|
カテゴリ:読書(09~ノンフィクション)
「アメリカから<自由>が消える」堤美果 扶桑社新書 この前の講演会に行ったときに、サインをもらうために買った本です。純粋に間近で著者を見たかったということで、おそらく講演と同じ内容なのだろうと分かった上で買いました(2010年4月発行なので、「ルポ貧困大陸アメリカ2」よりも最新情報が読めるという計算もありました)。「頑張ってください」と目の前で言ったときに、目もあわせられなかったへタレの私でした(^^;) 予想とおり、内容的にはこの前の講演会で私がメモしたことと同じでした。ところが、ショックの度合いは非常に大きい。様々な具体的な事実が、多くのことを語るのです。 「おわりに」のところで彼女は書いている 「歴史を振り返れば<言論の自由>は、それが最も必要とされるときに押さえ込まれてきたことが見える。 とはいえ、それを可能するにのは政府ではない。 <言論の自由>を押さえ込むために作り出された日常のなかの様々な仕掛け、それらにあおられ人々との間に拡大していく<恐怖>。その<恐怖>にわたしたちの無知と無関心が力を与えてしまい、いつの間にか<言論の自由>が押さえ込まれ、社会全体が閉じられていくのだ。 9.11後のアメリカで私が目にした「人は理解できないものに<恐怖>をいだく」という法則は、時代や国によってさまざまなバリエーションで使われる。 たとえテレビやラジオ、新聞や裁判所など、様々な民主主義の<形>が残っていたとしても、学校や職場、政党内で自由な論議がなされているかどうか、しっかりチェックする必要がある。 それを感じ取るアンテナの精度は、与えられた情報の利用と質に比例する。(略)<恐怖>に打ち勝つ一番の方法は、何が起きているのか正確に知ることだ」 昔「笑顔のファシズム」という本がアメリカで出版され、訳本が日本に出回っていたが、いつの間にか私の本棚から消えていた。 アメリカとて黙って見過ごしていたということではない。そのことはこの本の一番最後に詳しく書かれている。けれども、その前に「何が起きているのか正確に知ること」が必要なのだ。日本のわれわれも同様だ。 この本で幾つかの「事実」を知ると、「あのアメリカでさえこうなのだから、日本はあっという間に監視社会になって、言論の自由は奪われるかもしれない」という気持ちと、「いや、そういう反面教師が既に存在したのだから、きっと日本の良心は大丈夫だ」という気持ちが二つある。 ともかく、ここに書いている「何が起きているのか」を幾つか、ブログ上で紹介することは、大切なことではないかと思うので、抜書きしたい。 続く。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[読書(09~ノンフィクション)] カテゴリの最新記事
最初の開国は明治維新である。二番目の開国は戦後である。三番目の開国はこれからである。
考え方にはいろいろある。自分たちの考え方が理に合わないものであることを証明するのは難しいことである。だが、それが証明できなければ、おかしな考え方を改めることも難しい。 http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/ http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812 (2011年02月14日 11時33分39秒)
アメリカの「自由」とは、「自己主張によって自己の利益を最大化する自由」なのかなと思うときがあります。それは容易に他人の「自由」を侵害し、自分の考える「自由」を相手に押し付ける「自由」でもあります。
アメリカは、西ヨーロッパで起きたような不寛容のぶつかり合いによって多大の死者を長年にわたって出したという歴史を持っていません。強者による弱者の一方的な殺戮という歴史はありますが。 「寛容」というものが育ちにくいのかもしれません。 (2011年02月14日 16時33分08秒)
nogaさん
>最初の開国は明治維新である。二番目の開国は戦後である。三番目の開国はこれからである。 > > >考え方にはいろいろある。自分たちの考え方が理に合わないものであることを証明するのは難しいことである。だが、それが証明できなければ、おかしな考え方を改めることも難しい。 > >http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/ >http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812 ----- 初めまして。ご意見ありがとうごいます。 あなたの意見は読ませてもらいました。ざっとですが。 何も言うことはありません。そういう場合もあるだろうし、そうでない場合もあるだろう、ということぐらいです。 今後は直接関係ない記事にコメントしないようにお願いします。以後あれば、スルーします。 (2011年02月15日 09時19分50秒)
まろ0301さん
> アメリカの「自由」とは、「自己主張によって自己の利益を最大化する自由」なのかなと思うときがあります。それは容易に他人の「自由」を侵害し、自分の考える「自由」を相手に押し付ける「自由」でもあります。 > アメリカは、西ヨーロッパで起きたような不寛容のぶつかり合いによって多大の死者を長年にわたって出したという歴史を持っていません。強者による弱者の一方的な殺戮という歴史はありますが。 > 「寛容」というものが育ちにくいのかもしれません。 ----- アラモの砦で、だまし討ちみたいに、「愛国心」を鼓舞してニュー・メキシコを獲ったときから、アメリカはこれが「正義」だと思っているのかもしれません。 アメリカの価値観が「世界」ではありません。ためしに韓国の映画や、ニュージーランドの映画を観ただけでもその広がりがわかります。 (2011年02月15日 09時28分34秒) |
|