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2011年12月16日
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「シャレコウベが語る」松下孝幸 長崎新聞新書

かなりマイナーな処から出ている新書なので読んでいる人は少ないと思うが、前作「日本人と弥生人」の内容をさらに深化させて、かつ読みやすくさせていた。

2001年発行であるが、その間に土井が浜弥生人骨のルーツが中国山東省にあることを突き詰めたというのが、一番大きい。もちろん、それが直接祖先が中国からの渡来人であったというようなことは言っていない。それどころか、韓国の人骨はほとんど調べていないのが現状のようだ。著者は韓国には勒島意外には人骨が発掘されていない、などと言っているが、釜山大学にもあったし、ほかにもあったはずだ。勉強不足ではないか。

面白かったのは、弥生時代の「殺人事件」を人骨の解明から推理したパート。土井が浜の124号人骨は以前よりも突っ込んだ推理がされていた。びっくりしたのは、14本もの鏃(やじり)が打ち込まれていた特異な人骨だというふうに展示されているが、当の館長は骨に総べて当っていないということで、実際は「体に打ち込まれなかったかもしれないと考えている」と言っている。そして、致命傷はここにはない鏃が頭に打ち込まれていたのである。それは鉄錆がついていたことで明らかになった。そして殺されて直ぐに顔面を破砕されている。これらのことから、シャーマンとしての責任を取らされたのだろう、と以前と同じ結論だった。

もう一つ面白かったのは、青谷上地寺遺跡の脳が残っている人骨への所見だ。戦争があった、ということではなく、脊椎カリエスという病気を怖れて周辺地域の弥生人が全員を虐殺したという所見を述べているのである。傾聴に値する。紀元二世紀の遺跡だけに、これは一つの事件として覚えておくべきだと思った。






最終更新日  2011年12月17日 03時23分30秒
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