺麗な人の出てる映画に食指が動きます。
>品や義が底辺に流れている藤沢周平作品も、原作中にうなじの白さや臀部の張りを上手に表現し、いい女が出てくる。人気の秘密は案外こんなところにあるのかも?僕はそれに惹かれます。
>最近洋画をほとんど観なくなりましたが、今年のベストですか。
-----
ケイトを美人だと思ったことはないし、どちらかといえば顔が大きすぎて嫌いな女優なのですが、このケイトはよかったです。そんな場面はほとんどないのに、色気を感じました。
ベストと言ってもハリウッドのベストであって、独立系洋画、邦画のベストは別にあります。 (2010年12月22日 09時10分18秒)

Re[1]:「ロビンフッド」映画的嘘が心地よい(12/21)   KUMA0504 さん
Mドングリさん
>リドリー・スコットの新作ということで、ぜひ観たいのですが・・・・
>残念ながら我が町から映画館が消滅して久しいのです。
>以前は4館もあったのに、今はゼロで・・・・
>どうしてもとあれば県庁所在地(高知)か、宇和島まで出かけることになり・・・悩んでいます。
-----
四館あった映画館がゼロになるというのは、戦後日本を象徴していますね。文化の衰退と過疎化。倉敷はたぶんそれぞれの地方に10館ちかくあったはずですが、全部潰れて、今はMOVIXに10スクリーンまとまっています。映画観るには便利ですが、決していいことではありません。
(2010年12月22日 09時15分58秒)

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