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2011年04月19日
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大江健三郎がル・モンド紙のインタビューに答えて語っている言葉が、とても鋭いものに思えた。
「広島・長崎の原爆死した死者が、私らを、核兵器を相対化する視点から遠ざけました。私らは、そのようにして根本的矛盾を意識しながら、しかも日本の事実上の再軍備、アメリカの軍事同盟を受け入れたのです。これが日本という国のあいまいさの中心に居座ることになりました。」
日本という国の「あいまいさ」についてはたぶんノーベル文学賞受賞スピーチで述べた通りなのだろう。しかし、それが原発政策に対しても貫く原則になっていたということは、私はこの発言で気がついた。
「日本のあいまいさを、堅固な外交政策として安住させたのが、アメリカの核抑止政策への理由のない信頼です。それと原子力発電所の安全性への理由のない確信とは、つながっていないでしょうか」
そして大江はその意味がさらに「危機的な行き詰まりに至っている」という。
「1994年に私の言及した「あいまいな日本」は、なお猶予期間のある、あいまいな国でした。あいまいなの対義語は、はっきりしているです。」
そのあと、大江は原発問題に対する言及を「あいまい」にしたまま、沖縄問題への意思表示をあいまいなままにしてはいけないと、良く分からない言葉でインタビューを終わらす。このわかりにくさが大江の欠点であり、私が大江を読まない理由ではあるのであるが、しかし「理由のない信頼」という言葉はいかにも文学者らしく「的を得た言葉」であった。

石橋克彦氏の以下の指摘はこの四週間私が思い続けてきた日本の危機管理の弱点をきちんと言葉にしてくれていた。
半藤一利氏の「昭和史1926-1945」を読むと、日本がアジア太平洋戦争を引き起こして敗戦に突き進んで言った過程が、現在の日本の「原発と地震」の問題にあまりにも似ている事に驚かされる。「根拠のない自己過信」と「失敗したときの底の知れない無責任さ」によって節目節目の重要な局面で判断を誤り、「起きては困ることは起こらないことにする」意識と、失敗を率直に認めない態度によって、戦争も原発も、更なる失敗を重ねた。そして多くの国民を不幸と困難の底に突き落とした(落としつつある)。


「世界」論者が一様に言っていたのは、(専門家たるもの)「これは「想定外」だというような言葉を、軽々しく使わないのが「専門家」と称する学者や企業の責任なのだ。」ということだ。坂本義和氏しかり、池内了氏しかり、飯田哲也氏しかり、石田力氏しかり、その他しかりである。

ひとつ気がついたのは、日本はまたひとつの世界共通語を作っていたということだ。「フクシマ」。「フクシマを繰返すな」「フクシマを教訓に」。この言葉がどのように育っていくのか、それは我々日本人にかかっているだろう。

神保太郎の「メディア批評」を読んで、改めて原発に対する日本のマスコミの批判性のなさ、腰砕け、腐敗を思い知った。13日の新聞は総てのマスコミ新聞が原発問題について言及している。しかし、日本原子力の父正力松太郎を社主としていた読売だけでなく、脱原発につながる論説はひとつもなかったと言うのである。






最終更新日  2011年04月19日 23時16分15秒
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