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2011年12月13日
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「運命の人」(1)山崎豊子 文春文庫
やっと山崎豊子の(おそらく最後の)長編小説を読み始めた。「不毛地帯」からずっと読んできた読者としていつも思うのは、山崎豊子の長編は小説という名の告発小説だということだ。
「この作品は、事実を取材し、小説的に構築したフィクションである」
この一文がわざわざ巻頭に載ることの意味は大きい。固有名詞だけを替えて限りなく事実に近い世界を描いているのが山崎豊子の長編である。しかも、その取材は徹底していて、おそらく事実無根の話はないだろうと私は見ている。その証拠に、明らかに個人・団体が特定できる問題山積みの歴史的事実が満載なのにも係わらず、今まで一回も訴えられていないことから、それは明らかだ。

今回は、沖縄機密漏えい事件にまつわる、所謂西山記者の裁判をテーマに扱う。

今まで、商社の政治癒着、日本人二世問題、中国残留孤児問題、日航問題、等々日本の政治の「周辺」を扱ってきたが、今回はほとんどその本丸、国会周辺を記者の目を通して描いている。

今回の主人公は、毎朝新聞の弓成。日米機密を暴いた記者を裁判にかけて不倫問題に貶めて潰したのであるが、正義の人物というふうには描いていなくて、小平(大平のこと)番の特ダネ記者として、特ダネのためなら何でもするような人物として描写している。実際そうだったのだろう。たとえば、こういう描写がある。

政治家は、新聞記事の書かれ方一つで、生かされも殺されもするから、保険の意味で、盆、暮に、番記者はもとより各社編集局長に30万、政治部長に10万、有能な若手には銀座の一流テーラーのお仕立て券つきワイシャツといった通り相場の挨拶が届く。それ以外に昇進祝、海外出張の折の餞別にも気が配られる。むろんそれを受け取るか、返送するかは、各社各人の判断で、毅然としてはねつける記者たちも多い。
弓成の自宅に届いた"越前もなか"は、30万円が菓子折りに添えられていた。時節柄明らかにポスト佐橋を見据えた実弾攻撃で、"二角小福"戦では、お手柔らかにとも、田淵・小平連合ができた際には宜しくともとれる。弓成はバナナ王である北九州の父に、輸入ものであるパパイヤを空輸してもらい、その中に"越前もなか"を添えて、目黒の田淵邸へスマートに返したのだ。


田淵は言うまでもなく田中角栄だろう。いやに具体的なので、おそらくこれと同じことがあったに違いない。噂には聞いていたが、政治家のマスコミへの金の使いようは、昭和46年当時でこれなので、ものすごいものがある。しかし、たぶん大げさではないだろう。国会機密費というものがあって、これと同じことが行われていたということがつい最近明らかになったばかりだ。こういうことが堂々と行われていたということは、受け取る記者や編集局長そしてテレビ関係者が少なからずいたし、今も居るということだ。今ならば、10万が20万、30万が50万円だろうか。いや、五万円であれにせよ、我々庶民の「常識」とはかけ離れている。こういう人たちが、マスコミと称して現在も、橋下フィーバーを作り上げたり、原発批判を3-5ヶ月も遅らせたり、しなかったりしているのだ。ああ、書けば書くほど頭にくるので、これについてはもう書かない。

この物語の中心的な「事実」、沖縄機密については、一巻目であっさりその真相が書かれる。沖縄返還名協定の際に、沖縄の土地などの復原補償費は米側の支払いとなっているが、事実は日本側の肩代わりのだという「密約」なのである。このとこについては、二巻目でも問題になるだろうし、私もいろいろと書きたいことがあるのであとに譲る。






最終更新日  2011年12月14日 00時17分33秒
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Re:「運命の人」(1)を読み始める。(12/13)   よーこ さん
わお!
文庫がもう出ているんですね。買わねば。 (2011年12月14日 07時50分06秒)

Re[1]:「運命の人」(1)を読み始める。(12/13)   KUMA0504 さん
よーこさん
>わお!
>文庫がもう出ているんですね。買わねば。
-----
もし、いつも山崎豊子さんの著作を買っているのだったら、途中ちょっとだれますが、最後の著作かもしれないし(^_^;)買ったほうが善いかも。 (2011年12月14日 22時24分38秒)

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