5820308 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

再出発日記

PR

X

フリーページ

カテゴリ

お気に入りブログ

夜は情熱に燃え昼間… New! Photo USMさん

My brother is suppo… New! Hiro Maryamさん

マイナへの疑問 New! ポンボさん

『日没』1 New! Mドングリさん

週刊 マンガ便 小… New! シマクマ君さん

カレンダー

2011年12月02日
XML

「峠うどん物語」(下)重松清 講談社
上巻の方は9月に読んだのですが、やっと下巻のほうが貸し出しの順番が来ました。

峠うどんは、斎場のすぐ近くにある。お客さんは葬式にやってきたけど親類じゃないので直ぐ帰るのだけど、気持ちの整理がつかない人ばかり。そういう中でお爺ちゃん夫婦のお店を手伝いながら中学三年生の淑子はいろいろなことを学んでいく。

下巻は淑子の三年生10月から3月、高校受験までの話。

「よっちゃん」
「なに?」
「まだ高校生のうちはめったにないだろうけど、おとなになったら今夜みたいなお通夜や告別式に出なきゃいけないことも増えるからね。覚悟しときなさいよ」
「……けっこうつらいね」
「でも、それが生きるってことなんだから。人生ってのは出会いと別れの繰り返しなんだからね」
いつもなら笑ってしまうおおげさな言い方だったけど、いまはすんなりとうなずくことができる。「アメイジング・グレイス」のメロディーが耳の奥で鳴っているからだろうか。


淑子はその日初めておじいちゃんのうどん屋で正式のお客としてかけうどんを啜る。同級生の女の子が受験の日に飛び降り自殺をしたのだ。話したこともない同級生だったから、涙は全然でない。お通夜のあとに食べたうどんの味は……。

初めて葬式に出会ったのは、私の中学の入学式の日の次の次の日だった。なぜ覚えているかというと、母方のおばあさんが入学式の日の朝に亡くなり、ちょうどその時に我が家の瓦屋根の上でカラスが何回か鳴いたのである。「不吉だねえ」と話しているときに電話が鳴った。前日の夜まで連日看病に行っていた母はその時朝食を作っていたが、その知らせを聞き泣き腫らしていた。一度も話をしたことのない祖母だった。だから、一切悲しいという気持ちは生まれなかった。と思う。死に顔も見なかったと、思う。新しい制服で葬式に遅れて参加し、親類からちやほやされたのを覚えている。みんな優しかった。それは不思議な空間だった。

そのとき、社会をほんの少し垣間見た。「人生ってのは出会いと別れの繰り返し」だっていうことは、今なら分かる。きちんとやっているとはいえないけれど。






最終更新日  2011年12月03日 00時26分18秒
コメント(0) | コメントを書く
[読書(09~フィクション)] カテゴリの最新記事


キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

KUMA0504@ Re[1]:長島愛生園訪問(11/20) 象さんさんへ こんにちは。コメントありが…
象さん@ Re:長島愛生園訪問(11/20) 長島愛生園を写真入りで紹介してくださっ…
KUMA0504@ Re[1]:高野秀行の10冊目「移民の宴」(11/08) ポンボさんへ ありがとうございます♪ 高…
ポンボ@ Re:高野秀行の10冊目「移民の宴」(11/08) ご紹介ありがとうございます。 私の、読み…
KUMA0504@ Re[1]:リンク先を追え!(11/05) はんらさんへ 本を検索するだけならばAmaz…
はんら@ Re:リンク先を追え!(11/05) 「ブクログ」という読書サイト、面白そう…
KUMA0504@ Re[1]:小池書記長街頭演説会(10/29) 4兆→6兆でした。 失礼しました。
maki5417@ Re:小池書記長街頭演説会(10/29) 数字が間違っているようです。 ご訂正を!
KUMA0504@ Re[1]:今月の映画評「82年生まれ、キム・ジヨン」(10/17) はんらさんへ なるほど、ちょっと恵まれす…
はんら@ Re:今月の映画評「82年生まれ、キム・ジヨン」(10/17) わ! その一言、気になります! 私は原作…

バックナンバー


© Rakuten Group, Inc.