再出発日記

2011/01/07(金)10:38

土器だ ! ドキドキ‥ 韓旅3―2(泗川・普州)

韓国旅行(09~)(84)

2010.11.3(泗川・普州) 泗川(サチョン)から10分ほど車を走らせて勒島(ヌクト)に来たはいいけど、遺跡の場所は探検するしかないな、と腹を決める。とりあえず近くの食堂で昼食をすることにした。そしたら偶然にも今さっき話をしたアジョッシの店だった。この小さな島では釣り客のために食堂と民宿だけは何軒かあるのである。当然というか、ここにはフェ(刺身)の食堂しかない。一食5000Wが当たり前の韓国の食堂ではあるが、刺身料理だけはなぜか高いので、私はほとんど足を向けないのである。一番安い海鮮丼(10000w)をたのんだ。 出てきました。刺身にコチジャンを掛けた丼と、ご飯と五皿の副菜とスープです。せっかくなので魚の名前が知りたい。閑だった食堂に急遽おばさんがやってきて、昼食を作ってくれたのだけど、日本人が珍しいのか、ひそひそ話をしている。アジェンマ(おばさん)に聞く。 「これはなんですか」 「○△×」良く分からない 「ここに書いてください」とメモ帳を見せる。 頼んだアジェンマは尻込みをしてもう一人のアジェンマに書かせる。文字が達筆で全然読めません。単語じゃなくて文章を書いてくれた。読める単語だけでも辞書を引いたけど出ていない。なんだったんだろ。結局何の魚が乗っている海鮮丼なのか分からずじまいだった。副菜のなかで貝の煮つけとイカの塩辛は美味しかった。魚はさすがに新鮮です。 食事のあと、荷物を食堂に預け、「遺跡を見て回りたい」と申し出てみた。アジェンマはアジョッシに聞けという。アジョッシは「ともかくこいつは遺跡の場所に行きたいのだ」と納得してくれて、近くで井戸端会議をしていたハルモニ(おばあさん)に案内を頼んでくれた。手前の小柄なほうのおばあさんでした。 私の肩ぐらいの背が低くてやせっぽっちのハルモニでした。なんと彼女は少し日本語が出来る。 「わたし、7歳から14歳まで日本にいました」なぜいたのか聞いたが、親についていったというぐらいでそれ以上は聞くことは出来なかった。二人並んで橋の手前の畑のほうに歩いていきました。 最初、ここで人が死んでいた、並んで死んでいた、というので、自殺があったのか、あるいは戦中のことかと思っていたら、道の処で寝転ぶ真似をする。どうやら遺跡の発掘の様子を一生懸命説明してくれていたらしい。つまりそれだけ沢山の墓がこの勒島遺跡の橋のたもとで発掘されたということなのだろう。 このあたりは土がアルカリ性なのか骨の出土状況はいいようだ。きっと良好な形で遺骨が出てきたのだ。釜山大学博物館には勒島出土の人骨の展示があった(純粋に学術展示なので怖がらないでね)。墓があったのは畑の横の舗装道路なのであるが、彼女はそこで並んでいた、と畑も指差す。そこで畑の中に入ってみた。びっくりした。 「これは遺跡の土器ですか」 「そうです」 土器って言う意味分かるのだろうか。 「これは貴重です」 ハルモニには私の感動が伝わってはいない。畑に遺跡の土器があるのは当然だろ、という感じだ。せめて私が興奮していることぐらいは分かっただろうか。2000年前に朝鮮半島の人たちが土を選び、成型し焼いて生活していた証がここにある。ひとつの破片からは土の形質、作り方、生活の質までも専門家ならば類推することができる(私にはできません)。 ハルモニには礼を言って帰ってもらって、しばらく畑の上の土器を探した。 ボロボロ畑に落ちている。発掘後にこんなに土器が残っているなんて、日本では決して考えられない。土までもふるいにかけて、小さな玉もないか全部調べて帰るのだ。そして洗浄して土器から時間をかけてて丁寧に一つ一つ再生する。土器の数自体が、データになるし、万が一破片の中に絵画や文字があれば大発見になる。 拾った土器は見た目は弥生土器そっくりだ。線刻もはっきり残っている。幾つか拾って帰ることにした。(本当は良くないことです^^;)しかし、韓国の発掘の杜撰なこと!!! そのあと島の上のほうに回った。 残りの遺跡の場所は特定できなかったが、漁村の家を見て回ることができた。少し上に登るとすぐ島の反対側が見渡せます。 典型的な漁村です。屋根に干物を干している。 驚くほど若者がいない。言い換えれば、若い嫁がいない。おばあちゃんが至るところで網の繕いをしている。 家のつくりは、玄関からよりも窓から出入りすることのほうが多い気がする。 道沿いの壁に絵を描いているのを初めて見た。(帰国して実はこれは現代韓国を覆っている一大美術運動なのだということを知るのであるが、それはこの旅の最後のほうでもう一度書く) 綺麗な小鳥も描いています。 そのあと、潰れたモーテルの上に上がり、村を一望して写真を撮ったのでした。

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