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2011年07月24日
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カテゴリ:邦画(11~)
韓国旅行記を今日だけ止めて昨日岡山で初日を迎えたひとつのドキュメンタリーの監督を迎えてのトークを記録したいと思います。

「PEACE ピース」
上映の後、監督トークがあったのでそのメモを元に再現してみます。あくまでも私のメモを元にしているので、ニュアンスは違っているし、もし間違いがあれば訂正ください。

01.jpg
地元岡山ということで、なんと出演者の監督の義理の父母、柏木夫妻と済生会病院の石原医師そして(初めて見ました)美しい奥様も会場に来られていて、しかも義父の柏木さんは壇上に上がられて質疑に応えてくれました。結果的には柏木のお母さんも石原医師も会場から答えてくれました。

映画上映の前に監督から一言だけ挨拶があり、「映画が終ったら見慣れた風景が変わって見えたならば嬉しいです」とありました。本当にこれからは(橋本さんの住まわれていた)運動公園前の風景が今までとは変わって見えるようになると思います。上映後に質疑応答がありました。

映画あらすじ(goo映画より)
岡山に住む柏木寿夫は、養護学校を定年退職した後、障害者や高齢者を乗せる福祉車両の運転手をしている。老人と散歩したり、買い物に付き合ったり、一緒に食事したり…。その傍ら、自宅の庭で野良猫たちに餌をやり続けている。ところが最近、外部の“泥棒猫”の侵入で、猫の間に緊張が高まっている。寿夫の妻・廣子はヘルパーを派遣するNPOを運営している。彼女は週に一度、91歳の独居老人、橋本さんの生活支援に出かけていく。

監督・製作・撮影・編集  想田和弘

監督「(この映画を撮った動機は)最初韓国のパジュ(国境沿いの町)でドキュメンタリー映画祭で「平和と共存」をテーマに映画を撮ってくれという要請があって、始めは躊躇した。私はテーマありきでは撮らない。予定調和になってしまう。ところがたまたま実家に帰ったら、お父さんが野良猫に餌をやっていて、猫と人間の交流ならば撮れるのではないかと思った。泥棒猫と言われているあの猫がぱっと餌をとってばっと逃げるところを偶然撮れてしまった。出来るのではないかと思った。」

監督「フィルムは32h回しています。今回は一番短くて14日間の撮影でした。」

監督「(字幕のあり方を聞かれて)今回は岡山弁字幕版、字幕なし版、英語版の三つのバージョンがある。今回三人で字幕をつけた。妻がずっと手話をやっているという背景もある。聴覚障害者は(字幕の付く)洋画しか見ないと聞いていた。」

監督「(平和や社会の見かたについて聞かれて)私のは「問い」についての映画だと思っている。あくまでも私の解釈だけれども、福祉と戦争は真逆だと思っている。福祉は一人ひとりの事情に合わせるでしょ。足の悪い人がいたならば送り迎えをする。一方戦争は橋本さんの一銭五厘の話じゃないけどどんな事情があろうが召集令状が来たならば戦争に行かないといけない。僕は福祉の精神が行き渡ったならば戦争はなくなると思います。」

監督「(核について聞かれて)原発はずっと止めてほしいと思っていました。ぼくは今回の事故は台本主義の破綻だと思っている。「原発は安全だ」という台本が一人歩きしていて、でも現実はそれを聞いてはくれない。改めて台本主義のドキュメンタリーはダメだと思う。」

お父さん(柏木寿夫)「(出演してみて)全体を通して何の緊張もなく、おっカメラ撮りょんかい、というくらいだった。素のままでやっているままだった。普段の自分が映っている」
実際、ホントに映画のまま自然体の柏木さんでした。奥さんも壇上に上がってほしい、と監督から要請があったのですが、それは最後まで断っているところが奥さんらしいと思いました。


監督「(今回の作品について)気に入らないところはない。今回はするすると出来てしまった。ドキュメンタリーの神様が降りてきたみたい。母が福祉の制度を批判しているときに鳩山さんの演説がラジオから流れていたのもそう。橋本さんが戦争体験の話をするのもそう。あれは事前の打ち合わせは一切やっていないから、あの空気が撮れたのだと思っている」

監督「(取材者との関係性について聞かれて)選挙のときは自分の存在を消そうと思っていた。今は自分が映ってもいいや、と思っている」

済生会病院の石原医師「最初お話が来たとき、(テレビに何回か出た経験から)変な扱いになるのを心配したけど、今回作品を見て台本主義じゃないことが良く分かった。今回は普段のままが出ていた。私は方言を出して診療するスタイルなんだけどそのままだった。橋本さんの普段の生活は知らなかったけど、見れてよかった。」

私も質問してみました。
「橋本さんがなくなられたのが最後にあって、ショックでした。彼の最後は撮影から何ヵ月後で、葬式はどのようだったのですか。それと、黒猫のその後の様子を知りたい。」監督からではなく、一番事情を知っている奥さんとお父さんが答えてくれました。
奥さん(柏木廣子)「一ヵ月半後になくられました。普通生保(生活保護受給者?)の葬式は1-2人の参列なので、そのイメージで行ったら、若い人がたくさん来られていてびっくりした。福祉関係だけでなく、何らかの付き合いのある人。30人くらいだった。ギターの演奏もあって心のこもった葬式でした。」
末期肺ガンにかかりながら愛用の「ピース」のタバコを離すことができない91歳の橋本さんの様子は、なんか私の父の最後にも似て心に撃つものがありました。彼の最期が淋しいものでなくて、本当によかったです。
お父さん(柏木寿夫)「ハートのシロは実はこの二月に亡くなりました。この二年間2-3日に一度の点滴をうっていたのだけど、ついに‥‥‥。クロは、撮影は二年前の11月でしたが、あれからすこしづつみんなの中に入っていった。最初は泥棒猫特有の眼の輝きを持っていたけど、今は優しい眼になっています。」
絶対平和を声高に叫ぶものではないけれども、監督の言うように「戦争と福祉は真逆である」ということを雄弁に語るドキュメンタリーであったと思います。これこそ、「平和と共存」ですね。

映画は「テーマありきの映画ではない」けれども「ある程度の予感を持って、撮っていって、いろんな対象映像の中から自分の主張を出す見事な編集をした」「ドキュメンタリーの王道」を行った作品だと思います。監督の「監察映画」という言い方に付いては、私は当初「選挙」に付いて書いた折にコメント欄で監督から反論をもらっており、主張の訂正をしています。今回はその「観察映画」の一番善いところが出た作品なのではないかと思います。

地元の試写会でしか味わえない、豪華なゲストを迎えて貴重なお話を聞けた有意義な時間でした。





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最終更新日  2011年07月24日 15時41分27秒
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