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再出発日記

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2011年08月06日
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カテゴリ:湯浅誠
7月30日(土) 夏旅一日目
日にちを入れるのを忘れていました。昨日の続きで母親大会のメイン講演、湯浅誠さんの話を紹介します。

昨日のある会合で「母親大会の湯浅さんの話は思ったよりはよくなかった。やっぱり彼も政府側の人間になったということなのかな」という世間話が耳に入った。おそらく、政府批判が一切なかった為にそう思ったのではないかと推測した。私は違うと思う。彼は政府参与になる前も後も、政府にしろ、その他団体にしろ、利用できるものは利用する、という態度で一貫している。彼の目的は政府批判ではない。他にある。湯浅誠は学者でもなく、政治家でもなく、広い意味での活動家なのだと思った。彼女は湯浅さんから「求める人は求めるばっかりで、作るのはおろそかにしがちです」と批判されたことに気がつかなかったのか。それとも、批判されたから反発したのか。

以下私なりの講演の内容を「まとめ」てみたい。文責はもちろん私です。

4129湯浅誠2.JPG
「貧困をなくし、人間らしく生きられる社会をつくる」

皆さん、子供は何人おられますか?(手を上げてもらう。2-3人が一番多い)私の父は13人兄弟だった。今日のテーマのなかの「人間らしく生きられる社会をつくる」誰が作るのか。私たちが作る。どうやって作るのか。このとき二つ大事なことがあります。「つくる」ことと「求める」ことです。

つくる、それは地域、状況、時代によって違うでしょう。障害を持った人が社会参加をするために作業所を「つくる」。誰に言われてするのではない。仲間に話して「あなたも困っている。私も困っている」と、そういう広がりががあって、政策支援、制度的なものを「求める」ということがあって、社会に求めていくのでしょう。

私はホームレス支援を95年からはじめた。きっかけは単純で友達がしていた。誰かにしろ、といわれたわけじゃない。「つくる」と「求める」はセットです。言うは簡単だけど、難しい。

作る人はただそれだけで一生懸命で手一杯でなかなか求めることが出来ない。

求める人は求めるばっかりで、作るのはおろそかにしがちです。

二つはセットにしないと活かせない、説得力がない。私はホームレス支援をしてわかったことが一杯ある。作らずして求めるのは弱い。求めずして作るのも社会状況が変わる中でだんだんと疲弊していく。

いま、高校中退の問題をしています。高校中退は増えています。私はホームレス問題で早く対応することが大事だと気がつきました。彼等は小中で躓いた人が多い。そこでつながりが切れる。ずーと低空飛行を10-30年間した人が大勢いる。そこから回復するのは、とても大変。個人的にも、周囲もそうです。

前、講演の後定時制の先生が言って来ました。「外国の人が多くて、彼等は日本語が喋れない。家庭環境が悪くて、お母さんの対応までやっていられない」学校の労力がないからさよなら、じゃなく、サポート体制を地域でつくること、中退する手前でサポートする人、中退してもサポートする人が必要です。

いま未婚率がどのくらいかご存知ですか。30代前半ではほとんど五割です。20代後半では六割です。

ちょっと前の常識は常識ではないんです。

結婚したくない人が増えたのでしょうか。そうじやない。九割の人が結婚したいという。みなさんの娘さんになぜ結婚しないか聞いて見るとこういう答が返って来るでしょ。「いい人がいない」。いい人とは何でしょうか。性格、容姿、経済力でしょう。こういうデータがあります。25-35歳の女性に相手にどのくらいの年収を求めるか聞くと、七割が400万円以上だという。贅沢でしょうか。一方、同年代の男性で400万円以上のひとは二割しかいないという現実があります。いい人がいない、というのは経済的なことに落ち着くのです。

働きたいけど働けない人は失業者です。結婚したいけど結婚できない人にはまだ言葉ができていません。でも、バブルが弾けて就職氷河期になって出来た言葉「シュウカツ」というのがあって、いま「婚活」が必要になってきている。

結婚するためには(結婚)活動家にならないといけない。

生涯未婚率(50代での未婚率)は増えてきています。1950年代は1%、1970年代は2%、2005年は15%でした。2030年には30%になるといわれています。

そこでふと気がつきます。
就活、婚活とくれば、生活。生きるための活動です。
ぼーと生きていけると思うなよ、生きていこうとするならば活動家になれよ、といわないといけなくなっています。笑い事じゃない。

若い人の死因のトップは自殺です。三万人以上自殺するのが13年間続いている。国際的に見て日本より高いのは経済力が低くて、気候が厳しいところばかりです。ほんとに異常なのは、13年間続くと驚きがなくなってくること。異常なのが、異常と思えなくなってしまうのが、異常なのです。

毎年の交通事故死は何人か。5000人です。
毎年の他殺は何人か。減ってきていて600人です。
日本は他人に殺されるより、自殺のリスクが50倍、交通事故死よりも自殺のリスクが6倍高いのです。子供さんが外に出るとき、「車に気をつけてね」と声かけるけど、その六倍のわりあいで「あんた、生きてね」と言わないとちゃんとリスクにあった声かけにならない。

貧困率は2006年が15.7%、2009年が16%。子供の貧困率はその三年間に23万人増えた計算になっています。

貧困状態が16%もあるような社会じゃ回っていかないのです。一人ひとりはそれぞれの力を持っている。それを出さないと回っていかない。3が出来て7が出来ない人に「おまえ7ができないのか」と言って切り捨てるのは3を失っているのです。

私の兄は障害者で印刷の有限会社で働いています。キーボードを打つスピードは私の1/10ですが、幸にも兄はそこで25年間働いている。もし兄の働く場所がなかったら、ずっと家に引きこもっていただろう。母はいま社交ダンスをしていますが、それができるのも兄が働きに出ているからです。兄が働くのは、兄にとっても、母にとっても、そして私にとっても、社会にとってもプラスになっている。

いま、これを社会的に換算できないのです。障害手帳がなくても求めている人はたくさんいます。

貧困や自殺は人の心に傷を残します。震災でも生き残っている人は自分を責めますよね。13年間で40万人の人が自殺しました。遺族は100-200万人です。この人たちは自分を責めている。心の瑕は簡単には癒えない。気持ちが前向きにならない。そしてその気持ちは伝染します。

自殺を一人阻止する、貧困を一人阻止する、一人であっても社会参加することに対する波及効果はおおきい。マイナスとプラスの差は、とても大きいものがあります。それが社会への活気を作っていく。

人間らしく生まれる社会、それぞれが役割を持って社会を作っていく、それはつくり、求めることで果たされる。

私も目指すし、みんなも目指してほしい。でもあまり頑張りすぎないで、やっていきましょう。


4128湯浅誠3.JPG
(感想)
湯浅さんは、講演上手だと思う。話す対象によって、話し方をみごとに変えている。お母さん相手に明るく、難しい言葉は一切使わず、笑いを何度もとって、言いたいことを言い切った。

湯浅さんの関心が貧困から一歩進んで、貧困状態になる手前の社会をサポートする(言葉があるけど忘れた)方向に舵を切っていることがはっきりした。

湯浅さんはこの五ヶ月ボランティアセンターの調整の仕事をしてきたはずで、彼から見た震災の姿を聞けるかと思っていたが、彼の引き出しは豊富で今回はまだ聞けなかった。

今日の歩数 14430歩





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最終更新日  2011年08月06日 17時30分35秒
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